寒暁のノクターナス(仮) 第五話
私は家主に確認を取りながら、話を聞くための場作りに着手した。彼の注文は、照明はつけないこと、周り、特に下へ響くような大きな物音は立てないことの二点。後は、物を大きく動かしすぎないことを守りさえすれば、頓着はそれほどないようだった。
私は椅子とテーブルを動かし、取材に必要な最低限の環境を整える。散らかり放題だった床の上、細々としていたものを足で避け、埋もれていた椅子をもう一つ掘り起こすと、大量の埃が舞い上がった。私は大きな音を立てないように抑えながら、何度かくしゃみを繰り返