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....2024スプリンターズS

皆様は今まで一目惚れした経験ってありますか?

僕は人生で一度だけ一目惚れをした経験があります。
あれは、15歳。中学3年の受験の時だった。
その日は私立高校の受験当日でいわゆる、滑り止め受験

当時の僕は公立高校に行くために勉強を頑張っていたが
万が一公立高校に受からなかったときの為に公立高校と同じくらいの
私立高校の受験に挑んだ。
当日はベストを尽くすために徹夜で勉強し、直前まで暗記集と対峙していた。

試験は多分大丈夫だろうという手応えで、なんとか乗り切って
ほっとして、友達とその日の感想を言い合いながら帰宅するために
駅へ向かっていた。

向かう途中、『おーい!ダノンザカッメまさはるー』と僕を呼ぶ声が後ろから聞こえた。


振り向くとそこには部活で仲良くなった他校のタカであった。
タカ『ダノンザカッメまさはるもこの高校受けっとったったい♪』
亀『なんであんたも受験しとんの!あんたスポーツ特待でこんなとこ受けんでもは入れたやろ』
タカは福岡県代表まで選ばれるほどの腕前でてっきり特待で違う高校にいくと思っていた
タカ『いやぁーこの高校うちの監督と高校の監督が仲悪くて特待もらえんかったとよ。やけんここだけ受験した』

とお互い部活も引退し、会う機会が少なくなっていたので駅まで向かった。
改札を抜け、ホームに着いたとき
タカの友人『タカー!電車来るよー!荷物いつまで持たせとーと!自分で持ってー!』
タカ『あーごめんごめん!戻るわー!なら、ダノンザカッメまさはる行くね!今度みんなで集まってバスケするけ連絡するわ!じゃぁーね!』
亀『うん!よろしくー!ばいばーい』

とタカが友人たちのもとへ戻っていくのを手を振りながら見ていた。
タカは男女6人くらいの同じ中学の友達のもとへ戻った時
亀に衝撃が走った。

『あの子めちゃくちゃ可愛い....。』

タカと一緒に来ていた一人に亀にどストライクの女の子がいた。
その友人たちの方を見ていたのに、なぜかその子だけ光って輝いて見えた記憶が鮮明に残っている。
しかし、思春期真っ只中の、チェリーボーイだ。
他校の女性に声をかけれるはずもなく、ましてや友達の友達。
なんか変にからかわれるのも想像できたのでその時は声をかけることが出来なかった。

初めての衝撃にその日受験だったことなんて忘れてしまうほどであった。
電車の中で一緒に来ていた友達たちが楽しそうに話している中
亀は窓の外の一瞬で流れていく風景を焦点も合わずただぼっーと眺めていた。

その日はいつも降りる駅ではなく兄貴が迎えに来てくれるということで
いつもより3つ手前の駅で降りた。
友達にも別れを告げ、電車を降り改札に向かった。
『はぁ~疲れた疲れた。』と背伸びをしながら改札へと向かい
兄との集合場所に向かった。

ロータリーに着いたが兄の車の姿はなく、携帯を確認すると
『あと10分くらいかかる!すまん!』とメールが来ていた。
事前に時間は伝えていたのになんでやねん!と思いながら兄の到着を待った。

その駅は比較的何もないところにあり、タクシーやバスもないような小さい駅だったので、閑散としている。
自分と同じように受験を終えたような他校の学生が何人かいるようだった。
ぽけぇーと兄が来るのを待っていた時、まさかの事態が起こった。

先ほど人生初の一目惚れの衝撃を与えたタカの友人が10mくらい横に立っていた。
心臓が止まるかと思うくらいびっくりした。
だって、その子が下りるはずのない駅で、その子の地区は既に降りているはずだった。

そこから声を掛けるかかけないかで
もじもじしながらかいた汗の量は計り知れない滝汗だった。
『ここで声を掛けなきゃ後悔する......。』何度も呪文のように頭では言っているのだが
のどが張り付いたような感覚で、体もピクリとも動かない。
どうしよう.…どうしよう…どうしよう...…
時間がたてばたつほど体は動かない。

そんな時、部活の顧問であった監督の言葉を思い出した。
『後悔する結果は、それなりの取り組みしかしてこなかった奴が後悔する。とにかく全力でやりきれ!全力でやってダメなら諦めはつく。』

その言葉が僕の脚を動かしてくれた。
亀『おっ!タカの友達やん!なんでこの駅で降りたと?校区とっくに過ぎとるやろ?』
女『あーさっきタカと一緒にしゃべりよった人やん!いや、今日おばあちゃんちに行く予定で、おばあちゃんがこの駅でおりたところなんよ』
亀『あっ!そーなんやねー』
とここからという時に、兄の車が到着した。
『これからって時に、、、、』あんなに兄を憎んだのは初めてだった。

