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#2 ごちゃまぜアート展

先日、豊田で活躍されている色彩知育講師:華ちゃん先生(@fukushi_shikisaichiiku)が主催された「ごちゃまぜアート展」に行ってきました。

このごちゃまぜアート展、なにがごちゃまぜかわかりますか?
障害のあるなしも、プロアマも、子ども大人も、なんのカテゴリーにも縛られず、出展したい人の作品が飾られているアート展なんです!!

飾られてた作品の一部

午前中は、会場近くの中学校の特別支援学級の子たちやその先生方や生活支援センターのメンバーやそのスタッフの方々、地域から参加された大人の方が一緒にWSに参加されていました。
このWSもまさに、ごちゃまぜ!
どんな人とでも一緒にWSができるのが色彩知育のすごいところ‼︎

子どもも大人も、先生も生徒も、支援者も支援を受ける人も、そんな関係性はとっぱらってみんながフラットにワークに取り組む時間。

なんと全員で13人‼︎


今回のワークは、テーマからイメージしたものをぬり絵の台紙にクレヨンを使って自由に表現してみよう!というもの。

テーマは「お父さん」
使う色は「赤•青•黄色•白•黒」の5色のみ
そして、ぬり絵の台紙はこちら

日本こども色彩協会の公式キャラクター「かしこちゃん」

あなたならこの真っ白なかしこちゃんに、どんな色で、どんな風に「お父さん」を表現しますか?
もしお時間があれば、読み進める前に、少し立ち止まって考えてみてください。

「厳しい父親だったな」
「休みの日にはよく遊んでもらってたなー」
「いつもおいしそうにビールを飲んでたなー」
さまざまなお父さんとの記憶が蘇ってきたり、
「今の自分はこんなお父さんかな?」
「理想のお父さんってこんな感じだなー」
お父さんである自分やお父さん像について考えてみたり、
「お父さん」という言葉からもいろんな世界が広がりますよねー

制作中には、華ちゃん先生が1人1人に言葉がけ
「◯◯色で塗ってるんだねー」
「丁寧に塗ってるねー」
「この色はどうやって作ったの?」
「この色とこの色を混ぜて作ったんだね!」
「どうやって塗ったらこうなったの??」
「ティッシュ使って塗ったら、こんな風になるんだねー」

言葉がけされて、それに返事をしながらも手を止めずに描き続ける集中力の人もいれば、言葉がけに手を止めて、自分の内側を見つめながら丁寧に言葉を紡ぎだす人がいたり…

十人十色の「お父さん」
5色で描いたとは思えない!
白一色で丁寧に塗られた作品

制作後には、1人1人自分の作品を発表するのが色彩知育流!
その時間には、ごちゃまぜアート展に来場されていた一般の方も居合わせて、たくさんの人の前で発表することとなりましたが、緊張しながらも臆することなく自分の作品のことを話していた姿が印象的でした。

「父は今、たくさんの果物を育てているので、その果物の色を使って描きました」
「仕事の時はメガネをかけているので、メガネを描きました」
「父も色々我慢してたんだろうな、とそんな心の部分をここに表現しました」
「こんな父親でありたいな、というのを表現しました」

自分がどんなお父さんを想像し、それをどんな風に台紙に描いたのか、それを発表した後は会場から温かい拍手をもらい、発表した人は嬉しいやら恥ずかしいやらの表情、そこに居合わせた人は発表している方の心に触れ、自然と笑顔に。
心がほんわかする、なんとも温かい空間がそこにはありました。

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今回のワークのポイントは2つ。
1つ目は、テーマが同じであっても、それぞれが表現する前提になっているものは、その人それぞれであるということ。
その前提は過去の生活環境や経験、文化的背景などによって作り上げられてきているものなので、その人そのもの、つまり、違っていて当たり前なのです。

2つ目は、その「違っていて当たり前」をさらに「色」を使うことで、視覚的に表現することができること。
「色」を使って形にすることで、違いを「視覚的」に捉えることができます。感覚的ではなく、体感として違いと捉えることができます。

テーマを通して自分と向き合うだけでなく、みんなでやることで、楽しみながら自然と「みんなと違うことは当たり前」ということを感じられるワーク。
「そうなんだねー」とみんなに受け入れられて、心も温かになるワーク。
どんな感じなのか、ちょっと体験したくなりませんか?



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