ＡＩ技術で操る投資手法の導入が続いています。

ゴールドマンサックス証券では、数百人いたトレーダーを、今や二人にまで減り、すべての投資判断をＡＩに委ねています。

また日本でも、これは秘密とされていますが、大証券ではほとんどすべて、ＡＩによる投資に切り替えたと言われています。

個人の単位でも、ＡＩの自動売買に関心を向ける者が日に日に増えており、確実に儲けているという話が聞こえてきます。

とは言っても、コンピューターに投資や賭け事の判断を任す行為は昔からあり、今も競馬専門のコーナーを賑わせていますが、紙面の花であったのは昔のこと。今では『コンピューター馬券』に関心を寄せる者あまりいません。

コンピュータ、に大切なお金を預けるなんて、と考える人がいることも無理からぬところではあります。あまり当たらなかったからです。

たしかに、簡単なデータ管理程度のコンピューターの活用で、勝負しているという甘い世界はありません。

ＡＩ投資と言っても、なにやら新興宗教の教祖を信頼するようで、不気味に感じる人もいるかもしれません。

ＡＩはプログラム次第

でも、これに誤解も多く含まれています。

ＡＩの投資プログラムは、あくまで人間であるトレーダーが開発したものだからです。

それを忠実に実施し、場合によっては改良していくことこそがＡＩの役目なのです。

ＡＩ投資は開発されたプログラムで優劣が決まるわけで、当然、それを管理し、実行するＡＩ投資にも差が立てきます。

それぞれ違ったプログラムで成り立ったＡＩ投資の手法で優劣を競っているわけで、どの投資手法がよいか、という判断においては、プログラムが極めて重要となってきます。

そして、どんな手法で組み合わせているか。

つまるところ、背後のプログラムには「パーフェクトオーダー」を中心に組み立てたプログラムである。あるいは、『ストキャステイクス』にＳＲＩを組み合わせ組み立てているか、あるいは「ボリンジャーバイト」を中心にしたプログラムである、というように、それぞれのプログラムは優劣を競っているのです。

いずれにしても、ＡＩ投資は不気味な妖怪でも、なければ神秘このうえない新しい神が作り出したものであることがお分かりいただけたことでしょう。

問題は、優位性ロジックの固定化にあり

それでは、ＡＩ投資の他の手法に対する優位性はいったいどこにあるのでしょう。

それは、人間の持つ弱みが克服されていることに尽きます。

人間の持つ弱点である感情や気分、迷いといったものに支配されるというある種のいかがわしさを持っていないことです。

それがまた、人間の人間らしい由来もあるわけですが、冷静な判断を必要とする株式投資のようなプログラムは時として邪魔になります。不安や脅威によって人は感情を乱し、同じことを繰り返すことが容易にできません。

だから、株式投資に負けてしまうのです。

問題は優位性のロックへ固定化なのです。

たとえば、有名な移動平均線のパーフェクトオーダー、三本の移動平均線が揃って株価の上方にある、あるいいと下方にある時（市場の参加者が揃って勝っている時、あるいは負けている時）、優位性がほとんど絶対的で、この法則によって勝ちは間違いないように見えますが、実際に勝ち続けることは容易ではありません。

でも、この法則をＡＩにまかせればどうでしょう。平均すれば、必ずや勝ち続けることでしょう。

コンピューターはしょせん機械です。でも、だからこそ感情に左右されることもなく、命ぜられたことを、何万回でも同じように実行してくれます。

つまり、勝敗はプログラムの優位性だけで決まるのです。

優位なプログラムなら必ず勝てる。これがＡＩ投資のよさです。

六勝四敗のプログラムになら、まず必ず勝てます。絞りに絞った優位性を固定することができるプログラムなら必ず勝てるのです。

ＡＩ投資プログラムは、すぐに古くなる？

ところで、ＡＩはもちが悪いと言う人がいます。プログラムは、より優位なものに乗り換えられ、すぐに破られてしまうというわけです。

でも、おなじプログラム同士で競っているわけではなく、プログラムは乗り越えられるべきものでもありません。勝負の土壌が違うのです。優位性が固定されているプログラムなら、ずっと勝ち続けます。

問題はどのプログラムが優位性をロックしているかなのです。