ユリオカ超特Qについて

漫談に憧れる。たった1人でマイクの前に立ち、お客さんに向けてしゃべる1人芸。先日のR1でも漫談芸はほとんどいなかった。なぜなら難しいからだ。1人しゃべりは出来ても、漫談にまで昇華させることは難しい。だからこそR1は小道具や1人コント、一発ネタが多い。
アメリカではスタンダップコミックのこのスタイルは当たり前だが、

日本の芸人で漫談が本芸の人は少ない。

最近の落語家や講談の神田伯山先生なども漫談は上手いが本芸ではない。

ユリオカ超特Qは日本で数少ない漫談が本芸の1人だ。

日本では他にも綾小路きみまろやあべこうじ、そして先日記事にしたつぶやきシローなどが有名だと思うが、彼らに比べれば知名度はかなり劣る。

しかし、かつてお笑いブームの下地を作ったNHK爆笑オンエアバトルの勝ち抜き常連者の1人

で、かなりレベルの高い1人しゃべりでテレビ、そして客席を笑わせていた。今はハゲネタをメインにシフトしているが、かつてはハンチング帽を被りかなり正統派の漫談をしていた。

多少マニアックな部分もあったが、それすら芸に変える力があった。

一番凄かったのは本人がプロレスラー愛が強いので、好きなレスラーである藤波選手の話のみで、笑いをかっさらってオンエアを勝ち取っていた。(この番組では上位に入らなければネタをオンエアしてもらえない)
藤波選手はプロレスファンならまだしも、お笑いを観に来ているお客さんの前で、誰?となるところを強引に自身の芸で説明し、面白おかしく話していたのだ。

考えてみれば、ユリオカ超特Qはここぞ、という勝負どころであえて自分の好きなネタを持って来ていた。番組のチャンピオン大会の予選では、勝ち上がっても負けるにしろ必ずネタが流れる。
それなら、ということもあったのだろう。彼のかけたネタは「ドラえもんとキテレツ大百科の違い」をテーマにしたネタだったり、「ハゲラップ」という自作のラップを持ち時間で存分に歌っていた。NHKの電波で堂々と好きなネタをやってた彼の姿は輝いて見えたし、このときは結果としては残念ながら勝ち上がることは出来なかったのだが、悔いはないと思う。

現在は半年に一回、「Q展」という単独ライブを継続しており、だいたいの構成として、その半年にあったニュース(主に芸能系が多い)ネタとプロレスネタ、ハゲネタで締めくくることがほとんど。
今のライブではかなり安定感が出てきて
おり、お腹いっぱい笑える素敵なライブなのだが、彼がQ展を始める前にやっていた単独ライブの「言霊2分の1」が最初に行ったライブで素晴らしかった。

僕は当時のお笑いは主にテレビで観ていた。そのためちゃんとした生でのライブはあまり観た事がなく、ユリオカ超特Qはオンエアバトルで勝ち抜いており、テレビで観て面白く、好きだったので舞台を観に行った。
そしてライブではさらに面白かった。

単独ライブのため、テレビでやるネタはもちろん、テレビでは決して見れないネタも数多くやってくれたし、テレビでかける前のネタもたくさん観れた。

若かりしユリオカ超特Qは今よりもテンポが早く、テクニックもパワーもあって大爆笑のライブだった。たった1人で、道具なしで1時間以上笑われてくれで大満足だった。
今でこそ、劇場中継やらYouTubeなどで、ライブ映像はたくさん観れるが、当時はテレビやビデオ(時代を感じる)くらいしかネタを観ることが出来なかった。

だからこそ当時のライブでしか観れないネタは来た人しか観れないレア感があった。

当時のパワーは年数を重ねることによって安定感になっており、様々な年代層を笑わせられる漫談家になっている。
実力的には充分お笑いブームを牽引できる存在だったが、マニアックなため、少しメジャー路線からは外れてしまった感はある。しかし、プロレスの仕事やアイドルなど、自身の好きなことを仕事にしていて、いい生き方だと思う。お笑いとしても、まだまだ現役で面白い。気になる方はぜひライブに足を運んでいただきたい!
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