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ギターソロで影響を受けたアルバム【第四弾】

今回までの投稿でこのシリーズも第四弾となりますが、ここまでは「大きく転機となったもの」を順番に取り上げています。

で、いきなりこんなことを書くと大いなる矛盾を感じるとは思うのですが、他にもイングヴェイを筆頭に影響を受けたギタリストは沢山いるし、ギタリストとしての「好き度」で言ったら第一弾のクリストファー・アモットは好きなギタリストにランクインすらしないかもしれません。

ですが、ARMAGEDDONの1stを聴かなければ、きっと今の自分のギタースタイルはもっと異なったものになっていたかもしれません。そのくらい重要なアルバムだった訳です。

それでは、今回も重要な転機となったアルバムをご紹介いたします!

Up From The Ashes / DON DOKKEN

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いやー遂に来てしまいましたよ。
私の最終兵器(笑)。

DOKKENのヴォーカリストドン・ドッケンが、当時DOKKEN解散後に発表した、1990年発表のアルバムです。
DOKKENではなく、DON DOKKEN名義のバンドです。

他のメンバーは、ジョン・ノーラム(G)、ピーター・バルテス(B)、ミッキー・ディー(Dr)という名だたるメンツに加え、当時無名の(?)天才ギタリスト、ビリー・ホワイトという布陣の、ツインギター体制のバンドです。

凄いメンツが集まったスーパーバンドであることと、更に注目すべきはアメリカ、ドイツ、スウェーデンから成る多国籍バンドなんですよね。

アメリカのバンドだったDOKKENとは、一聴して全く違う世界観です。
欧州然とした憂いのあるバッキングトラックの上でホワホワとしたドンのヴォーカルが乗る訳ですから、何も知らない人だったらむしろ欧州のバンドと言われた方がしっくり来るかもしれません。

私はこのアルバムを初めて聴いたのが、(ちょっと記憶があやふやですが)2009年頃でめちゃくちゃ後追いなので、リリース当時の論調は全く知らず、当時のDOKKENファンにどの程度このアルバムが受け入れられたのかはわかりません。

ただ、どちらかと言うとDOKKENはあまり好んで聴くタイプではない自分にとって、この欧州然としたスタイルのDON DOKKENはブッ刺さりました。

どこか煮え切らないメロディーラインを歌い上げるパワーの無いヴォーカルと、イマイチスピード感に欠けるアルバムの展開…と書くと全然褒めてないんですが(笑)、これが堪らなくイイんです!!!

何故か自分でも分からないんですけど、結構自分の中ではあるあるなんですよね。一つ一つの要素を切り取って言葉にすると全然褒めてないんだけど、大好きっていうパターン(笑)。

もちろんシンプルに褒められる要素もあって、まずアルバムのサウンドがウェットで非常に美しい!
こんなにリバーブが綺麗に響くアルバム、なかなか無いと思います。

そして、今回のお題でもあるギターソロ!!!

これがとてつもなくヤバイです。

二人のギタリストの明確な違いですが、しっかりパンが振られていないシーンの方が多く、一聴しただけでは判別が難しいですが、どっちかというとオーセンティックなテクニックで攻めるのがジョンで、よりテクニカルなのがビリーでしょうか。
当然サウンドも若干違います。

で、ですね。
このギターソロのどこに影響を受けたかと言うと、大きく分けて2点あって、一つ目はやっぱりフレーズですね。
「ペンタの混ぜ具合」が絶妙で、こういう風にペンタを混ぜていけば、古臭さを感じさせず、カッコいいギターソロにできるんだなという点で大いに参考になりました。
速弾きについても、ちゃんと聴き取れる程度の速さで、無駄にテクニックに走っておらず、フレーズの一つ一つが耳に心に残る印象的なギターソロがアルバム全編で繰り広げられています。

そして二つ目が、「ギターソロの構成の仕方」です。
具体的には、一本のソロの中で、途中でワウが入ったり、途中から一部分だけ補佐的にハモりフレーズが登場したり、オクターブ下でユニゾンしたり、というギターソロのアレンジ手法です。

とても些細な要素ではあるのですが、当時聴いた時は本当に衝撃的で、その後自分が手がけることになる作品に於いて多大なる影響を受けました。
そもそもこのDON DOKKENのアルバムの存在はもっと前から知っていたので、どうしてもっと早くから聴いておかなかったんだろう!と後悔した程です(笑)。

ちなみに肝心の楽曲ですが、個人的には前半の4曲が大好きです。
5曲目も割とアップテンポでいい感じです。
ギターソロはアルバム全編で絶品の展開が繰り広げられていますが、6曲目以降は楽曲そのものの煮え切らなさが頂点に達していて、4曲目か5曲目までを聴くことが多いです。8曲目がシングルカットだったらしいのですが、正直理解に苦しみます(苦笑)。

ということで、今回は私の最終兵器であるDON DOKKENの「Up From The Ashes」でした。

確かこのアルバム、リリース当時の日本盤の帯が「アップ・フロム・・アッシェズ」だったというどうでもいい逸話を最後に紹介しておきます。

では、また次の記事をお楽しみに。

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