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FP1級基礎2024年1月+α 5/6様

FP1級学科試験基礎 2024年1月+α 5/6 

 この度はお立ち寄りいただきありがとうございます。

 2024年1月に実施されました学科試験の基礎編の私見を書かせていただきました。今回は、金融資産分野の問34~問41までになります。

 また、これまでどおり下記のテキストでの取り上げ具合もざっくりではありますが数えてみました。今回は、テキストの取り上げ率がこれまでと比べて低かったようです。ただ、過去に出題されているところや感覚で答えが導き出せるところもあり目標とする60%を超えることは十分可能なようです。

[Ⅰ]テキスト直撃率
書籍(b) 「’23~’24版 FP1級技能士学科合格テキスト」→26/50 52(%)
書籍(c) 「’23~’24版 合格テキストFP技能士1級 TAC FP講座」→27/50 54(%)、
書籍(d) 「’23~’24版 みんなが欲しかった!FPの教科書」→32/50 64(%)
(書籍名の使用は出版社より了解をいただいています。ご対応いただきましたご担当者様には改めてお礼を申し上げます)
なお、書籍(a)は’22~’23版のため、覆面でのご参加となります。

[Ⅱ]テキストや過去問などで正解が導き出せそうな問題について
●正解を取れそう。○
A:テキストにあるし見慣れたところ:下記以外24問 (問1は、あれ?あれ?となる可能性もあり) 
B:正解以外テキストに回答有り(消去法可):問2、15、17、20、31、45 合計6問
C:過去に出題されている:問19、30、32、49 合計4問
D:感覚で回答できる:問13、14 合計2問
●難問になりそう。×
E:テキストにあるけれど文面をなぞって終わる可能性がある:問4、6、22、23、27、43 合計6問
F:改正等:問7、9、34、37、46 合計5問
G:見覚えないorあやふや:問8、10、33 合計3問
正解が可能と思えるのは、A~Dの36問のようでした。36/50 72%

 なお、こちらに関することは私見の域をでていませんので、気になるところがありましたらお調べ直していただきますようお願いいたします。

 また、試験問題の使用は了承をいただいていませんのでお手数ではありますがお手元にご用意いただけますと助かります。

 どうぞよろしくお願いいたします。

問34 ③ F 相続登記の申請の義務化についてです。この法律は、令和6年4月1日から施行された制度になります。民法の改正とそれに伴う不動産登記法の改正があり、不動産の所有者不明や放置問題への施策が始まりました。相続登記の申請の義務化もその予防対策の一つとなります。他にも特定空家への対策強化などの「空家対策」、「相続土地国庫帰属法の制定」、私道の共有、不明共有者への対策などの「共有物の明確化・円滑化」、一定の要件の元に既存不適格建築物の遡及適用を求めない修繕・修復についての「既存建築ストックの長寿命化に向けた規定の合理化」などが挙げられます。
◆令和3年民法・不動産登記法改正パンフレット:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001401146.pdf
◆「既存建築ストックの長寿命化に向けた規定の合理化」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0006.html

肢1、○ 令和6年(2024年)4月1日以降に相続を受けた土地は取得を知った日から3年以内に登記が義務付けられます。(上記◆P5)テキスト:(a)‐(b)×P352(c)×P2(d)×P18

肢2、○ 遺産分割が完了していないときは一定の登録をして遺産分割完了後3年以内に内容を踏まえた登記を行うことになります。(上記◆P5)テキスト:(a)‐(b)×P352(c)×P2(d)×P18

肢3、× 施行日前に相続が発生していたケースでも登記の義務があります。登記期限は相続による所有権の取得を知った日と施行日(2024年4月1日)のうち遅い日から3年以内になります。(上記◆P10)テキスト:(a)‐(b)×P352~(c)×P2~(d)×P18~

肢4、○ 正当な理由がなく登記がされていない場合に10万円以下の過料があります。(上記◆P4)テキスト:(a)‐(b)×P352(c)×P2(d)×P18

【周辺情報】『仮登記とは』本登記ができないときに行う登記です。仮登記を行うことにより本登記の順位を確保することが出来ます。(不動産登記法105条)仮登記は、1号登記と2号登記に分かれています。テキスト:(b)P354(c)P9(d)P23

〈1号登記〉実体としての所有権移転は済んでいて、残すところは書類の不備(書類の作成まち、書類の紛失など)など手続きの完了を待つ状態で行う手続きです。「所有権移転仮登記」「抵当権設定仮登記」「賃借権設定仮登記」があります。
〈2号登記〉権利の変動がまだ行われていない状態で、権利の変動に備えて権利の順位を保全するための手続きです。例として、農地取得で農地法の許可が受けれるかまだ未定のときに行う仮登記です。「所有権移転請求権仮登記」「条件付賃借権設定仮登記」があります。

[手続き]原則として、仮登記の申請は、仮登記義務者(売手)、仮登記権利者(買手)が共同しておこなうことになります。
 例外:①仮登記義務者の承認がある場合(例:住宅ローン完済における抹消)②仮登記を命ずる裁判所の処分がある場合
※仮登記そのものに時効はありませんが、「予約完結権」には5年の時効があります。(2020年4月1日以前は10年)5年経過後に「仮登記義務者」から仮登記抹消の要請があった場合に応える必要があります。

