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ある日、畑の中でクマさんに出会った

春は新生活の季節、自分が都会で濁って汚れてから実家に帰ってきた時の話

それは8月終わりのまだ暑い日。無職の自分はヒマでする事がないので市営の温泉施設に淀んだ自分を浄めにいった。
露天風呂で一眠りしサウナで整えるかと入って1分、後ろのおっさんの会話が聞こえてくる…

「昨日、畑で裸で寝てたらさあ…」
ん、聞き間違えか? 畑で寝てた?裸で寝てた?

「クマが出てきてよぉ、いや~マイッったよ」
はぁ?聞き間違えか?
クマにあったらなんで無傷でサウナ入ってるんだよ。普通、牡蠣に当たるかクマに会ったら死を覚悟するもんだろ。

どんな猛者かと思って後ろを振り向くと田舎によくいる農協の帽子かぶってそうな、おっさんだった。
聞き間違えか、のぼせてるかで真相を確かめようかとしたが都会にボコされ人間不信でコミュ障の私は話しかけるどころか姿を再度、確認するのも怖かった。
  その時、思ったよ。自分の故郷は、おっさんがクマを倒す修羅の国だったんだと。
それから1ヶ月は、道を歩けば火炎放射器もったモヒカンが通せんぼするんじゃないかとか、水出す老婆はグラサンが化けてるんじゃないかとビクビクしてた。
それと、明け方4:00に、近所の飼い犬が吠えて目が覚めてしまうのに慣れるのも1ヶ月かかった。

何が言いたいかと言うと、新しい土地でも1ヶ月すれば慣れるという事。
まっ何度も繋いである鎖、ぶち切っといてやろうかと思ったけど。



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