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九州】2024年J2リーグ第23節V・ファーレン長崎vsロアッソ熊本ぷれびゅー?【ダービー


この対戦カードを九州ダービーと呼ぶことに躊躇いが無くなったのは前回のvs熊本戦でのnoteを読んでいただければ。



最近の恒例の前節振り返りから。


22節 vs徳島戦


当然の苦戦を乗り越えて


多くの方が…特に他所チームのサポーターから「長崎が負けるとしたらこの試合だろう」と思われていたこの試合。

それもそうだ。6/22、26、29と3連戦の最終日であり、前節の試合から中2日での開催。しかも上り調子の徳島相手である。立地的にも少し行きにくい場所であることも影響するだろうし、この日程であるわけで対徳島の対策や練習などは時間的に厳しい。

体力的に苦しいはずなのに前節と全くメンバーを変えずに臨んだのは、戦略的な不利を覆すには1番いいメンバーを使った方がいいという判断なのだろう。

対して相手の徳島は万全の状態で最高の準備をして、長崎を迎え撃てるわけだ。

ならば、やはり徳島有利を予想し長崎が遂にここで負けを喫する予想をされたとしても「まぁ普通そう思うよな?」って考えてしまう。とはいえ僕は長崎サポーターである以上、普通じゃなさを期待してしまうわけだが。

結論から言うとやはり長崎は普通ではなかった。2-2の引き分けである。

試合自体は6:4くらいで徳島の方がいい内容だったように思う。
詳細は詳しい方に任せるが(むせきにん)
要約すると、上記の通り長崎は特に対徳島の準備はできなかったはずだ。だからこその基本戦略で強いいつものメンバーを出してきたわけだ。

徳島は、攻撃時は左右に揺さぶり長崎の守備陣形を動かさせて、空いた逆サイドを一発で狙っていくスタイル。今回の徳島以外では千葉がよくやってきてた戦い方だ。疲労が大きかった長崎には最適な手だったと思う。危ない場面は結構作られていた。

守備時は後ろの選手たちはあまり前に奪いにいきすぎず、長崎の3トップを警戒。そしてマテウスにボールが入った際はとにかく自由にさせないことを徹底してた感じ。
普段なら個人の動きのキレや判断力で相手を上回れるところがやはりここでも疲労と戦略準備の出来なさの影響か、もうひとつ上手くいかなかったりしていた。とはいえ惜しいシーンまでは辿り着けていたが。

そんな中、多少の不利くらいなら長崎は抜け目なく好機を見逃さずゴールを決め、相手の攻勢も最後の粘りで凌ぎきることができる。つまり、勝ちきることができるチームであるが故の1位だ。仮に疲労が目立つ動きだったとしてもだ。

先制点はセットプレー絡みだったが、そんな自信すら感じられた素晴らしいゴールだった。今やチームの主力となった笠柳翼の美しい軌道のクロスを、現在のところチーム得点王にしてリーグ得点王、エジガルジュニオがヘディングで決める。

並のFWなら変に頭に当ててゴールの上を越えてしまうような難易度が高いものだったのではないか…多分。


1点をリードして迎えたハーフタイムには徳島のゴール裏のサポーターたちが中央に集まりひとかたまりでエールを届け出すという一幕があり、
(この公式フォトを探してたんだけど探しきれんかった。なかなかに相手側ながら気持ちが伝わるシーンだった)、
それを受けて勢い付いた徳島に気圧されたのか、後半早々に守護神原田のミスが続き2点を失ったのは確かに意外であったしショックもあった。

(個人的見解だけど、1ミス目はリードしてるにも関わらずカウンターを急いで狙おうとしすぎた原田個人の改善、PKに繋がった2ミス目は原田だけのことではなく少し不用意なバックパスになってしまったことやそれをよしとした試合運び自体に改善が必要かなと見えた。)

それでも長崎を応援してるサポーターからは焦りや負けを覚悟するような言葉はあまり見られなかった気がした。
このまま負けるわけがない、だから応援しようじゃないかという心情の方が大きかったのだと思う。

リーグ4位となる5アシストとなった翼。顔立ちがどんどん大人になっていく。たまに見せる異様なふてぶてしさも頼もしい限りだ。


得点数14でリーグトップを走るエジガル。長崎での最多ゴールは2021年の15ゴールだった。更新は目前だ。


推し語り


さて、リードを許し追い付くまでのその時間。徳島のボールキープやたまに見せる鋭い攻撃に苦しみ、同時になんとしても守り切ろうという守備に手こずることとなった。本当によく研究してきたんだなと思う。

