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歌姫2024 ⑤ カノサレ

インスタント シトロン『Change This World』は1995年のアルバムだ。日本の90'sポップスを代表する名盤で、長年愛聴している。最近はSpotifyで聴いてしまうが、久しぶりに棚からCDを取り出してみた。

森本美由紀さんの描く可愛すぎるジャケットがケースの裏面に配置された特殊な仕様。インナーや帯の裏まで凝った装丁のアートワークが美しく愛しい。「見本盤」というシールが貼ってある。東芝EMI傘下のレーベル=suite¡supuesto!のリリースなので、私は当時おそらく伊藤英嗣さんにいただいたのだろう。

『Change This World』の殆どの作曲をされていた長瀬五郎さんが現在楽曲提供しているユニットがカノサレで、私はカノサレのぎーちゃんこと安達葵紬の顔がすごく好きだ。TWICEのツウィとぎーちゃんのどちらかを選べと言われたらぎーちゃんを選ぶかもしれない。こういう下品な言説は控えよう。

彼女のサーブ&レシーブ名義のアルバム『SERVICE ACE』に収録された「A Hungry Girl」がエモくて好きだ。「ポテト食べたい」「ココア飲みたい」「オムライス食べたい」というモノローグが「君に会いたい」に変化するとき、そのピュアな恋心を想像して簡単に落涙してしまう。これも長瀬五郎さんの楽曲だ。

カノサレはセカンド・アルバム『kanosare』でインスタント シトロンの「STILL BE SHINE」をカバーしている。

2020年に早世された片岡知子さんの遺した詩は力強く、風景が輝いて見える。これはただのカバーではなく「エモい」なんて軽い言葉で形容したくない。オリジネーターの手によって情景が歌い継がれる。魂が継承されるような尊い曲だ。

私は愛しい人の名を書いているだろうか。最近は年末調整の生命保険金受取人もWeb自動入力で無味乾燥だ。すっかり機会が減ってしまったが、妻の名前を書くときには「STILL BE SHINE」を脳内で再生しよう。

僕は書く 君の名を
今日のページの上に
日々を積み重ねても
いつまでも
きらめいている
ALWAYS SUNSHINE DAY


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