[注意点]所有権の本登記には利害関係のある第三者がいる場合にその承諾が必要となります。「利害関係のある第三者」とは、先に仮登記をした後に本登記を済ませてしまった第三者などとなるようです。「利害関係のある第三者」の承諾が得られなかった場合は(本登記を承諾すると仮登記者の順位が上位になるためほとんど承諾しないようです)、裁判所の命令によることになります。

[仮登記の免許登録税]所有権移転登記は不動産価格の2%(土地は2026年3月31日まで1.5%、要件を満たす自己居住用家屋は0.1%~0.3%)のところ仮登記は1%になります。
また、抵当権設定は債権価格の0.4%(要件を満たす自己居住用家屋の優遇措置では0.1%)のところ、仮登記は不動産1件につき1,000円になります。

【法改正等】民法の改正により令和5年4月1日より隣地使用権(りんちしようけん)に関する規定が変わりました。「隣地使用権」はこれまでも民法で規定をされていました。(改正前民法209条)ただ、使用の必要に迫られたときには、所有者または使用者に「請求」できるとされていて使用や利用ができるかどうかは相手次第となるようでした。また、「請求」の範囲も「障壁・建物の築造・修繕」と限定的でライフラインに係ることなどそれ以外で必要に迫られたときの指針がはっきりしていませんでした。そこで、今回の改正により一定の要件のもと、隣地を使用または利用する権利が認められました。(新民法209条)
 例えば、「越境した竹木の枝の切取り」「ライフラインに係る設備の設置等(新民法213条)」です。ただ、権利者や使用者に対して事前に通知をすることなど一定の手順や配慮などが求められてもいます。
◆「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」P26:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001401146.pdf

【問ア (a)に入る数値は】不動産登記事項証明書には「表題部」「権利部」があります。そのうち表題部には登記義務があり、登記は(a)ヶ月以内に行う必要があります
(答え:再就職をした時の再就職手当の申請期限と同じです)

問35 ② A 不動産の売買契約上の留意についてです。

肢1、× 法定代理人の同意がない場合は未成年者本人の契約は成立しないため、本人または法定代理人による解除が可能です。設問で契約を成立させるためには売り手が法定代理人(原則は両親)の同意を得る必要があり、親権者の場合は親権者の戸籍謄本、戸籍抄本などの書類(発行から6ヶ月以内、原本)で確認する必要があるようです。
 なお、成年後見人は法務局で取得できる後見登記の「登記事項証明書」です。テキスト:(a)×(b)△P364(c)×P22(d)×P12~(△親権者の同意または親権者が契約とされている)

肢2、○ 共有名義の不動産で自己の持分のみを売却する場合は共有者の同意は求められません。テキスト:(a)〇(b)P364(c)×P4~(d)P13

肢3、× 代理権を有しない無権代理(民法113条)のもの(勝手に契約した人)が行った売買契約は本人(名前を使われた人)が追認した場合に契約時まで遡って有効になります。(民法116条)追認がされなかった場合に、相手方(売主等)の善意無過失が前提で相手方(売主)は、無権代理人(勝手に契約した人)に対して損害賠償請求または履行請求ができます。また、本人(名前を使われた人)に落ち度が認められて無権代理人に代理権があるかのように誤解を与えたとされた場合には本人に対して効力が生じることになり、これを表見代理制度(相手方に無権代理人が代理権を持っていると思えた正当な理由がある)と言います。(民法110条)テキスト:(a)×(b)×P352(c)×P22(d)×P12~

肢4、× 一般法である民法と特別法である宅地建物取引業法・消費者契約法では特別法が優先され、特別法同士では、「消費者契約法」で「消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力について民法及び商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。」(消費者契約法11条2)とされていますので宅地建物取引業法が優先されます。テキスト:(a)×(b)×P352(c)×P22(d)×P48~
◆「消費者契約法第11条」:(消費者庁ホームページより)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/annotations/assets/consumer_system_cms203_231219_02.pdf

【周辺情報】「不動産識別情報」は、従来の「登記済権利証」に変わるもので、アラビア数字など12桁の組合せからなる符合で、登記申請人のみに通知されます。登記義務者として登記を行うときなどに登記名義人であることを確認するために用いられます。
 不動産識別情報は紛失しても再発行はされません。そのために、事前通知制度があります。
 「事前通知制度」とは、登記識別情報を提供できない場合に、登記官より登記義務者に対して、事前に登記の申請をしたかの通知をすることにより本人の確認をする仕組みです。なお、司法書士・弁護士など登記申請の代理が出来るものにより、申請者が本人であることが確認できた場合には事前の通知はされません。
 「不動産識別情報」は土地・建物ごとに名義人に通知されますので、2名(例えば夫、妻)の場合に、土地と建物の「不動産識別情報」が夫と妻に2つ通知されることになります。
 ただ、相続によって法定相続分で登記をするために一人で申請をした場合には通知されるのは申請者のみです。(不動産登記法21条)テキスト:(b)P356(c)P12(d)P26
◆「登記識別情報って何?」:(福島地方法務局ホームページより)
https://houmukyoku.moj.go.jp/fukushima/table/QandA/all/sikibetu.html
※シール式は折込式に変わっています。(下記◆参照)
◆「登記識別情報通知 見本」:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001131098.pdf

