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売上は「変化」を生み出すためのゆとり

皆さんこんにちは。
ギャプライズ鎌田(@kamatec)と申します。

先日こちらのイベントに参加しました。

キレキレなお二人のトークに終始刺激を受けまくったのですが、その中で心に残ったのが深津さんが放った「利益はガソリンみたいなもの」というフレーズでした。

それからちょっと気になっていろんな方の「売上・利益」に関する捉え方を調べてみました。

いくつかあげると

ピーター・ドラッカー
「利益は企業の目的ではなく、存続の条件であり、明日もっとよい事業をするための条件である。」

元電通グループ会長俣木さん
「扱いは信頼の証」

元日本電産社長永守さん
「売上は血液である」

元日本航空会長稲盛さん 
「売上最大、経費最小」

誰が言ったか諸説ある格言
「売上は全てを癒す」

こんな感じで調べてみると皆さんなりの「売上とは」に対する解釈があるようです。

そこで今日はこの「売上とは」というお題について、最近の体験を元にして自分なりに考えてみました。メンバー向けの記事なんですが、興味のある方はお付き合い頂ければ幸いです。

※発言は個人の見解です。
※文中には「売上」を「利益」という意味合いで使っている所が混在してますが、文がややこしくなるので便宜上「売上」に統一してます。

売上について考えるようになったきっかけ

本題に入るまえに少しだけ「なぜ今更売上について考えるようになったのか」に触れておきます。

大きなきっかけとしては、僕が所属している会社が「上場」というものを意識するようになったというのが背景としてあります。

準備の最中で、当然いろんなものを変化させていく必要があるわけですが、その中でも個人的に大きい変化だと感じたものが売上に対する取り扱い方です。

具体的にどんな変化だったかというと、数年前、まだ社員も少なくノリ・勢いを大切にしていたフェーズでは

売上計画=目標

でした。

なので売上計画には基本的にストレッチした数字、「200%の目標を置いて150%達成する」というイメージのスタイルでした。

個人的にはこのスタイルは思考がストレッチする感覚があって好きですし、実際このやり方で一定の水準までは伸びることが出来ました。

ではそれがパブリックな会社になるということを意識するとどう変わるのか。

売上計画=約束

に変わります。これは上場企業のIRを見て頂ければわかると思いますが、業種業態に関わらず、上場企業は「計画」を発表した上で、達成度合いを「結果」として公表しています。

いわゆる「予実」を管理出来ているかが、株主・投資家からすると一つの基準になっているのが日本の株式市場です。

このような変化の過程で、今までは「いくぜ○億円!」のようなテンションだった売上計画が、「決めたことは守ろうぜ」的なテンションに変わる中で、個人の売上に対する意識も変わっていったというのがざっくりとした背景です。

売上計画を意識しだすと陥りがちなPL脳

上記のように売上の取り扱い方が変わると具体的には何が変わるかというと、特に現場サイドではPL(Profit and Loss Statement)の計画通りに進められるかが求められてくるわけですが、ここで陥りやすいのがPL脳です。

PL脳は朝倉さんの著書「ファイナンス思考」で使われている造語で、どんなものかそのまま言葉を借りると

「目先の売上や利益といった、PL上の指標を最大化することを目的視するような短絡的な思考態度のこと」

です。何を隠そう僕自身この思考トラップにまんまとハマった時期というのがありました。このトラップは特に数字がビハインドしている状況だと顕著になります。

いかに空いた穴を埋めるか?

という思考に労力を使い切ってしまい、先のことを考えられてないという状況。緊急かつ重要なことだけをひたすらやってるっていう感覚です。

どうやってPL脳から抜け出したのか?

身も蓋もない解決方法というか結果論なのですが、稼いで抜け出しました。最終的には当初計画に対して120%達成したことがトラップから抜け出すきっかけになりました。

では120%達成することでなぜ抜け出すことが出来たのか?達成した所で物理的な変化は何も起こりません。

これは達成の仕方が重要でして、あくまで個人で頑張って達成したのではなくチームで達成したという所がポイントでした。個人で無理して達成しても「緊急かつ重要なことだけやっている」という状況は変わりません。

チームで達成することで自分の中で、時間的・精神的な「ゆとり」が生まれる。

そこで始めて中長期的なこと、つまり緊急ではないが重要なことに思考が使える時間が増えたという流れです。

売上は「変化」を生み出すためのゆとりである

ここで冒頭の「売上とは」という話しに戻りますが、前述の通り、売上自体は特に何も生み出しません。したがって目的にはなりません。強力な魔力を持っていて往々にして目的化しているケースはありますが。

では売上・利益を得ることによって何がしたいのかというと、結局は「何かしらの新しいチャレンジ・変化を起こし永続的な成長を図る」という所に帰着するのではないでしょうか。

ただしこれらの変化は思考に一定の「ゆとり」がないと生まれません。だからこそ一定の売上は担保し、かつ思考時間の「ゆとり」を作り出す必要がある。

つまり「売上」と「ゆとり」はセットで考える必要があるというのが直近で僕が考えている売上に対する取り扱い方です。

さらにもう少しブレイクダウンして、どのように売上を増やし且つゆとりを増やすかという点ですが、もちろん投資して大きなリターンを得るとか、何か新規のビジネスを一山当てるとか、ただ時間増やして頑張るとか売上だけをあげる方法はいくらでもあると思います。

基本的にそれらの外的要因に起因するものって自分のコントロール配下にない要因が多数含まれていますし、そもそもゆとりが無い時に考えても神頼み的な施策になってしまうケースが多いように感じます。

となると「売上」と「ゆとり」を両立させ、かつそれがコントロール可能なことって「生産性をあげる」以外にない、という結論に自分の中では落ち着きました。

さらに生産性も大きく分けると2種類しかなくて、

・同じ労力でクオリティを上げて単価をあげる
・少ない労力で同じクオリティを出せるようにする

のいずれかしかないんじゃなかろうかと。このようにブレイクダウンしていくと、なぜ売上をあげる必要があるのか、生産性をあげる必要があるのかっていうのも結構整理されました。

順番で言うと以下のような流れです。

新しい変化・チャレンジを起こし永続的な成長をしたい

思考とアクションに一定のゆとりと売上が必要

ゆとりを生み出すために生産性をあげる


会社と個人にゆとりが出来る

変化の土壌が出来る

変化が起きる

今後またこの考え方にアップデートがかかるかもしれませんが、現時点では結構これで整理されてます。

でもまあこうやって文字に起こしてみたら至って普通のこと書いてるなって感じですが、ともあれ気を抜くと「売上」が目的化しそうな時があるんで、自戒の意味もこめてここに記しておこうと思います。

それではまた次回。

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