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「キラメこうぜ」は全年齢向けだった。※ムビレン2021ネタバレ注意

はじめに

先週の土曜日、2021年2月20日(土)から公開中の『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』を鑑賞したら色々刺激されてしまったので、いつものように呟くだけで終わらずに、ブログ記事として少ししっかり目にまとめようかという魂胆。ただし、読みやすさやは分かりやすさ、ネタバレへの配慮は微塵もなく、個人の偏見、勝手な解釈まみれのところもあるのであらかじめご了承ください。

キラメイジャー、リュウソウジャー、ゼンカイジャーの3本立て

前評判で湿っぽいのは、2本目のリュウソウジャーのはずだった

2021年2月26日(金)現在、スーパー戦隊シリーズ現役作品は『魔進戦隊キラメイジャー』(次の日曜日、28日で通常放送は最終回)。今回劇場版になったのは、Vシネマから通例の「VSシリーズ」の発展系、冬というか春先の映画用ではなく、昨年の夏に『仮面ライダーゼロワン』と共に公開されるはずだった夏映画だとか。「VSシリーズ」恒例の、1作品前の先輩と劇中で絡むタイプの組み立てではなく、基本的には3本同時上映で作品を跨いでどうのこうのするタイプにはなっていなかった。

公開直後というか、試写会やら記者会見やらの頃から、「リュウソウはタオル必須」みたいなコメント、呟きをチラホラ見ていたのだけれども、キラメイジャーのあるポイントでピコ太郎氏の『PPAP』を打ち込まれた瞬間、色んな想いが湧き上がって全く泣くところではないのに、涙が溢れて仕方がなかった。

スーパー戦隊シリーズでいうところの、「博士ポジション」とか「司令官ポジション」とか「支援者ポジション」に、キラメイジャーではピコ太郎氏のプロデューサーである、古坂大魔王氏が「博多南無鈴(はかたみなみ むりょう)」という役で出演している。彼が出演しているということは、当然のように劇中で「PPAP」なシーンが幾度となく登場し、ピコ太郎氏のイメージカラー、黄色やゴールドを用いた7人目の番外戦士、「キラメイゴールド」に変身することもあるんじゃないかと、個人的にも割と強く思っていたのだけれども、まさかこの映画でガッツリ持ってくるとは思ってなかった。でも、よくよく考えなくても、キラメイジャーって割と最初から最後まで「PPAP」だったよね、と。

「キラメキ」の原点はピコ太郎?

『PPAP』で世界を席巻したことが、キラメイジャーの原点の一つ?

スーパー戦隊の企画は色んな思惑が絡むから、必ずしも決め手となったようには思えないが、ピコ太郎氏の世界的な大ヒットと古坂大魔王氏の起用、「PPAP」の劇中での多用は、キラメキの一つのルーツが例の世界的大ヒットにあるんじゃないかと思いたくなる。

そして、もしわずかにその可能性があるのなら、劇中の重要人物、オラディン王を演じる杉田智和氏の「キラメこうぜ」の対象が、本来のターゲットである子供たちから、もっと上の年代、30代以上も含めているような気にもなってくる。「キラメく」のに年齢は関係ない、早いも遅いもないんだぜ、と。

そうすると、キラメイジャーやゼロワンに振りかぶった「撮影休止」の出来事なんかが、夢を追いかけて苦心している人たちに起こる、理不尽な外的要因にも重なってくる。それらを乗り越えてゼロワンは先に番組も劇場版も終了し、キラメイジャーも放送回数は少ないながらも最後まで走り切ることができている。そこに異様にグッと来てしまって、とんでもないメッセージが隠れてたんだと一人熱くなっちゃって、ほとんど人がいない平日朝イチの回で号泣してしまった。

壇蜜がゲストというのも、効いてくる

「夢は悪くない」というメッセージもグッと刺さっちゃう

やり方のいい悪いはあるにせよ、夢や野望を抱いて長年頑張って来た人が、映画の終盤で覚悟を決めて本気を見せる。特撮研究所さんの気合の入った巨大戦のシーンで、その強さが目一杯表現されていた。これは、スーパー戦隊でよくあるレギュラーの女幹部みたいな「いかず後家」的でもまだまだ若く見える人ではダメで、もう少し上の世代を持って来たからメッセージが強くなる。

レギュラーの配役も、よくよく見ると現役の戦士役を除くとなかなか苦心して来た人たちというか、クセがまあまあ強めの人たちが選ばれている気がする。下積みもそれなりにあっただろうし、酢いも甘いも噛み分けた経験がありそうな人たちで作り上げられた作品にも思えてくる。

そこに来て、「キラメこうぜ」と「PPAP」をブッ込まれたら、泣きますよ。私は。夢を抱くことも、夢を追いかけることも、どちらも悪いことじゃない。ただ、たまたまキラメくのに時間がかかっているだけ。キラメイジャーのOPにある「傷つき、磨き上げ」は、そうやって黒ラベルの「丸くなるな、星になれ」を地で行った「いい年した大人たち」にも向けられた歌詞にも思えて来ちゃう。

やっぱり、「キラメこうぜ」は本ターゲットのキッズ意外にも、それを見てる親世代、親にならなかった近い世代の人たち、それ以上の方々にも向けられているような気がするよね。そういう人たちに向けた応援がこもったスーパー戦隊だった、と。

キラメイジャー以外の雑感

リュウソウは坂本監督っぽい、ゼンカイジャーはアトラク面なレッドたち?

リュウソウのゲスト、宮原華音は特撮ものだとあんまり「可愛い可愛い」と撮られることがなかったように思うけど、今回は坂本監督が撮っているということもあってか、今までにあまりなかった扱われ方で撮られてたかな? 彼女のファンとリュウソウジャーファンは必見。

ゼンカイジャーはやっぱり、レッドの大集合かな? アップめに入ってたティラノレンジャー、ガオレッド、マジレッド、ボウケンレッド以外は、外から止めるパッチンがついたアトラクション用っぽいスーツ、マスクだった気がする。そして、敵組織の戦闘員が持ってる武器が二股の電源プラグだったけど、アレはパワーレンジャーになった時どうするんだろう? ワールドワイドな規格じゃない気がするけど、海外展開は大変かもしれない。

戦闘員で行くと、キーボードもついてたりして、SNSの住人を模しているような気もする。敵対組織が「トジテンド」。富野由悠季じゃないけど、キーボードぽちぽち、SNSの閉じた世界に籠もって、狭い世界で「日本語読めない」人になるよ、ってニュアンスもこもってる? で、何らかのきっかけをもらって各エピソードごとの怪人になっていく、らしい。

キラメイジャーの場合は、マスク、外面を与えられて、それにふさわしい振る舞いをすることによって「淀み」、ヨドン軍の怪人になるようだけど、その辺りの対比も面白い。敵幹部のクランチュラも、「外面」を気にしてブレーキをかけていたのが外れたのか、クリエイターとしてやりたいようにやりはじめたら淀まなくなってるし、周りからどう見られるか、どう見せるか、世間的にどうあるべきかを考える部分というのは、「キラメキ」を考える上では厄介な要素ってことになるのかな?

スーパー戦隊シリーズ、見てない作品の方が少なくなって久しい今日この頃だけど、その深さには脱帽しまくり。キラメイジャーは秘められたメッセージ、プロデューサーあたりの提言みたいなものもかなり大胆で興味深い。各話のエピソードは表面的に子供向けにはなっているけど、今作もちゃんと見ればめちゃくちゃいい作品になっているので、映画以外も是非見ていただきたい。

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