後半開始から途中交代で入った松澤海斗がサポーターのワクワク感に応えるように見事な突破からシュートを見せたりするもののなかなかゴールを割れない。
他にもあの手この手で徳島ゴールに迫ろうと試みるが、なかなか決定機は作れないままだった。

惜しいとこまではいけていた。またそのことによって相手の警戒を相当引き付けていたことが、この試合の結果に結びついたのかもしれない。次はゴールだ、海斗。

ただその【あの手この手】の中で、見る側にとって…そして徳島にとって明らかにイレギュラーな動きをする男がいた。右ウイングのポジションに位置するマルコス・ギリェルメだ。

ここからは推し語りも混じるのは了承してほしい。いや、了承しろ。

ホーム秋田戦での活躍以降ずっと調子がいい…というか本来の実力を発揮できているように見える。


本来彼に課せられた役割は、徳島陣内の奥深くへの突破やゴールに直結する動き…だと思うのだが、リードを奪われてからのマルコスは試合の打開のために実に縦横無尽に動き回る。

右から中央へ。またはさらに左へ。ボールを持ち運びパスを散らし、相手にとって予想外な位置取りで人数差を生み出し混乱を生み出しチャンスを作ろうと動き回る。
守備の際も自分の持ち場は責任をもって守る。走って守る。一切サボらないどころかより激しくボールを奪おうとする。
カウンターになりそうな際は今度は前へ走る。誰より速く。誰より多く。

持ち前のスピードとスタミナ…いや、本当はスタミナは尽きかけていたのかもしれないが、それでも勝利への執念が…そして「このまま終わるわけがない」というサポーターの想いが彼を動かしてるように見えた。

アディショナルタイム直前。またしても左へと動いたマルコスからフアンマへ縦パスが入る。この形は得点へなりやすい形だ。
一瞬対応が遅れた徳島の守備はフアンマへのファウルとなってしまう。残念ながらペナルティエリアの外のようだ。PKにはならず。ゴールに近い位置でのフリーキックだ。

相手からするとフアンマにボールが収まると、上手く身体を使って簡単に前を向かれたり、マルコスとのワンツーが決まってゴール近くへ侵入されてしまう場面だった。


キッカーの準備に秋野とマルコスが入る。ゴールが近すぎるので相当な変化をつけないと壁を越えてゴールへはいかなさそうだ。かといって壁を避けたコースはキーパーから易々とキャッチされかねない。


このフリーキックを決めるため長崎はここでも【あの手この手】を発揮する。

フアンマは審判へと抗議。PKじゃないのかと猛アピール。いつものことだ…けど、これはわかっててやってる。相手を苛立たせたり、相手や審判の目をフアンマへ注視させるためのものだ。
DFW櫛引が相手ゴール左隅へ入り込む。ゴール側から見た相手の壁の位置のチェックなのか、この位置に決めるためにはどうしたらいいかという算段をつけようとしているのか、徳島GKスアレスへの嫌がらせなのか。スアレスから背中を強く押される。出ていけ!と言われているようだ。

そのスアレスは徳島の選手が作った壁をスアレスから見て左に動かすように必死に声を出すが、あまり動きはない。ここも何かしら長崎の策略が効いてたのかもしれない。


キックのための笛が吹かれる。スアレスは未だに左と叫び続けている。秋野が助走のために後ろに下…マルコスが蹴った!

あまりに唐突なタイミングで放たれたシュートは完璧な軌道で徳島ゴール右隅に突き刺さる。

同点だ!!!仕事への出勤途中だったのにも関わらずその場で思いっきりガッツポーズをして、そのあと泣きそうになってしまった。

確かに追いつくのを信じてたけど、まさかまたこの終盤のタイミングで、僕が1番推しているマルコスが決めるとは!そして、あのちょっとクールなマルコスがあんなに熱く「ここからまだ逆転するぞ!」と言わんばかりに煽るとは。
ゴールに決まったボールをいち早くフアンマが取りに行く。逆転のために再セットを急ぐ様相だ。他のメンバーも得点の喜びは最小限に。ここからまだやるぞという気迫に満ち溢れていた。

結果的に同点に終わったものの、このシーンに胸を打たれた人は多いはずだ。そして試合後のヒーローインタビューでも実に熱いことを言ってくれている。

1人のミスではなく皆のミス、1人の活躍ではなく皆の活躍。だから彼は悪くないと思う…という旨の言葉を語っていた。
もう本当に外国籍の長崎人選手としか思えないような、素敵すぎるコメントである。

ちょっと胸アツ写真。仲良くさせてもらってるフォロワーさんの情報によると、あの肩で息をしていたヒーローインタビューの後はサポーターの前には来れなかったそうだ。足を攣って動けなかったとかなんとか。


