天皇賞(春)の傾向と対策



2023 ジャスティンパレス

有馬記念出走馬の人気が抜けたときは、有馬記念からみて人気が薄い馬に警戒が必要

人気構成:やや集中+4強
1人気1.7倍 タイトルホルダー
2人気4.3倍 ジャスティンパレス
3人気6.7倍 ボルドグフーシュ
4人気6.9倍 アスクビクターモア
5人気22.5倍 ディープボンド

 日経賞圧勝したタイトルホルダーがやや抜けた1人気。ところが競走中止。G 1で人気が抜けたのは初めてだったのが辛かったか。
 勝ったのは、そのタイトルホルダーに有馬記念で先着していたジャスティンパレス。2着にも有馬でタイトルホルダーに先着していたディープボンド。有馬出走馬が春の天皇賞で人気になると有馬記念と連動しやすいところがあって、いつものレース傾向が出づらくなる点は注意したい(阪神大賞典からの巻き返しは決まりにくいなどが通用しなくなる)。
 注目は3着のシルヴァーソニック。ステイヤーS重賞勝ちがあって、かなり長距離志向の馬だった。例年であれば、こういう馬の方が穴では怖い。



2022年 タイトルホルダー

有馬記念に人気が偏っているときは有馬記念出走馬中心になりやすい

人気構成:やや集中人気
1人気2.1倍 ディープボンド
2人気4.9倍 タイトルホルダー
3人気7.8倍 アイアンバローズ
4人気9.9倍 テーオーロイヤル



有馬記念5人気2着ディープボンド、4人気5着タイトルホルダーが、それぞれトライアルを集中人気で完勝して参戦し上位人気を構成。有馬記念から見るとディープボンドに人気が集まって人気面でタイトルホルダーはかなり楽になった。反対に今回辛い人気になったディープボンドは2着。3着には有馬記念は未出走の別勢力でダイヤモンドS2人気1着後の4人気テーオーロイヤルが入った。


2021年 ワールドプレミア

長距離志向の馬が強い。阪神大賞典の着順は入れ変わりづらい?

人気構成:人気分散
1人気3.6倍 ディープボンド
2人気3.8倍 アリストテレス
3人気5.2倍 ワールドプレミア
4人気7.3倍 カレンブーケドール

 菊花賞上位の明け4歳馬が阪神大賞典経由で1、2人気。アリストテレスはAJCC勝利後阪神大賞典で集中人気凡走7着後ではあるものの2人気。阪神大賞典勝ったディープボンドは 1人気に人気がアップしていた。
 日経賞は、有馬記念組が上位人気を構成していたが、AJCCでアリストテレスの6着後だったウインマリリンが勝っている。
 勝ったのは有馬記念5人気5着後に日経賞2人気3着だったワールドプレミア。日経賞ではカレンブーケドールに人気先着されていたが、春の天皇賞ではカレンより人気になり勝つことができた。日経賞と春の天皇賞の斤量差(3キロ→2キロ)は変更していることや大幅距離延長(2500m→3200m)があるので、人気先行気味でも逆転できるということだろうか。カレンブーケドールは3着だった。
 2着は阪神大賞典圧勝だったディープボンドが 1人気で入った。こちらは距離延長があまりないのでひっくり返りずらいのだろうか。


2020年 フィエールマン

日経賞は大幅距離延長だから着順が入れ変わりやすい?

