モチベーションには興味がない。だが成長にコミットする。
皆さんこんにちは。
ギャプライズ鎌田(@kamatec)と申します。
以下記事の通り、令和元年10月より新米部長としてマネジメントに携わっている者です。
今日は今まで言語化してお伝えできていなかった、自身の「マネジメントスタンス」についてお伝えしておこうと思います。
モチベーションには興味がない
冒頭からキツイことをいっているようだが本心である。
もう少し噛み砕くと「瞬間的なモチベーションを上げる」ことはマネジメント業務としては捉えていないということだ。
もし仮に「モチベーションが上がらないので仕事にやる気が起きません」と相談されたとしても、僕はこれでも見てくれとしか言わないだろう。
金本である。
動画タイトルにある通りだが前日に骨折しながら翌日ヒットを打っている。しかもここから休むことなく最終的には1492連続試合フルイニング出場で世界記録を達成している。
金本だけではない。一軍のプロ野球選手が試合を前にして「今日はモチベーションが上がらないので試合に出たくありません」と言うだろうか。
何がいいたいかというと、前提として僕はメンバー含め一流のビジネスパーソンを「プロフェッショナル」として捉えている。なので日々のモチベーションやパフォーマンス管理に関しては自身でコントロールすべきものだという前提の元で皆さんと接している。
モチベーションとは与えられるものではない
かといっていきなり手のひらを返すようで恐縮だが「モチベーション」を全否定しているわけではない。むしろモチベーションは自身を動機づけする上で重要な要素であると考えている。
ただ、思うに「モチベーション」というものは、誰かに与えられるものではなく、過程で湧き出てくるものだと捉えている。
では何の過程で湧き出るかというと「成長過程」だ。
例えば僕がメンバーを銀座久兵衛にでも連れていけば、瞬間的なモチベーションらしきものはあがるかもしれない。
ただそんなことで上がったモチベーションは翌週あたりにはキレイサッパリ消え去るのがオチである。
そんなモチベーションよりも成長過程の中で「もっとできるようになりたい」「もっと顧客に価値を提供したい」といった渇きから生まれるモチベーションのほうが持続的だし有意義である。
さらに僕の部署は「コンサルティング部」であり、その価値を提供する源泉は100%、否200%人である。
つまり事業成長という観点でも、結果的にはモチベーションという観点でも、部長という立場を担っている僕は「成長」にフルコミットすべきだと考えている。
ここがタイトルにもある通りだが、僕が「モチベーション」ではなく「成長」にコミットしている理由である。
成長の定義
「成長」にコミットするからにはまず「成長の定義」を揃えておく必要がある。「成長」とは何か。
色々な捉え方があると思うが、ここは最近学んだ識学の定義が一番しっくり来ているので、言葉をそのまま借りると
「出来ないことができるようになること」
とシンプルにいえるのではないだろうか。つまりマネジメントとはメンバーが「出来ないことができるようになること」を管理する活動とも言いかえられる。
そしてもう一つ重要なことをお伝えしておきたい。
「できないことができるようになるまでの過程」は正直いってあまり楽しくないケースのほうが多いということだ。
例えばスーパーマリオですら、「Bダッシュをする」「敵を踏みつける」「キノコで大きくなる」といった学習を通して、「出来ないことができるようになる」結果楽しくなってくるものである。
僕も人のことを偉そうに言える立場では決してないが、多くの人間は「できるようになるまでの過程」でやめてしまうケースが多い。
続ける理由よりやめてもいい理由の方が多いからだ。
だからこそマネージャーとしてメンバーが続けることができるように管理をする。
あくまで役割として担っているだけで人間的な上下関係ではないということは付け加えておく。
ライザップなどのパーソナルトレーニングにおけるトレーナーがイメージに近いのだが具体的な成長プロセスと管理の方法については後述する。
成長のプロセスとは
では成長するまでのプロセスをどう捉えているかというと、大きく分けて4つのプロセスに分けて考えている。
具体的には
やることを決める
やることを完了させる
完了させた結果を振り返り不足を明確にする