亀『じゃあ、迎えきたけ、じゃあねー』
女『うん!ばいばーい』

一目惚れした女性に、せっかく声を掛けれたのに、あんだけしか
喋れんかった......。兄貴のばかやろう.....。
後ろ髪引かれる思いで帰宅していったのだった。

時は過ぎ、亀は無事に公立高校に入学することができ、入学式を迎えた。
入学式も終え、高校に登校するが最初はだいたいオリエンテーションのような説明が続いていた。

昼休み、新しく友達もでき、初めて食堂にいってみよーぜとなり
食堂へと向かった。
遠藤という野球少年と仲良くなったのだがそいつがいきなり
『おーーーーーーい!川崎ーーーー!』といきなり誰かに手を振り出し
こいつ声でかっ!!!と思いながら遠藤が手を振った先を見て二度見した。
いや、8度見くらいして、あり得ない速さで瞬きをした。

そこに立っていたのは、一目惚れしたあの子がいたのだ。

遠藤を引っ張って呼び、すごい勢いで胸ぐらをつかんで壁に押し付けた
『なんでお前があの子と知り合いなんだよっ!!!!』

遠藤『え、、、どうしたん、、、?だってあいつ俺と一緒の中学やん』

そう、遠藤はタカと一目惚れした女性と同じ中学という奇跡だった。
まだそんなに仲良くもなくお互いの実情も知らない程度しかまだ時間がたっていなかったので、遠藤の中学も聞いてなかったのだ。

亀『遠藤!頼むけん、あの子に話しかけいこう!お願い!』
遠藤『なんで?あいつ知っとると?あっ、もしかしてあいつのこと狙っとる?ニヤっ』

野球部にいそうな、空気読めなさそうランキング上位のオーラをもつ遠藤は
その時には女の子のもとへと走って
遠藤『川崎ー、なんか川崎と喋りたいってよー』とにやにやしながらこちらを見て指をさしていた
遠藤『ダノンザカッメまさはるこっちきいよ!はよっー!』

しかし、この空気読めなさそうランキング上位の遠藤のおかげで
川崎さんと久しぶりの対面となった。

亀『前タカの友達で駅で会ったやつやけど覚えとる?』
川崎さん『あー!!!!思い出した!!!ここの高校やったんやね!よろしくね♪』

(か、、、、かっ、、、、かわいすぎる、、、、。)

あまりの可愛さに気絶寸前までなっていたがなんとか話した。

それまで川崎さんの存在に気付かなかったのが、その高校は7クラスあって、1~4組までが一階(亀側)5~7組(川崎さん側)が校舎が違う向かいの建物になるので見かける事がなかったのでその日まで彼女の存在に気付かなかった。
あのときのテンションの上がり。あの気持ちの高ぶり。
一目惚れした女性と同じ高校!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最高の気分だった。


僕の高校時代は本当に楽しかった。
今でも思う。最高の3年間だった。
今でもたまに飲みに行くような、一生の友達にも出会えた。
死ぬほど部活にも打ち込んだ。
そして、高校三年間という人生でも貴重な青春を川崎さんという
僕が一目惚れをした女性を彼女として過ごすことが出来た。
(空気読めない上位ランカーのおかげで一週間後に全力告白してお付き合い出来ました)

あるとき、彼女と一緒に下校しているときに言われたことがあった

『あの日駅でしゃべりかけてくれたやん?実はあの後、タカにあの人だれ!?めっちゃタイプなんやけど!!ってめっちゃ言い寄ったんよ。んで高校のこと聞いたらこの高校受けるってこと聞いたけん、私本当は違う高校受けるつもりやったけど、めちゃくちゃ急遽この高校に変えたんよ。やけんあの日話しかけてくれんかったらこうやって一緒の高校になってなかったとよ?ただ、亀がこの高校落ちたらどうしよっ.....。ってちょっと心配やったけど笑』

なんとお互い一目惚れのようなものだった。

心の底から嬉しかった。そして本当に1~2分しか喋れなかったけどあの日声かけて本当に良かったと心の底から思った。

あの日、思い切って声を掛けてなかったらこんな事は起きていなかった。

『後悔する結果は、それなりの取り組みしかしてこなかった奴が後悔する。とにかく全力でやりきれ!全力でやってダメなら諦めはつく。』

監督の言葉は今でも人生の格言として持ち続けている。

だから僕は決めた。後悔しないために。

本命は、、、、

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