見出し画像

鎌田順也 追悼文集 【藤本美也子】

身体は大きいけれど、俊敏に動けてタフでそして繊細だった。
優しいけれど、その一方で横暴な態度を取って、怒るこちらの反応を敢えて楽しむような悪どいところもあった。
怖がりだけれど、とても勇気があった。誰のことも置いてきぼりにしない人だった。
それは、これまでにたくさん傷ついてきたからこその強さだとおもった。

九州の人が好きだと言って福岡出身の私と野上くんのことを気にかけて、可愛がってくれた。
何で九州の人が好きなのかを聞いたら「根性があるから」と言われた。本当か分からないけれど、とても嬉しかった。

演劇やそれ以外でもたくさんの時間を過ごしたけれど、あまりに色んな面を持ち合わせていて私にはとても分かり得ない人だった。
でも、だからこそ、一緒にいて面白かった。いいところも悪いところもひっくるめて、大好きだった。

いつも、生き急いでいるように見えた。それはきっと自分の限られた時間を、最大限に生きていたのだと今になっておもう。

さびしいけれど、大丈夫。
いつも想っています。

藤本美也子

寄稿者一覧

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?