不足を埋めるためのアクションを決める
簡単に言ってしまえばPDCAだ。このサイクルを繰り返し、足りないことを自覚し、できるようになった先に、成長と成果は生まれると考えている。
ここでいくつかポイントがあるのだが、まず「完了させる」というのが何よりも重要である。
先程パーソナルトレーナーを例に挙げたが、私自身過去にENGLISH COMPANYという英語版パーソナルジムに通った経験があるので、そこでの経験を例に挙げる。
細かい点は端折るがENGLISH COMPANYにてメインでおこなっていたサイクルは以下の通りだ。
・宿題をこなす(シャドーイング、単語暗記etc)
・宿題が終わったらLINEで完了報告する
・フィードバックを受ける(音声変化など足りない部分を把握)
・足りない部分を埋めるためにまた宿題をこなす
端的に言ってしまえばこのサイクルをひたすら毎日続けるだけだ。最終的な成果としてはTOEICの点数も3ヶ月で380→730まで上がったが、これはあくまで成果であり大事なのは日々決めたことを完了させ、不足を知った上で動くことである。
このサイクルはビジネスでも全く同じことが当てはまると考えている。
またこのサイクルにおいてもう一つ重要なポイントが「結果」と「成果」を混同しないことである。
上記TOEICの例でいうと「結果」は日々の宿題の完了にあり、「成果」は点数が730点になったことだ。
ビジネスシーンではこれが混同されてしまうケースが多いように思う。
例えば営業であれば「1,000万円の受注」が結果として置かれている状態である。
しかしこれは「成果」であり日々の結果を判断する軸にはならない。
営業であれば人によって粒度は異なるが、
・30件のアポを獲得する
・5件の商談を実行する
といった行動が実行できたかどうかが結果を判断するポイントである。そのうえで受注に繋がってないのであれば、その不足を明確にして埋めればいいのだ。
「成果」が出ていないケースというのは分解してみると「結果」を完了させていないというケースは非常に多い。かつ前述した通り、人間は成長過程においてやめてしまうケースが多い。
だからこそマネージャーという道具を使って継続してほしいと願う。
また結果を完了した際に成果が伴っていないと、落胆してしまうケースも多い。そんなときは弊社がクライアントにABテストを実施する際にお伝えしている下記3つの視点を持つと良いと思う。
・「変化がなかったこと」も学びの一つである
・「大きく下がった」ときは失敗ではなく「原石が見つかった」と考える
・「悪い所を潰す」より「良かった所を伸ばす」
マネージャーの役割
マネージャーの役割は上記のサイクルを極限まで高速に回すことにあると考えているが、その中でもマネージャーという役割だからこそすべきことが、大きく2点あると考えている。
結果に対する評価
言い訳の排除
の2つである。
まず結果に対する評価であるが、これはマネージャーに委ねるべきだ。
理由は2点あって、純粋にマネージャーは評価者であるという点と、特に「うまくいってないもの」を評価することは自身では難しいからである。
皆さんにも実際はうまくいってないのに「もうちょっとやれば大丈夫」と言い聞かせて続けてしまうことはないだろうか。
この世の中、自分に見切りをつけることというのは知らずしらずのうちに「悪いこと」だという洗脳で蔓延している。
だからこそ結果に対する良し悪しの評価は人に委ねてしまったほうが、判断が早いしそれこそマネージャーの責任であると考えている。
同時にマネジメントにおいて重要なのが言い訳の排除である。
先程例にあげたパーソナルトレーニングでも、この「言い訳できない環境づくり」というのが成長の最重要ファクターだったといっても過言ではない。
日々パーソナルトレーナーに報告しなければというプレッシャーや、そこそこ高額な金額設定も自身に対して言い訳を排除する要因となっている。
実際のビジネスではどうだろうか?実はこの言い訳になる一番の要因が上司、つまり僕自身ではないかと考えている。
例えば
提案資料が終わらないので手伝う
自信がないというので代わりにプレゼンする
これは筋トレに例えるなら、
「バーベルが上げられないんですね。じゃあ変わりに私が上げましょう。」