【法改正等】民法における共有物の変更・管理に関する見直しがあり、原則として令和5年4月1日より施行されています。例えば旧民法では軽微な変更は共有者全員の同意が必要であり、また、賃借権の設定は長期間に限り全員の同意が必要でした。ただ、長期間とされる取引の取り決めがあいまいだったため、のちのトラブルを考えて全員の同意をとることとなるようでした。今回の改正で、短期の賃借権等を明確化(山林に係る一定の賃借権以外となる土地の賃借権は5年以内(山林は10年以内)、建物は3年以内、動産は6ヶ月以内など)して軽微な変更とともに持分の過半の同意で賃借契約が可能になりました。テキスト:(b)×P354(c)×P4(d)P14
◆「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」P30~:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001401146.pdf

【問イ】30年の普通借地権が終了して最初の更新をするときの契約年数は最低何年でしょうか。
(答え:加給年金の支給対象となるための厚生年金の被保険者期間と同じです)

問36 ③ A 建築基準法についてです。

肢1、× 建築基準法の改正により規定に適合しなくなることを既存不適格建築物(建築基準法第3条2号)とされますが、原則遡及して適用されませんのでそのままでも違反とはなりません。ただ、増改築等をした場合は原則改正後の規定が適用されることになります。そのため、違反箇所を適合するための工事等も必要になります。テキスト:(a)×(b)×P374~(c)×P48~(d)×P73~
◆「既存不適格建築物について」:(国土交通省ホームページより)
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg3/chiiki/150130/item1-1-2.pdf

肢2、× 建築基準法のいわゆる42条2項道路のことです。42条2項道路は1.8m~4m未満が該当します。特定行政庁が指定することにより建築基準法上の道路とされ、中心線から2m以内は道路になります。中心線から4m後退とされているところが違っています。テキスト:(a)○(b)P374(c)P50(d)P77

肢3、○ 本来ですと防火地域と準防火地域にまたがるときはより厳しいほうの規制である防火地域が適用されます。ただ、建物が防火壁で区画されると区画外の部分は準防火地域内の規定が適用できます。(建築基準法65条2号本文)テキスト:(a)○(b)×P377(c)P70(d)×P107
 ちなみに、他に建築基準法22条指定区域があるようです。22条指定区域は、建築基準法の22条を根拠として、防火地域・準防火地域以外で屋根を不燃構造にするなどと指定をされた地域になります。
◆「建築基準法22条区域について知りたい」:(福島県ホームページより)
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kaihatsu-shidou/shitsumon/kankyo/kaihatsu/jutaku/22.html

肢4、× 建築確認の申請に対して建築主事または指定確認検査機関の処分に不服がある場合には、市町村または都道府県の建築審査会に審査請求を行います。(建築基準法第94条第1項前段)審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内。(行政不服審査法第18条第1項)また、処分があった日の翌日から1年が経過すると請求が出来なくなります。(同法第18条第2項)テキスト:(a)×(b)×P374~(c)×P48~(d)×P73~
◆「審査請求について」:(全国建築審査会協議会ホームページより)
https://www.zenkenshin.jp/sinsaseikyu/

【周辺情報】宅地建物取引業による報酬限度額が(ア)売買・交換(イ)賃借で決められています。
(ア)依頼者の一方から受取れる報酬の額は物件価格で区分が3段階に分かれています。
[200万円以下]物件価格の5%
[200万円超から400万円以下]物件価格の4%+2万円
[400万円超]物件価格の3%+6万円
 ※400万円(消費税抜き)以下の空家等の売買・交換においては、売主から受領する報酬の上限は、上記表による金額と現地調査などに要する費用を合計した金額以内(18万円+消費税が上限)とされています。価格がつかない物件や低額の場合に、受取る報酬がかかった調査費を下回り赤字になることを避けるための制度とのことです。テキスト:(b)P360(c)P23(d)P51
◆「国土交通省における空き家対策支援メニュー等(令和2年度末時点)」P8赤枠内:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001423378.pdf
(イ)借主・貸主から受取れる報酬は借賃の1ヶ月分になりますが、居住用建物の場合は、一方から1ヶ月の2分の1が上限です。テキスト:(b)P360(c)P23(d)P50

【法改正等】「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が令和5年12月13日に施行されました。全国で増加している空家の発生を事前に抑制するために制定された法律になります。特定空家化を防ぐことにあるようです。※特定空家:周囲に著しい影響を及ぼす空家。
・自治体の権限を強化することにより管理する側の義務をはっきりさせて「管理不全空家」へ「指導・勧告」が出来るようにしました。勧告された空家は固定資産税減税(200㎡の部分6分の1)の特例が受けられなくなります。主な改正点は以下のようになるようです。
・事前手続をとる余裕がない場合に緊急代執行が出来るようにしました。
・代執行(所有者不明時、緊急)にかかった費用の徴収を裁判所の確定判決なしで出来るようにしました。
・「空家等活用促進区域」を指定することにより、許認可の合理化・円滑化を行い建替えや用途変更等の促進を図りました。
テキスト:(b)×P383~(c)P86(d)P31
◆「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html
◆「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001621961.pdf

