とんねるずについて。

壮大なテーマ過ぎて意外と語られなかったこの2人について今日は書きたい。
数多のお笑い芸人が、ダウンタウンと並んで尊敬するコンビ。
ウンナン同様、若い人は彼らの凄さを知らないと思うが、本当に凄い2人だ。
彼らの歴史を紐解いてみようと思う。

2人は元々帝京高校時代から部室で仲間たちを笑わしていた。そして、それに飽き足らず、素人参加のお笑い番組を荒らし、結果を出して行く。
そんな中、ウンナンよりも早くお笑いスター誕生というプロも参加するお笑い勝ち抜き番組へチャレンジ。初期の頃は10週勝ち抜くとチャンピオンになるという番組構成で、素人で貴明&憲武という、まさかのそのまんまのコンビ名でチャレンジする。18歳のまさに学生あがりの若き2人は、帝京高校の部室で仲間たちを笑わせていたネタをぶつけて大暴れする。ここで見せていたのは、漫才っぽい振りからの一発芸やモノマネ。
演芸場で活躍するような漫才師の審査員には、よくわからんと渋い顔をされながらも、その中にいたタモリには好評。なんだかんだで4週勝ち抜く。

こんなもんか、と彼らもプロになるつもりは最初はなかったそうだが、ある縁で先輩のおぼんこぼんが出演していたショーパブのコルドンブルーに出演することになる。
しかし、そこは酔っ払いやプロの芸を観にきた厳しいお客さんたち。
素人あがりとはいえ、当時のとんねるずすらほとんどウケず、わずか半年足らずでクビになってしまう。
そんな中、ここで素人芸からちゃんとしたコントの形となる。そしてあの秋元康との出会い。ここでとんねるずに改名し、お笑いスター誕生にも再挑戦。コントを披露し、結果的に10週勝ち抜くことになる。

そして、このあとがとんねるずが既存のお笑い芸人とは一味違う売れ方をしていく。
大きなきっかけは、当時大人気だったおニャン子クラブらがやっていた番組オールナイトフジに出演した事だと思う。
この番組は先輩芸人ではなく、素人に近いアイドル達が番組を進行していく。
ここでとんねるずはネタをやったり、アイドルをイジりまくる行為に出る。
ネタに関しても、譜面台を出しそれを確認しながらやったり、わざとエッチなことを言ったり、さらにはアイドルのファンや客に対して暴言を振りかざしていた。
最初こそ、アイドルがいじられると怒ったファンたちがとんねるずに掴みかかるが、それに対して蹴りを入れたりしていた。極め付けは、タイマンテレフォンというコーナー。
とんねるずに対して電話で苦情を言ってくるファンに対して「うるせー、ばーか!」
「てめぇ!ふざけんな、このヤロー」といい、ガチャン!と電話を切るなど、もうやりたい放題だった。しかし、時代もあってか、そんな2人の大暴れを容認する流れが出来た。
とんねるずに蹴られて喜ぶファンや、暴言を吐かれて自慢する人が現れて、彼らは若きカリスマになっていく。
秋元康との出会いの縁もあり、CDデビューも果たす。
中でも、一気!というまさに即興で作ったような曲がオリコンチャートで上位を飾るようになる。彼らはアーティスト、そして自身の番組ではコントをするコンビとなる。
最初の頃は特に先輩芸人や同期の芸人たちともあまり絡まず、番組のゲストはアイドルや女優、俳優、ミュージシャンが多く、そんな中で自分たちが優位に笑いを取っていた。
とはいえ、自分たちだけの番組を長年成立させていたのだから、芸人としての力量も凄い。
今の芸人たちとの違いは、チームワークや他の芸人のネタに頼ることなく、自分たちのキャラやテレビ番組やドラマ、映画のパロディネタで笑いを取っていた。そしてコントのセットももの凄く豪華だった。

そういう事情もあって、少し後輩のダウンタウンやウンナンらとの交流も非常に少ない。

それ以外ではスタッフとの交流が目立った。プロデューサーのキャラをコントに出したり、業界用語をギャグにしたりしていた。そんな中、番組のスタッフたちをジャニーズに見立てて踊らせるコントをやっていたのだが、最初はシャレで、エイベックスでデビューしますと言って、その話が大きくなり、秋元康やTRFのSAMらの協力でデビューしたのが、あの野猿だ。
この野猿も、とんねるずがアーティストとしてデビューして以来の人気グループとなり、二度の紅白出場やドームライブ
などをするとんでもないアーティストとなった。
前列の衣装担当の神波やフロアの平山は、歌も上手く、ビジュアルも良く、ワーキャー言われる人気メンバーだった。
プロデュースの上手さやSAMが振り付けしたのもあり、ただのスタッフの寄せ集めとは思えないかなりカッコいいグループで、女性人気も高かった。
レコード大賞などではしっかりスーツでカッコよく踊っていたが、
最初の紅白出場の時は全身白と赤で塗ってアフロのカツラをつけて登場、会場をびっくりさせていた。こういうエンターテイナーとしての石橋貴明のやり方はさすがだなと思った。
そんな野猿も引き際をわきまえ、一定期間活動をした後に撤収(解散)した。
しかし、悲劇が起こる。この解散にショックを受けた女子高生2人が、自殺してしまったのだ。
そんな悲劇を生んでしまう程、この野猿というユニット、ひいてはとんねるずの凄さやカリスマ性というのを実感せずにはいられない。

野猿解散後あたりから、とんねるずも
積極的に後輩芸人たちを番組に起用し始めていく。
おぎやはぎやバナナマンなど、非吉本で東京寄りの芸人が多かった。

そして時代は変わっていく。
とんねるずのオラオラな芸風が時代と合わなくなってきたのだ。とんねるずはそもそも、若い何もない兄ちゃんたちが、ハチャメチャに大暴れし、立ち向かっていく部分にカリスマ性や共感を得ていたが、彼ら自身が偉くなり、後輩や下の人間に偉そうにしている姿は、ただのパワハラに写ってしまったのだ。
そして長年続いた、みなさんのおかげですは終了し、とんねるずのコンビの番組はゼロになった。

しかし、ソロの活動を余儀なくされても、2人ともそれぞれ面白い動きを見せ始めている。
石橋貴明のソロ番組やYouTube、歌手活動。
木梨憲武の個展、番組ゲスト出演、映画などなど。
いい年齢になってきたが、歩みを止めないとんねるず。
いつまでも頑張ってほしい。
最近、無性にとんねるずを見たくなる時がある。

#とんねるず
#石橋貴明
#木梨憲武

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?