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203号室

2階のはしっこ、ガチャっと音を立ててドアが開く。

ベージュのタイルがお出迎え。
ひとりには十分すぎる靴箱
そこにかっぱと傘を押し込んでる。
右には洗面所、左にはトイレ
さあどっち?と分かれみち。
ピカピカのトイレ 真っ白のトイレ
まさかのトイレカバー不対応のトイレ。
なるべく汚れが目立たないようにと
グレーで揃えた小物達は未だに現役。
洗面所の鏡に映る自分にこんにちは
顔が浮腫んでる時は疲れてる証拠
思わず口角が上がってる時は幸せな証拠
1日1回は自分を客観的にみるきっかけ。
内見時にわ〜っと叫んだ大きな浴槽
湯船に浸かるのが良いって聞くけれど
夏場はついついシャワーで済ませがち
友達おすすめの入浴剤を手に入れて
この冬はしっかり芯から温まろうかな。
進むとキッチン。IHが2台。小さな流し。
家事が心配だったわたしにとってIHは相棒
冷蔵庫はたまにウイ〜ンと音を立てて稼働
電子レンジは2台目。2代目。漢字どっち?
右を向けばわたしの居場所。リビング。
両親に買ってもらった木のベッド
このベッドで眠りだしてもう何年かな。
木の机、木の本棚、木の物置。
あれ?気づけば木ばっかりだな?
泊まりに来てくれる友人が落ち着く〜って
言ってくれるのは、木の温もりなのかな。
遮光カーテン。だいすきなみどりいろ。
ちょっと背丈が合わなくて入居時に
お母さんが縫ってくれた思い出付き。
服でぱんぱんのクローゼット。もう入らない。
余計なものを買わないで済むからこれで良し?
ダンボール丸々一個を占めた大きなくまちゃん。
いつもベッドで横になってる。愛くるしい。
この部屋はどうかな?居心地良いかな?

これからもよろしくね、わたしの203号室。