【問ウ (a)に入る数値は】建築基準法上の道路は1号道路、2号道路などいくつかありますが、その中に都市計画法などで一定期間以内に道路を造る事業が予定されているものも含まれます。その一定期間は(a)年以内になります。
(答え:国民年金を前払いできる期間と同じです)単位違い

問37 ② F 宅地造成及び特定盛土等規正法(たくちぞうせいおよびとくていもりどとうきせいほう)は令和5年5月26日に施行された法律です。令和3年に発生した熱海の土砂崩れで明らかになった問題点を踏まえて「宅地造成等規制法」を大幅に見直して制定された法律になります。指定される規制区域は「宅地造成等工事規制区域」「特定盛土等規制区域」があります。例えば面積の規制は宅地等が500㎡超、盛土等が1,500㎡超になります。

肢1、○ 切土や盛土による形状に係らず宅地造成等工事規制区域内では500㎡を超える場合は都道府県知事等の許可(盛土規正法第12条)が必要になります。(宅地造成及び特定盛土等規制法施行令第3条5号)テキスト:(a)‐(b)×P383~(c)×P42~(d)×P58
◆「宅地造成等規正法の概要」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/crd/web/gaiyo/gaiyo.htm

肢2、× 宅地造成等工事規制区域として指定される区域は「市街地や集落、その周辺等盛土等が行われれば人家等に危険を及ぼしうるエリア」となり、市街地以外でも市街地となろうとしている区域も対象になります。地域は都道府県等が指定します。テキスト:(a)‐(b)×P383~(c)×P42~(d)×P58~

肢3、○ 「特定盛土等とは、宅地または農地等において行う盛土その他の土地の形質の変更で、当該宅地または農地等に隣接し、または近接する宅地において災害を発生させるおそれが大きいものとして政令(盛土等規正法施行令第3条)で定めるものをいう。」(盛土規正法(定義)第2条3号)となり設問どおりです。テキスト:(a)‐(b)×P383~(c)×P42~(d)×P58

肢4、○ 「都道府県知事等は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合、その土地の所有者等に対し、擁壁の設置等の宅地造成等に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる。」(盛土規正法第(土地の保全等)22条2項)とされています。テキスト:(a)‐(b)×P383~(c)×P42~(d)×P58
◆「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)について:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/morido.html
◆「危険な盛土等を規制する取り組みが始まります」:(上)一般用、(下)事業者用(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/content/001603828.pdf
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/content/001603830.pdf

【周辺情報】「土地区画整理法」は「土地区画整理事業」を行うための法律です。「土地区画整理事業」とは道路や公園などを計画的に配置して整然とした町並みに作り直す事業です。テキスト:(b)P384(c)P78(d)P118
(ア)施行者:公的機関以外は知事の許可が必要になり、公的機関は知事の認可をとることになります。
 (ⅰ)土地所有者、借地権者が一人でも数人共同でも可能です。土地の形状変更に伴う制度のため、借家権者は対象になりません。
 (ⅱ)組合:所有者・借地権者が7名以上で土地区画整理組合を設立して事業を行うことが出来ます。
 (ⅲ)区画整理会社:所有者・借地権者が、株式会社を設立して事業を行う方法です。
 (ⅳ)その他:都道府県や市町村が事業を行うことも出来ます。公的機関が施行者の場合は、「土地区画整理審議会」を都度設置します。
◆「土地区画整理審議会とは」:(千葉県ホームページより)
https://www.pref.chiba.lg.jp/tosei/shingikai/tochikukaku.html

(イ)用語
 (ⅰ)換地計画(かんちけいかく):工事が終了した後における土地や土地に関する権利がどのようになるかを定める計画です。
 (ⅱ)減歩(げんぷ):保留地の確保(保留地減歩)や道路の整備(公共減歩)などに伴い従前の土地から面積が減少することです。
 (ⅲ)保留地:換地されずに施行者が取得し、販売などで工事資金を捻出するための土地です。
 (ⅳ)仮換地(かりかんち):工事の目処がついた順番に正式に換地される前に割り当てる土地のことです。
  仮換地の指定をされると、従前の宅地を使用収益する権利を持つものは、換地の公告まで仮換地を使用収益できます。同時に従前の土地を使用収益することが出来なくなります。ただ、所有権は従前の土地にあるため、売買契約や抵当権の設定などは従前の住所で行うことになります。
 例えると、従前の所有地がナムの形をした土地だったのをナムの面積より小さめとなったのりのように直線で囲まれた形状に変えることです。ナムの形をした土地が従前地、のりの形が区画整理をされた土地になります。正式にすべての手続きを終了(換地公告)するまでは土地を所有することが出来ません。ただ、大規模な工事の場合には順番に土地の工事が出来上がっていきます。そこで、出来上がった順に仮として新しい土地を使用するこが出来る仕組みが仮換地になります。この時点で住所はまだ変わりませんので、何らかの手続きは従前の住所で行うことになります。
 また、ナムの上にのりを重ねたときにのりの部分を確保したあとにはみ出す部分が出てきます。その部分を施行者が、各所有者から取得して、まとめた土地が保留地や道路・公園の土地となります。割り当てられた保留地を売買したり賃貸したりして工事費用の足しにするなどします。
 (ⅴ)換地処分:すべての工事が終了し土地が正式に割り当てられることです。
(ウ)建築行為等の制限:認可の公告があった日から換地処分の公告がある日まで、事業所内で一定の土地の形質の変更や建築物の建築などは、都道府県知事の許可が必要になります。

