人間やめますか、パチンコやめますか

人間やめます。

脳汁を出すことでしか脳に血液を送ることが
できなくなる病気にかかってしまった僕は
毎日のようにパチンコで勝ったり負けたりを
繰り返してきた。

今まで何人もの人に止められ、何人もの人を
悲しませてきた。それでも僕はパチンコを
やめることができなかった。

そもそもなぜ僕はパチンコの沼にどっぷり
ハマってしまったのだろうか。
保育園児の頃はムシキングが大好きだったし、
小学生の頃は毎日のように友達とカードゲームで
遊んだりパックを開封して楽しんで、
中学生になるとクレーンゲームにお小遣いを
全て注ぎ込むようなガキだった。

そうなのだ。理由などではなくただ僕は
生まれながらにしてギャンブラーだったのだ。
肉食動物が必ず命を頂かなければならないように
僕は賭け事をする運命にあったのだ。

しかし、最近とあることをバイト先の先輩(年齢は
そこそこ上)から言われ、ハッとした。
「パチンコってギャンブルじゃなくね?」
そう、パチンコはギャンブルというよりは
ただただお金のかかる遊戯なのだ。

極端な話をしてしまえばパチンコは機械であり
日に日にデジタル化していくこの社会で
店の人間はどんどんパチンコを思うままに
扱えるようになっている。
よく「遠隔なんて無い、ホールコンピューターで
出玉の管理だとか時間調整なんて嘘だ」という
意見はパチンコ界隈でよく耳にする。
性善説を信じている僕にとってこの意見は
パチンコを気持ちよく遊戯するためにも
支持するしかない意見ではあった。

とある友人Nは
「ギャンブルの中でも還元率が一番高いのは
パチンコなんだから、他が70%とかの中で
パチンコは80%を超えてるから。」と言う。
確かにそれを聞けばパチンコこそがギャンブルの
中で最も稼げるように思える。

だが一旦落ち着いてよく考えてほしい。
一体その数字は何を基準に導き出されたのか。
母数や導き出し方は同じものなのか。
「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う。」
この言葉の通り人を信じ込ませるためには
相手の考える手間を省くことができ、なおかつ
それらしい根拠を添えることが手っ取り早い。

なるほど、やはりパチンコは悪いとまで
言わずとも良いものではないのかもしれない。
依存症と言っても過言ではない僕が
パチンコをやめるには苦労するかもしれないが、
それでも必ずやめなければならない。それでも。

それでも??

それでも!!

ユニコーン!!!!!

またやってしまった。
意図せず自然な流れで出た単語だけでもう
脳内でバナージが叫んでしまう。無理だ。
嘘つきでいいから、3万くらい貸してほしい。
必ず倍になるから。パチンコが一番還元率が
高いらしい。なるほど、パチンコを打つのが
一番手早い。還元率80%、なんて頭の良さそうな
単語なんだ。信じるしかないじゃないか。
ギャンブルじゃなくて遊戯ならなおさら世間体も
いいのかもしれない。遊んでるだけだから、
ギャンブルなんて汚いものとはちがうから。
どうせ先の知れた短い借り物の人生なのだ、
みんなもパチンコで頭の悪そうな光と音で
脳汁ドバドバ出して溺れてみてはどうだろうか。

あとまじで誰か3万くらい貸して。









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