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もうコンバージョン率なんて上げないなんて言わないよ絶対

皆さんこんにちは。
ギャプライズ鎌田(@kamatec)と申します。

今年はアウトプットの回数を増やしていきたい、かつある程度の強制力を持っていきたいということでこんなマガジンを始めてみました。

折角ならば得意領域に関して体系的にまとめてみようということで、今後以下のようなテーマで記事執筆を予定しています。

・CVを上げる前に必要な因数分解
・CVRの適切な目標値とは?
・目標CVRから変数を取り除く方法
・仮説思考/ファクトベースの重要性
・いきなりCVをあげるな
・Low hanging fruitを狙う
・ランディングページを把握する
・CVに直結するシステムエラーをあぶり出す方法
・新規/既存の考え方
・ABテスト実施前の環境作り
・ユーザーの解像度を上げる実験
・サイト改善17の切り口
・テスト実施後の分析手法

今回はその1発目にあたる記事です。

コンバージョン率を上げたいと言う前に、「コンバージョン率を上げる必要があるのか?」を定義した上で取り組みましょうという話しです。

それではいってみましょう。

コンバージョン率に潜む甘いワナ

営利企業でWebに携わる仕事をしている方であれば、コンバージョンというものを少なくとも一度は意識したことがあるのではないでしょうか。

コンバージョンといってもECであれば購入、BtoBサイトであれば問い合わせや資料請求などいくつかの種類がありますが、いずれにせよ何かしらのリアクションをWebサイトから獲得することがメインミッションになっている方もいらっしゃると思います。

その中でもコンバージョン率を向上できれば、投資を変えずに数を増やせるのでレバレッジが効きます。

そのためコンバージョン率UPをWebサイト改善の重要指標に置いている企業も多いのではないでしょうか。

僕も仕事柄「コンバージョン率を上げたい」というご相談をいただくわけですが、いざお話しを伺ってみると

人が足りない
お金がない
システムが変えられない

等の理由で動けないというケースが多々あります。

コンバージョン率が課題なのに動けないというのも変な話しなのですが、深堀りしていくと実は「コンバージョン率を上げることが課題ではない」ケースもよくあります。

何をするにもそうですが、適切な課題設定をすることが、適切なアクションを生みだす第一歩です。整理して考えてみましょう。

コンバージョン率をあげることが「本当に」重要なのか因数分解して考える

コンバージョン率が目標になっている会社はありますが、コンバージョン率をあげることが「最終目的」である会社はおそらくないと思います。

なぜならコンバージョン率が上がった所で最終的な「購入数」や「売上」が上がる保証はないからです。

このあたりコンバージョン率以外の数字も整理しないまま課題設定をしていると、先に上げたように「動けない」という事態が発生します。

ではコンバージョン率以外の課題とは具体的にはどういうことでしょうか?ポイントは因数分解して考えるということです。

ECサイトの例をあげてみましょう。ECサイトにおいて売上をあげようとすると大まかですが以下のように因数分解することができます。

※実際はリピート率なども見る必要がありますが、簡易的な参考例としてとらえてください

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何が言いたいかというと、コンバージョン率というのは赤枠の部分だけにしか作用しないということです。

たとえば「アクセス数が月100件しかない」とか、「送料考えると今の客単価では利益を担保出来ない」という状況でコンバージョン率なんて考えてる余裕はありません。

コンバージョン率を課題として捉えるべきケースというのは、訪問数が担保されているのに獲得につながっていない、いわゆる「穴の空いたバケツ状態」の時です。プロセスとしては立ち上げ初期というより後半にあたります。

このような課題が明確になった上で、重要なのはチーム/組織内で「コンバージョン率が明らかにボトルネックになっている」という共通認識を持つことです。

これが明確になってさえいれば、前述した

人が足りない
お金がない
システムが変えられない

みたいな問題は全て解決します。というか解決せざるをえない状況になります。

コンバージョン率をあげる前にそれが本当に課題かを整理する。これがファーストステップです。

コンバージョン率も因数分解する

コンバージョン率がボトルネックであるということがわかったら、現状のコンバージョン率がどんなユーザーによって構成されているかも確認しましょう。

コンバージョン率を算出する数式には、実際は混ぜるべきではない数字が混ざっているケースがあります。

例えば

・配送状況を確認するために訪問したユーザー
・店までの行き方を確認するために訪問したユーザー

など実際にはどう頑張ってもコンバージョンしないユーザーが混ざっているケースもあります。

このようなデータは除いた上で、今の状況を正しく表しているコンバージョン率を算出してみてください。

詳しくは以下の記事を御覧ください。


ここまでやって本当にコンバージョン率が課題であれば、あとはフルスロットルで改善するだけです。

僕は普段、お金を頂いてコンバージョン率をあげるお手伝いをしているのですが、ご依頼いただく会社さんの成功確率が高いのは、

「投資してでもコンバージョン率を上げる意味がある」

という判断をした上で、全力で取り組んでいるからというのが大きな理由だと感じています。

まとめ

僕自身かれこれ10年以上、様々なクライアントの「Webサイトのコンバージョン率を上げる」ということをやってきました。

コンバージョン率というのは事業全体から見たらあくまで一部分にしか過ぎないということは常々感じています。

と同時に状況によっては強力な成長ドライバーになるケースを何度も見てきました。

noteでよく見る「P&G流○○」とかの記事と比べるとやたら狭い話してるなーとか、自分で書いてて思うんですが、1億2000万人いる日本人のうち、1人くらいは役に立つ方がいればいいなーと思って、今後も書いていきたいと思います。

それではまた次回。

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