◆「土地区画整理事業」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/crd/city/sigaiti/shuhou/kukakuseiri/kukakuseiri01.htm
◆「土地区画整理事業とは」:(公益社団法人街づくり区画整理協会ホームページより)
https://www.ur-lr.or.jp/outline/about.html

【法改正等】構造改革特別地域法が一部改正(構造改革特別地域法24条)されたことにより「構造改革特別地域」に指定されることが前提で、法人が農地を所有できる特例が出来ました。施行日は令和5年9月1日です。法人が農地に対する権利を取得する方法は、一定の要件を満たした法人が土地を借りるか「農地所有適格法人」として所有するかでした。そこで、前述の改正により一定の要件を満たした法人が農地を所有する制度が出来ました。
 構造改革特別区域法24条により地方公共団体が総理大臣の許可を受けて「構造改革特別地域」になることにより、農地所有適格法人の要件を満たさなくても一定の資格を持つ法人の所有が可能となりました。その法人を「特定法人」といいます。
 仕組みの概略は、構造改革特区となった自治体に一度農地の所有権を移転し、その後に特定法人に所有権を移す形になります。また、特定法人にも「当該法人の執行役員などの一人以上のものが耕作または養畜に従事すると認められること」などの要件があります。
◆「特定法人による農地取得授業‐構造改革特区‐」:(内閣府ホームページより)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/pdf/punch/y15-1.pdf

☆構造改革特区改正前における農業参入のための仕組みです。(農業生産法人は農地所有適格法人と名称が変わっています)
◆「改正農地法の概略」:(農林水産省ホームページより)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kaikaku/attach/pdf/index-2.pdf

【問エ (a)に入る用語は】区分所有建物の規約の設定・変更・廃止の行使が必要な議決権は(a)以上である。
(答え:定款で株主ごとに異なる取扱いをした株式を属人的株式といいますが、属人的株式の事項を定める際に必要となる総株主の議決権数と同じです)

問38 ④ A 不動産取得税は地方税になります。原則4%で、不動産評価額は固定資産の評価額です。また、土地と住宅は税率が3%に軽減されています。
◆「令和6年度税制改正の大綱」:P33(32)(財務省ホームページより)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/20231222taikou.pdf

肢1、× 不動産取得税が非課税になる特定遺贈は受取る側は相続人です。設問の相続人以外の場合は、課税されます。テキスト:(a)〇(b)P386(c)P90(d)P134
◆「不動産取得税Q&A」(Q21);(東京都主税局ホームページより)
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_f.html

肢2、× 宅地建物業者が新築し分譲する住宅は1年(原則6ヶ月)を経過しても使用または譲渡されない場合に宅地建物業者を取得者とみなして取得税が課せられます。令和6年度の税制大綱で2年間(令和8年3月31日まで)延長されました。テキスト:(a)×(b)×P386(c)×P90(d)P134
◆「令和6年度税制改正の大綱」:P34(34)(財務省ホームページより)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/20231222taikou.pdf

肢3、× 宅地を取得した場合の不動産取得税は、固定資産税評価額の2分の1に軽減されます。3分の1としているところが誤りです。取得税=固定資産税評価額×1/2×3%です。
また、期限は令和6年3月31日でしたが、令和6年度税制改正により3年間延長されました。テキスト:(a)〇(b)P386(c)P99(d)P144
◆「令和6年度税制改正の大綱」:P33(31)(財務省ホームページより)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/20231222taikou.pdf

肢4、○ 認定長期優良住宅を新築した場合、床面積が50㎡~240㎡(戸建て以外40㎡~240㎡)に該当することで不動産取得税の課税標準となるべき価格から1,300万円の控除を受けられます。令和6年税制改正で令和8年3月31日まで延長されました。テキスト:(a)○(b)P386(c)×P91(d)P134
◆「令和6年度税制改正の大綱」:P34(38)(財務省ホームページより)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/20231222taikou.pdf

【周辺情報】不動産取引には消費税が課税される取引と非課税取引があります。テキスト:(b)P388(c)P95、P143(d)P138
(ア)土地の取引は原則非課税です。ただし、1ヶ月未満の貸付期間や駐車場(青空集射場除く)や施設の使用に伴って借りる場合(野球場、テニスコートなど)は課税対象になります。
(イ)中古建物の売買は、個人間同士だと非課税。売主・買主のどちらかが事業者の場合課税対象になりますが、代理・媒介・仲介において依頼主と買主が個人の場合は非課税になります。
(ウ)賃貸は、事務所などの建物は土地代部分も含めて課税対象です。住宅などは1ヶ月未満の貸付以外は非課税です。
(エ)権利金・敷金など
(ⅰ)非課税の対象:
・住宅の建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料など。
・契約の終了により返還される保証金や敷金など。
・土地の貸付けまたは土地の上に存する権利の設定の対価となる、地上権、土地の賃借権の設定に伴い授受される更新料や名義書換料など。
(ⅱ)課税の対象:
・事業用の建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料など返還を要しない物。
(オ)仲介手数料、融資事務手続料、司法書士報酬等は、個人間同士も含めて対象になります。
◆「事業用建物等を譲渡した場合の消費税」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3240.htm
◆「非課税取引とは」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/aramashi/pdf/005.pdf
◆「地代、家賃や権利金、敷金など」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6225.htm