ちなみにフリーキックの話に戻るが、決められたスアレスは激怒していた。そりゃあれだけ「ひだりーひだりー」と叫んでたのに壁になった選手が無反応であればそりゃ怒るよね。
ゴール後に聞こえるガツンという音は彼がゴールポストを蹴った音だと思う(笑)


成瀬、長崎でリーグ戦初出場


さて、あの鉄人 増山朝陽ですら疲労が隠せかったようで、試合終盤で交代となった。代わりに入ってきたのは成瀬峻平。ルヴァンカップでは2試合出ていたがリーグ戦での出場はこの試合が初となった。
出場時間7分では評価不能ではあるけど、そんなに大きな問題はなく、いい働きが期待できそうな感はあった。

育成型期限付き移籍とはいえ、せっかく長崎にきてるんだ。今後のキャリアに向けてなにかしら掴んでほしいと思うし、なんなら僕は彼が正式に長崎に加入してくれないかなと思ったりもしている。

長崎の両サイドバックは今は左に米田 右に増山と恐ろしくレベルが高い2人が入っておりレギュラーとして出るのは厳しいかもしれないし、期待のバケモノであるモヨマルコム強志、怪我から復帰すれば飯尾もいるものの、
しかし彼らとはまた違う、成瀬にしかない良さがある気がするのだ。上手く言葉にはできないけど、…なんというか味方と噛み合えば交代カードとしてもカップ戦用員としても、戦術面でよりテクニカルなことを目指すならばスタメンすら取れる最適解になりそうな予感というか。説明できなくて申し訳ないが、なんかそんな気がした。

何かすごくいいモノを持っている。そんな気がする成瀬。
もしそうなら長崎で開花させてほしい。



原田について


さて、GK原田のミスで相手に2ゴールをプレゼントするようなミスとなってしまったように見えるこの試合だが、上にも書いたように原田1人が悪いとも思えない。原田個人の改善も、もちろんそれはされるべきだが。

PKは決められはしたものの読みはあってた



次回のGK選出は少し注目だ。それでも原田なのか、あれだけのミスをしたということで、安定感を取り戻すまで一度他のキーパーに替えるのか。

難しい判断だと思うが、仮に原田がまたスタメンで出るということであればそれは、徳島戦以降のトレーニングやメンタルの様子、チームメイトとの信頼やコンビネーションなどを再確認した上で、正当なポジション争いを経て守護神の座に立っているということ。
誰が出ても応援をするだけだが、原田が出た場合は格別の応援を送りたいと思う。


振り返りで鬼のような文字数になってしまった。

次の相手はロアッソ熊本である。同じ九州の強敵だ。


vsロアッソ熊本ぷれびゅー?


振り返りで壮大になったので、こっちは手短にいこう。

立ち位置確認


さて現在の順位表である。


2位横浜FCと3位清水が滑るまでは…ではない。残り試合全てを勝つ気持ちでいきたい。

歴代3位となる20戦負け無し、リーグ戦で今のところわずかに1敗という記録を叩き出しながらも、監督や選手たちのインタビューなどを聞く限りそこで満足するつもりは全くない1位長崎。
それはそうだ。目指してるのは負け無し記録の更新ではない。優勝だからだ。実に応援しがいがあるチームになった。

対するは16位熊本。前節は難敵愛媛に4-0と快勝している。

個人的な感想としては「熊本が熊本したなぁ」という印象の試合。ゴール前の抜け目なさが光る試合でもあった。ちょっと愛媛GK(みんな大好き)徳重がかわいそうな試合にもなった。


データ的なモノ


熊本、大木監督が標榜するボールも人もよく動くサッカー…つまりはチームとして連動した攻撃的サッカーをしようじゃないか、というコンセプトのようだ。

ただ前節の愛媛への4-0での快勝があろうと、ここまでの成績として失点が39と非常に多いチームなのは変わらない。

数多くの数値で長崎が上回っているものの、ボール奪取数1位、パス数3位という熊本のデータが示すとおり、相手を囲みボールを奪い…囲んだということは近くにいる味方と素早くパス交換をしながら…時には相手DFの背後へと走るFWを狙ったロングボールを織り交ぜながら相手ゴールへと迫るスタイルなのだと感じる。テクニカルなコンビネーションを使っての突破は見応えがある。

