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蓮活動記録8話後半感想


はじめに


蓮活動記録、104期活動記録8話後半が公開されました。
ねたばれしてます。

べそ泣きしました。

水色のきらめきで輝きだした『DOLLCHESTRA』の夕霧綴理と村野さやかが、徒町小鈴を迎えたことで、3つのかがやきを放つ。今が最高で、楽しくて、だからこそ、離れたくない。
時の流れに抗うことはとても難しく――だからこそ、今。

君のわがままを聞こう。
決めるのは、自分だ。

そんな回でしたね。

104期活動記録8話後半は、職場体験(通称綴理先輩のオープンキャンパス)の後から始まります。
案外頑張れたじゃんやったね、とさわやかに盛り上がり、綴理先輩が進路調査票のハンコを親からもらうために実家に1人帰る、という流れでした。
(その辺のハンコストアで作ってもらったらええやんと思った汚れた好き好きクラブは反省してください)

「独り」

寮生活というのは、基本的にざわざわしています。人の気配のある静けさと、誰もいない静けさには大きな差があることは、大抵の人にも分かることでしょう。

綴理先輩は「ひとり」の表現を「独り」と表現しています。孤独感の感じられる言い方ですね。
かつて、蓮ノ空にいる前、実家に独りだった綴理先輩は孤独を感じていたのでしょうか。

個人的には、綴理先輩が「これが孤独というものだ」と実感するようになったのは、蓮ノ空で過ごした時間があるからだと感じます。

ふとした瞬間に話しかけてしまう距離にいつもいた村野。
誰かしらそこにいる寮という場所。
手元の、沢山撮った写真に写る大切な時間。
梢センパイが言っていたように、さわがしいお祭りの後ほど静けさがさみしいのです。

写真について

写真に関して、リンクラのカードで興味深いものがあります。

103期春限「チェリーピクニック」特訓前がそれです。
要約すると
「(写真に関するボイス)その割に、ボクは自分の顔をあまり覚えていない」

綴理先輩は自分のことを考えるのがあまり得意ではありません。自分に対する言語化も得意ではないからです。

自分の顔すら良く覚えていないのは、当時(103期春)のタイミングを思うと、自分自身と向き合うことも上手くいっていなかったからかもしれません。
(去年春夏までの綴理先輩のボイスはどことなく「ほんのり薄暗く、でも、だからこそ今が楽しい」という気配がよくします)

同じカードのボイスで「(わざとしまい込んでいる思い出もあるから)引っ張り出したい思い出を沢山作りたい」とも。
沢山できましたね。

大掃除「いるもの、いらないもの」


大掃除のシーンで、ぱたぱたぱたぱた!と言っている瑠璃乃ちゃんがハチャメチャにかわいいのがいいですね。

花帆ちゃんが「これどこに持っていったらいいですか?」梢センパイに見せる段ボールの中には、104期の撫子祭でDOLLCHESTRAがやったショートコントで使った小道具が入っています。(帽子、鼻めがね)

梢センパイとめぐ先輩が
「私たちのときもこの頃には色々あったから」
「あれからもう2年!早いもんだ!」
と話し合っているのは時の流れをひしひしと感じます。

(10月末にめぐ先輩がステージから落ちて、沙知先輩がいなくなって、二人きりで北陸大会でDEEPNESSを披露する前になる1ヶ月前 嵐かな?)

進路調査票を提出することが、卒業というものの区切りとされているのが興味深いですね。梢センパイはとりあえず進学で提出しているだろうなと思っていたので(無難だから)、納得はしましたがこれから胃痛になりそうだなという気がひしひしとします。

めぐ先輩周りに感じては、安養寺が「るりめぐは不滅なのでは!?」等々「オタクとしての君、本当に信頼してる…」と思っているんですよね。今回は綴理先輩回ですので、まあこの辺は。

ぺきんだっくとボク


と、和気あいあいとしたスクールアイドルクラブの部室で、ぺきんだっくどうする?と聞かれて綴理先輩がぐるぐるし始めます。ぺきんだっくは、綴理先輩がどこかで拾ってきたものです。