【法改正等】宅地建物取引業者が扱う再販住宅にも一定の要件のもと不動産取得税軽減税率が適用されます。(~令和7年3月31日まで)同様に、前述の住宅に該当する土地に対しても取得税の軽減措置が適用されます。
 「個人に譲渡し、その個人が自己の居住の用にすること」「リフォーム工事を行い再販するまで2年以内に販売すること」「宅地建物販売業者が取得した時点で、新築された日から起算して10年を超えること」などです。
また、土地部分も減税を受けるためには、まず「住宅とも(同日に)に取得した土地であること」が必要になり、そして、「安心R住宅」「既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入している」などに適用することになります。
◆「宅地建物取引業者の方へ」:(埼玉県ホームページより)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0209/z-kurashiindex/z-2-9c.html
◆「買取再販で扱われる住宅の取得に係る不動産取得税の特例措置について」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001610406.pdf

【問オ (a)にはいる数値は】「居住用財産の軽減税率の特例」に該当した場合には、所得税10%(復興特別所得税を含むと10.21%)、住民税(a)%の軽減税率を受けることが出来ます。
(答え:工事が完了した時点で行う完了検査の申請期日と同じ数値です)単位違い

問39 ② A 登録免許税についてです。

肢1、○ 新築した住宅用家屋の所有権の保存登記に係る登録免許税について税率の軽減の適用を受けるためには登記申請書に所定の証明書添付して、新築後1年以内の登記が必要です。テキスト:(a)(b)×P387(c)×P93(d)×P136
◆「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」:P1(注)(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0020003-124_02.pdf

肢2、× 所有権移転登記の軽減税率は、売買または競売が対象ですので、贈与の場合は原則どおり2%の税率です。また、相続の場合も原則どおりの税率で、0.4%になります。テキスト:(a)○(b)P388(c)P94(d)P138
◆「登録免許税の税額表」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

肢3、○ 「住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減」(本則0.4%が0.1%に軽減)を受けるのは個人で自己の居住の用に供することが要件のうえ、新築(増築を含む)または取得をするための借入金への抵当権を設定した場合になります。テキスト:(a)〇(b)P387(c)P94(d)P137
◆「登録免許税の税額表」(3)居住用住宅の軽減⑥:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

肢4、○ 「住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減」は個人で自己の居住の用に供することが条件になりますので、貸付用家屋の取得は対象になりません。テキスト:(a)〇(b)P387(c)P94(d)P138
◆「登録免許税の税額表」:(国税庁のホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

【周辺情報】不動産取得税は、土地や建物を取得したものに対し都道府県が課税します。また、土地と建物それぞれに減税措置や免税措置がされています。
〈免税措置〉
免税点:(土地)10万円(家屋新築、増築、改築)23万円(家屋売買など)12万円
相続(相続人以外が特定遺贈により取得した場合や、死因贈与により取得した場合は課税される)・法人の合併
〈減税措置〉土地・住宅とも本則4%のところ3%に軽減されます。
『住宅』新築住宅(1,200万円控除されます。認定長期優良住宅は1,300万円の控除です。)、中古住宅(建築時期で100万円~1,200万円控除されます。)※新築は賃貸物件も対象になりますが、既存住宅は自己の居住用のみ対象です。また、別荘はどちらも対象外です。
『土地』宅地は固定資産税評価額が2分の1になります。
取得税=固定資産税評価額×2分の1×3%
住宅の減税措置の対象となる土地の場合に、上記の計算式が次のように変わります。
取得税=固定資産税評価額×2分の1×3%‐軽減額※
※軽減額 次の(ⅰ)と(ⅱ)大きい額。
(ⅰ)45,000万円(ⅱ)土地の1㎡あたりの評価額×2分の1×住宅の延床面積の2倍(200㎡限度)×3%
テキスト:(b)P386(c)×P91(d)P135
◆「不動産取得税の軽減制度について」:(千葉県ホームページより)

https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/aramashi/shurui/documents/r6keigenannai.pdf

【法改正等】2023年4月1日から2025年3月31日の間に長寿命化を図る大規模修繕工事を行ったマンションに対して一定の要件のもと、固定資産税を1/2から1/6(参酌規準1/3)の間で自治体が決めた内容で減額される制度があります。
◆「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置の創設」:(厚生労働省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001580049.pdf


【問カ (a)に入る数値は】都市計画税に課税標準の特例があり、一定の要件の元、(a)㎡以下で課税標準が3分の1に、(a)㎡超で3分の2に軽減されます。
(答え:定期借家契約は、賃借人が個人の居住用で転勤などの一定の要件をみたす時に解約の申し入れから1ヶ月後に契約を終了することができますがその対象となる面積の上限と同じです)

問40 ③ A 土地収用法についてです。

肢1、× 収用する土地の取得価格や収用する土地に対する補償金額の算定は国土交通省が「補償基準」を定めています。相続税評価額は規準とされていません。テキスト:(a)×(b)×407(c)×P129(d)×P175
◆「適正で公正な算定のために(補償金の算定)」(国土交通省ホームページより)
https://www.hrr.mlit.go.jp/youchi/youchisyutoku/tekisei2.html

