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【カンザキイオリ】2nd Album「不器用な男」セルフライナーノーツ

2ndアルバム「不器用な男」を聴いてくださっている皆様。ありがとうございます。ここに感謝の気持ちを込めて、短いセルフライナーノーツを記します。

一.命に嫌われている

私がいくらここで歌おうが、叫ぼうが、どこかの誰かは死にたくなるし、どこかの誰かは死んでしまうのが、私はとても悲しいです。
過去親友と呼べた方が、この曲を投稿して数日後亡くなっていたことを最近知りました。残された私達は、これから一体何をして生きていけばよいのでしょうか。楽しかったあの日の出来事も、数年後私たちの心にしか残っていないのだと思うと、歯痒く、人は何て儚く弱いものなのかと実感してしまいます。
私はこれから、誰かのためではなく、自分のためにやりたいことをやりたい。
死にたくないという歌も、生きてほしいという歌も、誰かを救いたいという歌も、全ては誰かのためではなく、自分のために歌いたい。いつかはみんな死んでしまう。それならその時に思った自分の気持ちだけはしっかりと未来の自分へ繋げていきたい。
それがせめて、この世から旅立つ方々への餞となりますように。
私はずっと、あなたを忘れない。

二.カメムシ

自分が好かれていると思ったことは少ないが、嫌われていると思ったことはよくあります。それでも時々に好かれてしまうものだから、私は全くもって中途半端な人間なんだなと思います。もういっそのことカメムシになりたい。一生、誰かに嫌われていたい。煙たがられ、どこかに飛んでいきたい。

三.吸血鬼

「ルシファー」というテレビドラマを見て思いついた曲です。
一度はみんな思ったはず! 自分が人間ではない、人間を超越した何かで、秘密裏に自由気ままに生きている想像。
飽きたらどこか違う場所へ。ゆくゆくはそうやって自由気ままに生きられたらいいですね。
創作活動をしていると昼夜逆転して、自分が本当に吸血鬼の様な化け物と同じ様に思います。俺のお嬢さんはどこっすか? 

四.あの夏が飽和する

小説「あの夏が飽和する。」の主題歌から一曲。私は自分の人生を曲にして己を曝け出すばかりで、まるで露出狂のようで、いひひ。
あの夏、もし逃げ切れていたら、自分はどうなっていたんだろう。ずっと逃亡生活をして、どこかで野垂れ死んでいたのでしょうか。それとも、どこかで自分の身を隠して新たな人生を生きていたのでしょうか。
捕まってしまったから、今の自分があると思うと、本当に人生は何が起きるかわかりません。ただ、あの夏からずっと、途方もない、形のない何かから逃げたいという気持ちが晴れず、誰のことも信用し切れず、なんだか雲を漂っているように、私は今を生きています。

五.桜の子

星野源が好きすぎるん、で、す、わ。
星野源の「Week End」という曲が好きすぎて、リファレンスしまくった曲です。はー好き。一生好き。推しがいるって素晴らしい。はー。いっっひ。
今までの曲調からガラッと変えて明るくしました。今までのカンザキイオリが好きだった方ごめんない。少しだけ失望させてしまったかも。
でも本当はこういう明るくてハッピーな曲も作ってみたかったんです。もちろんこれからも。
自分が変わるように、みんなのことも、少しだけ変えてみたい。私が星野源を好きになってハッピー(?)になった様に、自分のことを好きでいてくれるみんなには、少しでもハッピーになってほしいよ。

六.成長痛

めんどくさい上司との飲み会に誘われたあなた。この曲の一番Aメロを着メロにして、あえて流してやりましょう。死ね!!!!!
かったるい同僚とのカラオケに誘われたあなた。この曲の一番Aメロの時、同僚を指さして叫んでやりましょう。死ねっっっっ!!!!!!!!
毎日綺麗な自分でいるために、礼儀正しい立派な大人になるために、毎日何かを無理して、努力しているあなたのために、寄り添えたら嬉しいと思いながらこの曲を作りました。
私はまだ二十四歳で人生の酸いも甘いもよくわかりませんが、友人でも恋人でもなんでも、大切な人とそばにいてワイワイ笑い合っている時間が、一番楽しくて価値のある時間だと思います。その裏で大変なことにも立ち向かわなきゃいけなくて、なんとこの世はバランスよくできているのだろうと感心します。
へこたれたっていい、悲しくたっていい、でもその時の感情は溜め込まずに、しっかり吐き出してくださいね。そしてあわよくば死なないように。
私も、この世の全ての敵がくたばるまで、これからも長生きできたらいいなぁと思います。死ね!

七.畢生よ

選択肢の曲です。
分岐点があるたび、もう片方の方が良かったんじゃないだろうか、と、何度も思ってしいまいます。でもどうか悲しまないで。
過ぎ去った選択を悔やむんじゃなくて、これからどう未来を選択していくか、大事なのはそこですから。
この曲は、山田悠介様著書の「俺の残機を投下します」の主題歌として制作した曲です。歌唱花譜の曲を今回私が歌いました。
花譜の曲をもっとこれから歌ってみたいですね。何が聞きたい?