どこかに行かなきゃいけないのか。
ボクは。ボクたちはここにいたいのに。

ぺきんだっくがここからいなくなるということが、自分がいなくなるという感情とリンクした瞬間でした。
綴理先輩にとって、ここにいたいという思いは、「卒業したくない」という思いと繋がっていたのです。

思えば、8話前半から綴理先輩は言っていましたよね。
「卒業しなきゃ…だめ?」と。

スクールアイドルになれた夕霧綴理は、自分がスクールアイドルじゃなくなった後には「また誰もいなくなる=孤独になる」という認識があったのかもしれません。

時間、止まれ。
留年してくれ。
我々は時には冗談めかして。時には、真剣に。
蓮ノ空に向かう時、思ったことがあるはずです。
それが、叶わぬことだと分かっているからこそ。

安養寺が、徒町ちゃんが、「時間、止まれ」「もう1年」というとき。
分かりすぎるから、全然全く、笑えないんですよね。泣けてしまって。

村野

8話前半の時点で、「オープンキャンパスでやりたいことを探す」ことが主眼になっている中、「あなたには出来る事がある」と寄り添っていたのが村野です。(「わたしにとっては確信でしかありませんでしたから」)

「わたしはこう思うけどあなたにこうしてほしい」とぎりぎりまで言わないでいたのは、村野自身が綴理先輩がどうしたいのか答えを出して欲しかったからかもしれません。

今回、103期4話、6話のDOLLCHESTRA回を踏まえたセリフ作りがなされているのは、色んな人が気づいていることと思います。
「わたしが死んだらどうする」「明日にはわたしはいないかもしれない」
心を揺らす、村野の厳しい言葉は、綴理先輩を揺さぶります。
「たとえあなたが溺れそうになったとしても、言わなきゃいけないじゃないですか!」

103期4話では、綴理先輩の「待ってほしい、溺れそうだ」というセリフがあります。
村野が、綴理先輩にふさわしいのは自分ではない、そう思ったら見限ってくれと言った後です。
このあと、溺れそうになった夕霧綴理は「いかないで」と続けます。ディスコミニケーションさから逃げずに言葉にするシーンです。
(そして、あなたは夕霧綴理であって、スクールアイドルではないとセリフで入るシーンでもある)

溺れそうだ…

「わたしにとってはあなたがスクールアイドルです。(中略)わたしの憧れに、ひどいこと言わないでください」

ちなみにこのシーンと、8話後半のこのあたりのシーンはBGMが同じです。

置いていくなら


村野は、たたみかけるように「独りになったらどうする」と問いかけます。
綴理先輩の返事の仕方が、彼女がどういうスタンスなのか分かって心が痛いです。

綴理先輩はみんなと、村野と一緒にいたいからこそ独りというものを考えたくない。
でも、時を止めることは出来ず、進路調査票、ぺきんだっくが象徴する卒業からは逃れられない。

卒業から――時間の流れからは誰も逃げられない。

なあなあにすることも出来たはずです。でもそれをしなかったのは、村野自身もきっと「離れたくない」と同じ気持ちだったからです。そしてなにより…

「分からないよ!!分かりたくもない!!
置いていくなら、振り返らないでよ!!」

私は綴理先輩を「待つ側の人」だと思っていました。
「答えを与えられて」、「誰かの指し示す答えが正解なんだ」となっている人だと。

やりたいことと、正しいことは、本当はイコールではありませんよね。でも、やりたいことをないがしろにしてしまうと、心がじわじわと死ぬんです。
やりたいことが分かっていなくても、じわじわと、死ぬんですよ。

綴理先輩は置いて行かれるのがつらいんですね。

幸せが何か


(村野は、そばにいないようにしようとは、勿論していないんですけど)
「自分がそばにいてもいなくても、
 あなたに幸せでいてほしい」

というのは、大きな大きな愛なんですよ。
村野は綴理先輩がさみしいことなんて十分に分かっているんです。
誰かといると幸せになれたというなら。
綴理先輩自身が、なぜそう感じたのか、自分の幸せが何かを見つけないといけないんです。
綴理先輩と村野がこうして声を荒げたのは、おそらく初めてでしょう。
まだまだ出来ること、沢山ありますよ。