肢2、× 補償は収用する土地および当該土地に関する所有権以外の権利に対する補償に限らず、休業による損失なども補償の対象になります。テキスト:(a)〇(b)P407(c)P129(d)×P175
◆「適正で公正な算定のために(補償金の算定)」(国土交通省ホームページより)
https://www.hrr.mlit.go.jp/youchi/youchisyutoku/tekisei2.html

肢3、○ 土地収用に伴う5,000万円特別控除の特例を受けるためには、最初に買取の申し出があってから6ヶ月以内に譲渡することが必要です。テキスト:(a)〇(b)P406(c)P130(d)P175

肢4、× 課税繰延の特例の適用における繰り延べは代替資産の取得価額の100%が対象です。譲渡価額が取得価額を超えた場合は、その超えた部分が譲渡収入になります。したがって、代替資産の取得価額の80%ではなく100%が繰り延べられます。テキスト:(a)〇(b)P407(c)P180(d)P175

【周辺情報】「居住用財産買換えの特例」を適用した資産を譲渡した場合の計算方法があります。この場合は、繰り延べをした取得費を引き継いでいますので、その金額を取得費とすることになります。パターンは以下のように分かれます。
 [譲渡資産>買換え資産]譲渡所得の計算のときに所得費+譲渡費用として差し引かれた残りです。
 買換資産の取得価額=(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×買換資産の取得価格/譲渡資産の譲渡価格
 [譲渡資産=買換え資産]繰り延べされた全額が対象ですので、
 買換資産の取得価額=譲渡資産の取得費+譲渡費用になります。
 [譲渡資産<買換え資産]繰り延べされた取得価額に※部分を加算します。
 買換資産の取得価額=(譲渡資産の取得費+譲渡費用)+※(買換え資産の取得価額‐譲渡資産の譲渡価額)
になります。
◆「居住用財産の買換えの特例を受けて買い換えた資産の取得価額とされる金額の計算」:(国税庁ホームページより)
https://www.keisan.nta.go.jp/r3yokuaru/cat2/cat21/cat218/yogo/kyojuyozaisan.html

【法改正等】「優良住宅地造成等のために土地などを譲渡した場合の軽減税率等の特例」が2年の延長となり令和7年12月31日期限になりました。こちらの特例は、一定の要件を満たした優良住宅地造成等を行う事業者に譲渡年の1月1日時点で5年を越える土地を令和5年1月1日から令和7年12月31日までに譲渡した場合に、譲渡額の2,000万円以下の部分について所得税が原則15%のところ10%(復興特別所得税は2.1%)に、そして住民税が原則5%から4%に軽減される制度です。

◆「優良住宅地造成等のために土地などを譲渡した場合の軽減税率等の特例」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000074.html

【問キ (a)にはいる数値は】「特定の事業用資産の買換え特例」を適用する要件の一つに土地の面積があります。それは、適用される面積が決められていて、買換え資産が土地の場合に譲渡した土地の(a)倍以内の部分とされています。
(答え:国民年基金基金で2口目以降に選ぶことが出来る年金の種類は、終身年金の2種類とともに、確定年金から用意されている種類の数と同じ数値です)単位違い

問41 ③ A 不動産業務の専門家について

肢1、× 土地所有者の住所変更登記の申請は司法書士の独占業務です。登記事項証明書の書類には表題部や権利部(甲区)権利部(乙区)と書かれています。住所等の記載は表題部においては「所在」欄等になり、土地所有者の住所は「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」「権利者その他の事項」欄になります。権利部になりますので司法書士の独占業務です。テキスト:(a)〇(b)P2(c)P4,P4※(d)P18,P4※(※リスク管理分野)
◆「全部事項証明書見本」:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001309855.pdf

肢2、× 筆界特定の手続きは、土地家屋調査士、弁護士、一定の認定をされた司法書士が行えます。設問の不動産鑑定士は不動産価格の鑑定を行いますので誤りです。テキスト:(a)×(b)P356(c)P28(d)×P22
◆「筆界特定制度に関する“よくある質問”」:Q11(法務局ホームページより)
https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/hikkai-qanda.html

肢3、○ 地積は表題部にある項目のため地積の登記は土地家屋調査士になります。テキスト:(a)〇(b)P2,P355(c)P5※、P4(d)P4※、P20~(※リスク分野)
◆「全部事項証明書見本」:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001309855.pdf

肢4、× 建築物の設計、工事監理は建築士の独占業務になります。工事監理は設計どおりに進捗しているかを確認することで(建築士法第2条第7項)、一方で日々の工事状況を把握し管理する工事管理はいわゆる現場監督になります。
 管理業務主任者はマンション管理者が管理組合等などに管理委託契約に関する重要事項の説明等を行うための国家資格です。テキスト:(a)×(b)×P374~(c)×P150(d)×P73
◆「工事監理ガイドラインが策定されました」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/common/001185127.pdf
◆「管理業務主任者とは」:(一般社団法人マンション管理業協会ホームページより)
https://www.kanrikyo.or.jp/kanri/

