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名称未設定世界観(仮)

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物書きとしての本格的な再起、奮起を考えた、既存作品の再構築世界で展開される一連のシリーズ。 各作品、全体の名称すら未決定。 とりあえず、プロローグ的な幕間の話を置いてみる。
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2022年12月の記事一覧

LINKS(仮) 第八話

「今日は随分と早歩きだな」  研究室から追い出されてから、高岩と帰路に着いていた。二人で…

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江辺野の備忘録

 附属病院のロビーから自分の研究室へ一緒に移動してきた私に、小津教授は意地悪そうな笑みを…

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甲斐家の追想

 天気が良い九月半ばの連休だと言うのに、妻は里帰り出産で二、三日前から留守にしている。部…

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壊乱(仮) 第七話

 事前に相談もなく、僕とアレンで適当に選んだ店へ入ったのに、ドルトンは連絡もなしに僕らの…

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LINKS(仮) 第七話

 最後に記録された破損状態のジャケットを、ベストなデータと重ね合わせる。自動で認識できて…

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寒暁のノクターナス(仮) 第七話

「そう言うことでしたら、私の自宅を使いますか?」  珠緒さんは、開店前の仕込みを大学生っ…

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奈落の擬死者たち(仮) 第七話

 やりかけの掃除と書類整理に区切りを付けると、オレは薄い上着を羽織りながら外へ出た。まずは、ドクター沼を捕まえて野久保の話を聞かなくては。モグラのマスコットが描かれている彼の診療所を目指し、寒空の下を歩き始めた。道中で、「狸」に電話を架け、刑部さんに盗撮と盗聴のチェックを依頼した。オフィスの中は自分でも確認したが、お店の中やビルの内部に仕込まれている可能性もある。  刑部さんはいつもの様に、粛々と受け入れてくれた。これで一安心。牧と違って、非常に優れた包容力と安定感がある。優

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奈落の擬死者たち(仮) 第六話

 徐々に迫り来る年末に備え、手が空いている間にオフィスで掃除と書類整理に励んでいると、ケ…

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寒暁のノクターナス(仮) 第六話

 私は早速、日々の仕事をこなしながら、彼の部屋に移住するための必要な段取りを確かめた。家…

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LINKS(仮) 第六話

 大学の講義がだんだん本格的な内容に切り替わり、イリオンの若葉杯も見え始めた四月下旬、僕…

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壊乱(仮) 第六話

「得物の重さと長さ。扱い切れていないことを瞬く間に看破して、僅かな隙を突くとは。見事だな…

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真境名の覚え書き

「本当に、良いんですかい?」  前歯の欠けた男は、しゃがれた声でそう言った。私は、「ええ…

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遊川の日誌 vol.3

 久しぶりに藤倉を連れ立って「街」の外へ出ると、彼は心身ともに相当疲弊しているように見え…

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壊乱(仮) 第五話

「ちょっと待て。それは流石に言い過ぎじゃないか?」  ドルトンが横から身を乗り出し、口を挟んだ。ネウロはチラリとそちらへ視線をやる。 「そうか? ご本人は、きちんと受け止めているようだが」  ドルトンは渋面を作って何かを言い返そうとするが、アレンの手によって座らされる。ドルトンまで、僕の顔を見つめる。僕は周囲から集まる視線を受け止めきれず、一瞬下を向く。  ネウロの言い分も良く分かる。倒し切れなかった理由も原因も、思い当たる節がある。おまけに、あの日、最後までやり切れなかった

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