でも、夕霧綴理はもう独りじゃないから。
未来を自分で決めるために。

最初の、「決めるのは、自分だ」をしましょう。

どうしてSparkly Spotが伝統曲なのか分かりました。
なぜ村野が、103期6話でSparkly Spotを選んだのか分かりました。

誰かの勇気を、生きづらそうな少女が集まってきたかも知れないDOLLCHESTRAの誰かの勇気を、押してきたからです。

ビックボイス選手権


「未成年の主張だ!」と思った人、いらっしゃるのでは?
ちなみに学校へ行こう!はレギュラー放送は2005年まで、特番で2015年にやっていたそうです…は???????

個人的には「一生スリーズブーケです!」がめっちゃよかったです。やっと聞けましたね…

綴理先輩が「最後の錨(いかり)」と呼んでいたのが素敵でしたね。
錨は、鎖に繋がっているものだからです。
いろんな鎖を引きちぎり、最後に残った鎖には、錨がついていた。

錨というものは、船を停めておくためのものでもあります。最終的に行き着いた、蓮ノ空という港で夕霧綴理が補給するのを待つかの如く、そこにあったのかもしれません。
未練、というのは「諦められないこと」という意味があるそうです。

ビックボイス選手権は、綴理先輩が開催した『イベント』であり、『抱えたままでは居られない気持ちを吐き出す機会』でした。

さて、最後の最後に。
ここから始まるのは村野さやかのステージ。
そう、制服でスタンドマイクといえば。RUNWAYを思い出す方もきっといたはず。
あの時は「そばで見ていて」と手を伸ばす歌でしたね。

「聞かせるために」と舞台に上がった村野。
「君のわがままを聞こう」と、いつか言われたあの日のように。

「わたしが、1番、あなたとずっと一緒に居たい!決まってるじゃないですか!」

Sparkly Spot 村野 さやか

村野にとっての1番を最初に聞くのが、君が一緒にいたい綴理先輩のこととは思わなかった。

思えば、103期6話のあのスケート場で手を伸ばしたあの時から、1番近くに居る人は決まっていたんですね。

おたがいにわがままを言い合える、そしてお互いに理解しようと出来るなら。一緒にいたいという思いは…繋がっていくんじゃないでしょうか。

DOLLCHESTRAの3人は、それぞれが影響し合って、お互いを尊重し合って、やってきて…これからも3月まで、駈け抜けていくのでしょう。

卒業前に

綴理先輩が進路調査票に何を書いたのか、色々想像が膨らみます。
正直なところ、卒業後どうなるかは見ている側は見られないかもしれません。なぜなら、ラブライブ!はスクールアイドルの物語だからです。

卒業後の姿というのは、ある種の想像の余白であり、蓮ノ空にふれてきた見る側が、それぞれの「きっとこうなる/こうなってほしい」を託す部分でもあるからです。

めぐ先輩と綴理先輩の関わり方が8話ではとても印象的です。梢センパイが卒業に向き合ってる場合じゃないからだろうなと思うんですけど…。

「頑張ろうとしている誰かの、きらめく瞬間を見ること。それが……ボクのやりたいことだ。」

それはきっと、誰かの夢を応援する行為になるでしょう。
君はきっと、君もきっと――きらめいていってください。

めぐ先輩との会話シーンで綴理先輩が目を細めて笑うシーンがあります。観測範囲では、活動記録野中で綴理先輩がこの笑い方をしたのは初めてです。

君のまだ見たことがない表情が見られたこと、本当にうれしいです。

おまけ

ぜひ、「Link!Like!ラブライブ!FIRST FAN BOOK」内の綴理先輩の公式SS「マリオネット・ソロコンサート」もご覧ください。夕霧綴理のスクールアイドルの始まりが、そこにありますので。


最後に

痛感したんです。
同じ時間を過ごして、綴理先輩と同じ11月を過ごしている、この瞬間がなんてありがたく、愛おしいものなのかって。この先、きっと様々な展開があって、春以降もグッズが買えても、私はこの時間のことをきっと忘れないだろうと。

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