と言っているのと同じである。まったく鍛えられない。しかも最悪な事に良い方に転んでも、悪い方に転んでも「上司に手伝ってもらったから」という言い訳を作ってしまうのである。これではいつまでたっても成長しない。
もちろん物理的に明らかなキャパオーバーであればあれば手伝うし、入社したての新人に「PL引いといて」みたいな無茶振りはしない。
ただ任せた範囲に関しては結果を完了させるまで口出しはしないというのは、マネジメントにおいては最も重要であると自覚している。
ここまでがメンバーが成長するためにマネージャーが最低限コミットすべきと僕が定義しているものだ。
さらにメンバーだけではなく、チームとして最大限の力を発揮するために2つのポイントを意識している。
得意を生かす
リクルートさんが使っているWill/Can/Mustと言われている図がある。
この3つが重なっている、重なりが大きい仕事こそやりがいを感じる仕事であるというフレームだ。
コレ自体は否定しない。ただマネジメントという業務において、この3つすべてをマネージャーがコミットするのはおこがましいと感じている。
こちらの記事で言及されている元リクルートのmotoさんの言葉をお借りすると、
「「Will」には、将来の転職とか年収、働き方の話なども入れないと、本当の意味で本人のためにはならない」
と言及されているが、僕もこれに関しては同じことを感じている。
無論相談に乗らないわけではないし、できることはする。
ただし、それ以上にマネージャーとして課せられている最たる任務は「チームパフォーマンスの最大化」だと考えている。
そう考えるとマネージャーとしてイメージしているのは、どちらかというと下記のような形だ。
Willを無視するわけではないが、まずはチームメンバー各々の強みを把握し、メンバーの「できること」を最大化するようなポジショニングを考える。
またイチロー選手のように幼少期からWillとCanが一致している人はいいが、多くのビジネスパーソンは「できること」を増やしていくことで結果的にWill、つまりやりたいことができるようになっていくのではないだろうか。
少なくとも自分はそうである。
なので今後も強みの発見と共有に焦点を当てていく。下記のワーク、共有はしたがまだ出来ていないので早期に実施したい。
改善から改革へのジャンプ
最後に、これはマネジメントというよりメンバー全員に意識してほしいことを記しておく。それが「改善」と「改革」だ。
僕らのチームは日常的に「サイト改善」をサービスとして提供しているので、「改善」については意識もしているし、日々の改善活動も非常に早いと感じている。
ただ念頭に入れておいて欲しいのは「改善は基本的にシュリンクしていくもの」であるということだ。
A / B Testingという本の中で「改善」と「改革」の違いについて、以下のような図で解説されている。
上記の「点」が施策である。「改善」については最初は幅も大きくインパクトも大きいが、次第に幅が小さくなっていく。
それに対して「改革」は改善の線からはみ出した先にある。つまり改善の先に改革はないのだ。
馬車を滅ぼした男として、自動車を世に普及させたフォードの創業者、ヘンリー・フォードの言葉を借りると
「馬車をいくら改善しても、速い馬車が生まれるだけで、鉄道や自動車は生まれない。」
ということである。直近でも目の前の改善に囚われず、意識的に中長期的取り組みを創出するために、変革会議というものを実施したが、こういった取り組みを通して、改善も改革も高いレベルで実現していきたいと願っている。
まとめ
以上が現時点で考えている自身のマネジメントスタンスである。
こうして改めて言語化してみると、もしかするとマイクロマネジメントをしてるのではと感じた方もいるかもしれないが、そんなことはない、と思う(もしそう感じていたら遠慮せず言って欲しい)。
結果には関与するが、プロセスには相談されない限り介入するつもりはない。前述したようにそれは「成長」を阻害するだけだ。
また、最後に付け加えておくがこのマネジメントスタンスはあくまで現時点のものである。
自身の経験からしてもこのマネジメントスタンスというのは組織の成熟度やメンバー構成、提供するサービス内容によって変動するし、させるべきものであると考えている。
アップデートがあれば随時更新していこうと思う。
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