【廃線跡探訪】名古屋港~堀川口の貨物線跡の今を見に行った
先日、JR貨物からこんなニュースリリースが出てきました。
JR貨物の通称「名古屋港線」が2024年に廃止されることが決まったようです。当路線は1911年開業とかなり歴史が長く、港湾に直結した貨物線として長らく使われていました。しかし、現在は週3往復の列車しかなく、この列車も運用が終わることに伴い、とうとう廃止が決まったようです。Mastodonにて共有した際も多少の反応がありました。
さて、この名古屋港線は、現在はガーデンふ頭の北の「名古屋港駅」が終点となっていますが、最盛期にはさらに線路が伸びており、海岸沿いを取り囲むような形で「堀川口駅」まで通じていました。
この名古屋港~堀川口は1980年に廃止された区間ですが、この機に、その廃線跡をたどってみることにしました。
0.調査概要
調査日時:2023年9月24日(日曜) 午後
調査方法:自転車
調査員:1名
撮影機材:Zenfone 5z 内蔵カメラ
自転車で散歩しながら、スマヒョのカメラで撮った写真なので、クオリティについてはご容赦ください。私はカメラマンでなないし撮り鉄でもない。
1.堀川口駅周辺
終点の堀川口付近です。船着き場を取り囲むようにぐるりと線路があったようです。現在はほとんどが倉庫になっていたり舗装されていたりで、
ほとんど廃線跡らしい痕跡はありません。しかし、②や③のあたりには線路を思わせるような舗装の跡が。場所によっては線路のようなものも埋まっていましたが、幅が明らかに1067mmよりも広いので線路そのものではなさそうです。
2.名古屋港跳上橋周辺
かつてここにあった運河を渡る形で、跳ね上げ橋が残されています。もちろん現役ではなく、動くことはありませんが、線路ごとほぼそのままの形で残されています。四日市の臨港橋を思い出す見事な跳ね橋です。この「名古屋港跳上橋」は、国の登録有形文化財に指定されているとのこと。
なおこの前後には線路跡はなく、工場などの敷地となっており入ることはできません。
3.現在の(貨)名古屋港駅
跳上橋から現在の名古屋港駅までの間は、「ガーデンふ頭」として公園として供用されており、廃線跡らしきものはほとんど見られません。名古屋港水族館とかがあるあたりです。水族館の北にある遊園地「シートレインランド」はもともと名古屋港駅があった場所であり、「トレイン」という名がその名残です。いまも土地の持ち主はJR貨物だとかそうでないとか。
そしてその北、県道227号の高架橋(跨線橋)の北に現在の名古屋港駅があります。草が生えているものの、線路の踏面が輝いているのと閉塞信号が光っていることから、いまも現役の路線であることが伺えます。この日は日曜日なので列車の運行はありませんでした(手元の2022年貨物時刻表によれば、火・木・土のみ1往復列車が走る)。
余談ですが、名古屋港駅の隣には名古屋市交通局の名城・名港線の車庫(名港工場)があり、横を通る道路からその様子が見られます。ここに車庫を作ったのは、貨物駅がすぐ近くにあったからなんでしょうか?
4.おわりに
以上、貨物線の廃線跡を辿って参りました。跳上橋以外に主だった痕跡はほとんど見られないものの、ところどころ線路を思わせる風景がありよい散歩となりました。まあ廃線から43年も経っているのでそうそう何も残っていないのはそう。
いやー、貨物線っていいですよね。「えっこんなところに線路が??」という光景に一番遭遇しやすいのが海沿いの貨物線だと思います。
そして、冒頭にも述べたとおり、名古屋市内にある一つの貨物線が間もなく廃止されます。港区を走るキヤ97系とDLが見られるのも今のうちです。旅客線として存続するという道も考えられなくはないですが、地下鉄名港線が並行して走っているのでほぼないでしょう。
これからは名古屋港の貨物は、あおなみ線荒子駅にある名古屋貨物ターミナルや笠寺駅に集約されるということでしょうか。よくわからない。
まあともあれ、何かが廃止されるというのは、仕方ないとはいえ、少し寂しいですね。
それではまた。次の貨物線廃線探訪記「名古屋臨海鉄道汐見町線 休止線編」でお会いしましょう(書くとは言ってない)。
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