ホームで2勝4分6敗、アウェイで4勝2分4敗とアウェイの方が勝てている。

データで見るならば、長崎はショートパスで繋がれての攻撃やこぼれ球からの失点には注意したい。
引き付けてカウンターを撃ちたいねらいがあるとはいえ、引いて守るばかりではなく自分たちで奪いにいくタイミングも作っていきたいところだ。
最後を守りきるという守備から、そもそも最後にいかせない守備もできるようになりたい。

時間帯的に試合開始直後と前半終了前、そして試合終了前はスコアが動きそうなデータだ。
決定機は長崎の選手たちの攻撃クオリティなら充分作れるはずで、そこを逃さず決めていければ勝ちは近付くはず。

攻撃的なチームの戦いだ。前回のダービー同様殴り合いになるかもしれないが、出来ることなら1発ももらうことなく殴り勝ってほしい。


熊本の選手


前節スタメンを貼っておく。今回はJ公式スクショ。


前節は昨シーズン使っていた3-3-1-3に変更。
愛媛がやられたのはこの変更に対応できなかったからも?


注目選手を例によって3人。


・MF 8 上村周平

経歴を見ての通り、純度120%の熊本の選手だ。

ここまで1ゴール1アシスト。サポーターからの信頼がとても厚い選手である。運動量豊富でゲームメーカーとしてのプレーもできる選手であるという印象。


・MF 9 大本祐規

前期の長崎戦で大活躍されてしまったサイドアタッカーだ。ここまで1ゴール3アシスト。長崎在籍経験アリ。
サイドの仕掛けやコンビネーションによる巧みな突破、正確なクロス、そして強烈なシュートを持ったいい選手だ。副キャプテンでもある。

仲は良さそうだ(笑)


・FW 28 神代慶人

くましろ と読む。神をクマと読ませるのだ。熊本にあらわれた神童(16歳)であり、その恐ろしさは前期のvs長崎戦で発揮されている。シュートセンスの良さ、勘の良さ、そしてとにかく、いい位置にいる選手という印象。

長崎戦以降の得点がないみたいなので、ここぞのばかりに燃えるものがあるかもしれない。サブ入りはしそうな予感がする。出てきた場合には要注意だ。

初々しい…


満員プロジェクト


さて、満員プロジェクトである。このnoteを書いている7/5現在で16000人以上の来場者見込みとなっている。ヤベーよ長崎。

1万人の来場者を超えると勝てない呪いが…だとか未だにいってるアホがいるが、そもそもそのジンクスは昨シーズンに断ち切れている。

2023 5/3に4-0で勝った水戸戦もだが、7/29 これも熊本戦。12000超の来場者数の中4-1と完勝しているのだ。

圧倒的応援を背に、この時以上の大勝利を収めて優勝へ向かう力強い1歩となるに違いないと確信している。

そしてこれはnote読者の皆にまぁ軽めなお願いなのだが…

応援について。ゴール裏にいる方々は言うまでもないと思うが、できればゴール裏以外の方々も応援に参加してみてほしい。既にしている方も多いと思うけど。そもそもこのnoteの読者に試合観戦初心者なんていないとは思うけど。

もし「やりたいけどまわりが黙って見てる中で恥ずかしいじゃん」とか思う方がいたら、確かにそれは無理も無いかもしれないが、

例えば…選手がめっちゃ頑張ったプレーの後に拍手とかしてみてほしい。
長崎の選手のパスが繋がってチャンスになりそうだ!って時には拍手してみてほしい。
シュートが惜しくも外れた時とか…そりゃ外れて残念な気持ちからため息は出るかもしれないが、そのあと惜しい惜しい!と思いながら拍手してみてほしい。
自分が「今のいいプレーだな!」とか思ったら…なんなら好きな選手にボールが渡ったら…

なんでもいい。できることからやってみてほしいのよ。

あなたができる試合の盛り上げ、長崎の選手の後押しにチャレンジしてみてほしい。それが結果に結びついた時って本当に嬉しいから。

僕はその気持ちが結果に結びついた試合を現地で体験したことがある。本当にサポーターと選手と皆で決めたギリギリの勝ち越しゴールだという感覚があった試合だ。

おっと、ちょっと熱くなりすぎてしまった。

確かに満員プロジェクトということで、来場者に楽しい1日を過ごしてもらうために、V・ファーレン長崎がクラブとして色んな試みはされるんだと思う。
それはそれで楽しみつつ、メインディッシュであるサッカーの試合を「一緒に参戦することで」より楽しいものにしてくれるといいなと思う次第である。


何はともあれダービーである。

前期の熊本戦のようなギリギリの試合になるのか、昨年のように快勝となるのか蓋を開けてみないとわからないが、長崎の勝利を信じて応援していこう。


ご覧いただきありがとうございました。誤字脱字など随時修正致します。

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