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本の扱いは雑なほうかもしれぬ。殆どの本は端という端が折れ、いや本全体にヘンな癖ついて歪…
天空橋で月見をしてきたらしい男女で店は俄かに賑わいだした。いつものように外国人や肉体労…
駅ビルの喫茶店にいた。閉店まで一時間しかないが店は賑わっていた。本屋がすぐ傍にあるから…
小便の色が薄い。やはり宿酔だろうか。ビタミン剤を飲み忘れたせいもある。狭い便所だ。尻を…
あれKちゃん、どうしたのそれ、ちょっと、性病じゃないよね? 夜勤の相方の倉科が嬉しそう…
今日もまた夜勤だった。ヘルプ先の店に入ると、気のいい若きフリーターの浜辺が制服に灰色の…
ある日のうすら寒い灰鼠の曇の下、五時に夜勤を終えた俺はひと気のない水門通りを自転車で飛ばしていた。毒々しいクレアルカリンの錠剤が二錠、血中で溶けていくのを感じながら、十五号沿いにあるジムに飛び込んだ。入口のそばで競走馬のような軀をした、ドレットヘアの黒人女が一心不乱にダンベルを振っていた。汗で鈍く光る脚や脇が黒曜石じみた光を帯び、芳しい獣臭を漂わせている。一瞬、その女に黒豹の如き敏捷さで首根っこを捕らえられ、ベンチプレス台で強姦される想像をした。 ダンベルプレス、ケーブ