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【読書記録】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方

佐藤航陽さん著の「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」を読みました。まちづくりやコミュニティ運営に活用できそうなポイントを、以下にまとめました。

本書の概要はこちら

インターネット以来の大革命。メタバースとは「神」の民主化だ———

メタバース、web3、NFT、AI、宇宙開発…「新しい世界」を私たちはどう生きるか!メタバース事業の最先端をいく起業家が全てを書き尽くした決定版。

産業革命、インターネット、そしてメタバース。人類はいよいよ最終局面を迎える。

Amazonより

テクノロジーの浸透の順番


新しいテクノロジーは生活を豊かにしてくれますが、その浸透には順番があります。

①消費者(個人)
②企業
③行政

ステークホルダーが少ないところから浸透していきます。ステークホルダーが多くなるほど、意思決定が難しくなり、また時間もかかるからです。

浸透が次のステージに進むには、3〜5年は最低でもかかります。

つまり行政(まち)を変えたければ、

・まずは個人をターゲットにする
・次に、仕事でも使ってもらう

という順番で、10年は覚悟して戦うことになります。

うまく回る生態系の特徴


運営がうまくいっている生態系(組織やコミュニティ)には、次の特徴があります。

①自律的である(外部からの指示がなくても動く)
②有機的である(参加者がお互いに連携する)
③分散的である(司令塔に依存しない)

こういった生態系を作るためには、

・参加者に生態系のルールを理解してもらい、それぞれが何をすればいいか分かる状態にする
・参加者同士のコミュニケーションが常にあるようにする
・指揮官がいなくても動きが止まらないようにする

などが求められます。

最初はカリスマから始まる


とはいえ、これらの特徴を持つには時間がかかります。

コミュニティの形成初期は、人を集められる求心力を持った人や、発言に説得力のある人など一部の「カリスマ」に依存することになります

そこから時間をかけて徐々に生態系として機能していくように仕組み化していく流れです。

逆に言えば、コミュニティの立ち上げ当初は、代表者の発言力が超重要ということです。

日々発信をして、発言力を高めていく必要がありますね。

生態系が持つべき機能


そもそも生態系とは、価値あるものをやりとりする環境です。

価値の生産者と、価値の消費者のやりとりがスムーズに行われないといけません。そのためには、

・マッチングの支援(生産した価値が、適切に消費者に届くように)
・信用の可視化(他の参加者を信用してやりとりできるように)
・自助努力できるための知見や道具の提供(生産の支援)

などができる組織でなければいけません。

このあたりは教育やマーケティングといった分野になると思います。

生態系を強固にする方法


より良い生態系にするには、以下の3つのポイントが重要です。

①コミュニケーションを促進する
②ヒエラルキーを作る
③流動性を確保する

①コミュニケーションの促進は、前途の通り参加者同士の連携を強めます。

②ヒエラルキーは、参加者同士の立場を明確にするので、関係性が構築しやすいというメリットがあります。「社長」「町内会長」など組織内の立場があるからこそ、参加者の関係性が生まれていきます。

③流動性は、組織を活性化させます。新規参入者を増やす、価値を生み出した人を評価・抜擢する、ルールを守れない人は排除するなど、新陳代謝を促さないと組織は廃れていきます。

生態系で最も重要なこと


生態系を作るうえで最も重要なことは、今よりも良い社会を創ろうとする人間の意志です。

生態系を作ることは容易ではありません。どれだけ努力しても、成果の兆しがまったく見えない日々が続きます。

だからこそ「何年かかっても絶対にこの生態系を成立させる」という強烈な意志が必要なのです。


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