【周辺情報】投資判断を行う指標の一つに収益還元法があります。収益還元法は大きく分けて直接還元法とDCF法に分けられます。直接還元法は「一期間の純収益を還元利回りで除して算出する」とされ、還元利回り(キャップレート)は、類似物件の利回りを参考にする方法とキャップレートマップで利回りを調べる方法がありました。

 DCF法(NPV法、IRR法)は「一定期間の純収益を現在価値に割り戻した総計を基にして評価する方法」になります。それぞれ方法は例題も使いながら個別に説明をされていますが、式に初期投資を加えて参考にすると文章だけよりイメージがしやすいようでした。
テキスト:(b)P411(c)P171(d)P197

C0:初期投資、C1~Cn:1~n年目のキャッシュフロー、r:IRR として、
《DCF法》「対象不動産から将来の一定期間に得られると期待される純収益(総収入‐総費用)と売却価格(復帰価格)を現在価値に割り戻して評価します。
『DCF法計算式』
C1÷(1+r)^1+C2÷(1+r)^2+C3÷(1+r)^3+…+Cn÷(1+r)^n+売却予測価格(復帰価格)÷(1+r)^n

《NPV法(正味現在価値法)》現在価値に割り引いた評価額から投資額を差し引いた正味現在価値によって投資の収益性を計る方法になります。下記の計算式にあるように、現在価値から初期投資額を差し引いて不動産の収益性を評価するようです。
『NPV法の計算式』
(C1÷(1+r)^1+C2÷(1+r)^2+C3÷(1+r)^3+…+Cn÷(1+r)^n+売却予測価格(復帰価格)÷(1+r)^n)‐C0=金額
式の結果にもうけが出れば高いほど優良な投資とされます。

《IRR(内部収益率)法》NPVの公式で式の結果が0となるrをいいます。比較対象となる数値は、借入金の利率、同等程度の取引事例などとなるようです。例えば借入金の利率を比較対象としたときは、IRR>借入金の利率で投資の価値有と評価されます。
『IRR法の計算式』C0はマイナス設定になります。
C0+C1÷(1+r)^1+C2÷(1+r)^2+C3÷(1+r)^3+…+Cn÷(1+r)^n+売却予測価格(復帰価格)÷(1+r)^n=0となるr=IRR
または、『IRR={(家賃の総額+売却益)-(支出の総額)}÷購入金額×年数』
算出されたrが借入金の利子より高いと投資価値ありと判断されることになります。

【法改正等】令和6年の税制改正で「新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置における申告」の見直しがされています。固定資産税で一定の要件のもと新築された認定長期優良住宅の高層耐火住宅において、「新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置について、マンション管理組合の管理者等から市町村長に必要書類等の提出があり、減額措置の要件に該当すると認められるときは、当該認定長期優良住宅の区分所有者から減額措置に係る申告書の提出がなかった場合においても、当該減額措置を適用することができることとする。」とされました。
 ※耐火高層住宅の場合、床面積が40㎡以上から280㎡以下であるなど一定の要件のもと、固定資産税の税額が床面積120㎡以下の部分が1/2に軽減になります。認定長期優良住宅以外と認定長期優良住宅で区分されていて、認定長期優良住宅以外は5年度分が、一方、認定長期優良住宅は7年度分が対象になります。また、一般住宅(床面積50㎡以上から280㎡以下)も認定長期優良住宅以外が3年度分、認定長期優良住宅は5年度分が同じように軽減されます。テキスト:(b)×P389(c)P100(d)P145
◆「令和6年税制改正大綱 自民党・公明党」P116(3):(自民党ホームページより)
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/207233_1.pdf

【問ク】「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に「終身建物賃貸借制度」があります。高齢者(60歳以上)の方が終身住み続けるための制度になり、制度内容には死亡により賃貸契約は終了し相続されないなど独自の決まりごとがあります。そして、契約を賃貸人側から解約するためには、一定のところからの承認が必要になります。その承認をするのはどこでしょうか。テキスト:(b)P413(c)×P42~(d)×P58~
(答え:個人事業用資産の免除の特例を受けるための「個人事業承継計画」を提出する先と同じです。)
◆「終身建物賃貸借契約の手引き」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/common/001273786.pdf

☆高齢の単身入居者との賃貸契約をする上での大家さんの不安を払拭し、単身の高齢者の居住の安定確保を図る観点から、単身の高齢者が死亡した際に契約関係及び残置物を円滑に処理できるように、賃借人と受任者との間で締結する賃貸借契約の解除及び残置物の処理を内容とした死後事務委任契約等に係る「残置物の処理等に関するモデル契約条項」が国土交通省と法務省により策定されました。
◆「残置物の処理等に関するモデル契約条項」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000101.html

◆「(大家さんのための)単身入居者の受入れガイド」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001462617.pdf

文中にある問題の答えです。こちらは、過去に出題された応用問題の穴埋めを絡めています。

問ア 1(ヶ月)(2023年5月 問52)
問イ 20(年)(2022年5月 問53)
問ウ 2(年間)(2020年9月 問51)単位違い
問エ 4分の3 (2022年5月 問65)
問オ 4(日)(2023年1月 問60)単位違い
問カ 200(㎡)(2023年9月 問60)
問キ 5(種類)(2021年9月 問52)単位違い
問ク 都道府県知事 (2023年9月 問65)
問ケ なし

以上になります。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。