人気構成:やや3強
1人気2.0倍 フィエールマン
2人気5.0倍 ユーキャンスマイル
3人気5.3倍 キセキ
4人気11.9倍 ミッキースワロー

 有馬記念6人気4着後の休み明けフィエールマンに人気が集まった。3人気のキセキも有馬記念7人気5着だった馬。キセキは阪神大賞典を集中人気7着凡走後でも人気だったので、有馬記念後にあまり勢力変更がないような形で行われたと言ってもよさそう。
 勝ったのは有馬記念からのフィエールマンで人気に応えた。2着にも有馬記念13人気13着でAJCC3人気8着→日経賞9人気3着後11人気だったスティッフェリオ。AJCC→日経賞と2度4人気のミッキースワローに人気先着を許していたが大穴人気変動で巻き返した(ミッキースワローは3着だった)。前述のように日経賞から条件が変わるので着順が入れ替わりやすいので大穴になったときも注意が必要だろう。なお阪神大賞典の方は最先着は勝ち馬のユーキャンスマイルだったので逆転が起きていない。


2019年 フィエールマン

菊花賞勢力が中心になった年

人気構成:通常型
1人気2.8倍 フィエールマン
2人気3.3倍 エタリオウ
3人気6.4倍 ユーキャンスマイル
4人気9.2倍 メイショウテッコン
4人気9.2倍 クリンチャー

 有馬記念上位馬不在。人気は菊花賞上位1〜3着実績のある明け4歳馬。
 勝ったのも菊花賞勝ち馬でAJCC 1人気2着後のフィエールマン。AJCC勝ったシャケトラは、その後阪神大賞典を 1人気で圧勝していた(天皇賞春は出走しなかった)。この年は阪神大賞典に有力馬は不在の年だった。もう一方のトライアル日経賞は、菊花賞2人気2着のエタリオウが 1人気で出走し2着だったので、菊花賞勢力が優勢の年だったといえる(エタリオウは日経賞から天皇賞春は4着で最先着だった)。
 2着には菊花賞12人気5着→日経新春杯 1人気 1着だった6人気でグローリーヴェイズが入った。菊花賞勢力では4番手だったが春になって逆転を果たした。3歳の実績はまだひっくり返せる時期なのだろう。


2018年 レインボーライン

有馬記念勢力上位人気→阪神大賞典勝ちローテが王道ローテ?

人気構成:人気分散
1人気3.6倍 シュヴァルグラン
2人気6.0倍 レインボーライン
3人気6.6倍 ガンコ
4人気8.0倍 クリンチャー
5人気9.8倍 サトノクロニクル

 人気分散ではあるものの有馬記念出走馬が上位人気に3頭入っていた。
 1人気は有馬記念3人気3着後、大阪杯4人気13着のシュヴァルグラン。適性距離戻って人気を集め2着に入っている。大幅距離延長で人気先行気味でも馬券圏内に入ってくる特殊なG1であることや、有馬記念で人気先着済みの馬が上位人気に入っているのでメンバーアップしていなかったこともプラスだった。
 勝ったのは有馬9人気8着→阪神大賞典3人気1着だったレインボーライン。阪神大賞典の着順はなかなか変わりづらいのは前述の通り。有馬記念よりメンバーダウンしていることは明らかなG1だったことや有馬記念からみて大幅距離延長だったことでシュヴァルグランを逆転できたのかもしれない。


2017 キタサンブラック

菊花賞→有馬を一気に駆け上がった馬は過信禁物。連チャン期が終わってしまうことも。

人気構成:2強型
1人気2.2倍 キタサンブラック
2人気2.5倍 サトノダイヤモンド
3人気9.9倍 シャケトラ
4人気12.0倍 シュヴァルグラン
5人気20.7倍 ゴールドアクター

 有馬記念同様1・2着馬に人気が集中。勝ったのはキタサンブラック。サトノダイヤモンドは3着まで。サトノダイヤモンドは菊→有馬と連勝で王者君臨かと思いきや、4歳以降はG 1未勝利。早熟連チャン期終えるパターンもあるので過信できない。
 3着には4人気シュヴァルグラン。長距離重賞常連の実績馬は天皇賞では安定して走ってくる印象。


まとめ

▫️日経賞は着順が入れ替わりやすい
▫️阪神大賞典は着順が入れ替わりづらい
▫️有馬記念の勢力が中心か、それ以外かをトライアル戦などで見極めると絞り込みしやすい



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