LINKS(仮) 第十二話
白衣の下で汗だくになっているはずの早苗さんは、水分を補給して呼吸を整えると、メカニックとしてジャケットの復旧具合を蜂須賀さんに尋ねていた。蜂須賀さんは、タオルで額を拭いながら、右手の親指を立てた。
「完璧だ。他人にチューニングされるなんて、文句の一つでもつけてやろうかと思ったけど、どこにも非の打ち所がない。コレで注文をつけるようなら、オレが引退すべきだね」
蜂須賀さんは、高岩の方を見た。
「若葉杯、何かあったら頼むぞ」
蜂須賀さんが顔を覗き込んでも、高岩はうんともすんと