八.大人

本当気づいたら、大人になっていました。
周りは大人として接してくるし、年金も払わなくちゃいけないし、確定申告もよくわかんねえし、意味わかんね〜〜〜〜〜。もう、一生甘やかされて生きてぇ〜〜〜〜〜。
だけど、時間が過ぎ去って、良かったことだってあります。
時間が全てを解決するって実際ある話なんだな、と。実感することが増えました。物であったり、人であったり。逆に、あの頃は時間でなければ解決できないことにひどく焦っていたのだなと理解したり。
まだまだ後悔は尽きないのだけれど、これから時間がいろんなものを変えていくのかと思うと、歳をとることも少し楽しみに思います。これからいろんなことを学んで、理想の大人になりたい。まだ確定申告はよくわかってないのだけれど。

九.ダイヤモンド

私は沢山の金を稼いだ。褒めて欲しい。こんなにも金を稼いだ私を褒めて欲しい。
しかし誰も褒めない。誰もが好奇と嫉妬の目で見てくる。そうかこの気持ちは醜いのか。褒めてもらおうと思うのはやめよう。
ただ、しかし、ならばこの金はどう使えば良いのだろう。私利私欲のために使おうとすると、罪悪感が芽生える。音楽に魂を込めて接してきた。しかし魂が全て金に変わっていくようで、私はどう音楽をすれば良いのだろう。
そうだ、小説を書こう! 息抜きだ。
小説は楽しい。沢山の人に見てもらえた。楽しい。楽しい。文字を書くのは楽しい。キャラクターが喋るのはとても楽しい。
沢山の人が見てくれた。沢山の人に見てもらえた。感動したって! すごく嬉しい。生きている実感が湧いてきた。
ああ、また金か。ああ、嬉しい、とても嬉しい。嬉しいのだけれど。
音楽は褒めてもらえた。小説は褒めてもらえた。
だからあと一つ、我儘を言えば、金を稼いだことを褒めてもらえないだろうか。すごいね、ではなく、やばいね、ではなく。偉いね、頑張ったね、と、褒めてくれないだろうか。
私は金稼ぎのために、創作をしているわけではなかったはずなのに。いつのまにか金がないと創作ができない。しかし金を稼ぐことに私はいつのひか倦怠感を覚えるようになった。
こんなこと誰に相談すれば良いだろう。しかし金のことなど、誰にも相談できない。誰も信用できない。
金がないと創作ができない私は、心が腐っているのだろうか。
私は今、ひどく孤独である。

十.地獄に落ちる

地獄、とか、天国、とか、そういうのはあまり信じてはいないのですが、もし本当にそういう死後の世界があるとしたら、自分は地獄に落ちるかも、と感じています。
ゴミを分別しないし、ちゃんと挨拶できないし、話もつまんないし、夜中五月蝿いし。すごく細かいことだけれど、ちゃんとした礼儀正しい人間になりたいなぁと毎年思って、毎年春を迎えます。
地獄に落ちるとはわかっているのだけれど、せめてそれまで、綺麗な人間になりたい。綺麗な生き方の正解が欲しいとやっぱり思ってしまう私はアーティストに不向きかもしれない。

十一.こんな夜でもいいじゃないか

私は酒も、ついでにタバコも日常的にやりませんが、人付き合いでたまに嗜むことがあります。しかしその人付き合い自体ほとんどありませんから、毎年飲むのも数える程度。そんな物だからどんな種類のお酒があるのかあまりわかりません。
でもお酒は美味しい。カルーアミルクが死ぬほど好きで、何かすごいいいことがあった時や、長期休みが取れた時、延々と飲んでる夜がたまにあります。大体トマトみたいに肌を赤くして、全裸になり、叫び散らかして、夜通しゲームして、吐くほど食って、吐くほど飲んで、次の日ガンガン頭が痛くなって。でもそんくらい曝け出してる日がないとやってられまへんわ。

十二.青い号哭

目標もなく、夢もなく、ただやりたいことだけをやって生きていたい。その場凌ぎで生きていたい。
ソファの感触とか、猫の腹の感触とか、犬の毛感触とか、たまに飲むカルーアミルクとか、爪を噛む感触とか、換気した時の風の匂いとか、吉祥寺駅のサーティワンアイスクリームとか、コメダ珈琲のどでかいサンドイッチとか、電車から見える住宅街とか、路上ライブのお兄さんの歌声とか、全力の雪合戦あとの汗とか、真昼の日差しとか、犬とか、犬とか、犬とか、犬とか、犬とか、犬とか。
そういう、単純なものばかり愛していたい。
そういうくだらない大人に、私はなりたい。

十三.不器用な男

生きたい。から、死にたくない。へ。
後悔ばかりではなく、希望を胸に、次の作品へ向かいます。
やっぱり私には、創作しかないのです。


これから、私はもっといろんなものを作りたいです。音楽でも小説でもそれ以外でもなんでも。遺書のような気持ちでこのアルバムを作りましたが、結局まだまだ創作意欲バリバリです。これからも末長くよろしくお願いします。

男は死に、次の世代へ。男の生き様は、少年に受け継がれる。
「親愛なるあなたへ」へ、続く。

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