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雨、蒸気、速度

東横線の端っこの席で暖房を足裏に受けながら、広告をぼんやり見ていたら一瞬ターナーが写った。

大学のゼミでプロジェクターにパッとターナーの絵が写った瞬間の気持ちを忘れない。雨、蒸気、速度というその絵は、大学のしょぼいプロジェクター越しでもなんというかもう、雨、蒸気、速度なのだった。そしてそれがどんな感覚なのか、全身がわかったのだった。

あれから2年が経って、なんやかんやあってめちゃくちゃになっている自分の前に、あの日みたいにパッとターナーが現れて消えた。思い出す。全身の細胞が雨、蒸気、速度を感じるのがわかる。あの絵は本当に雨、蒸気、速度そのものなのだ。

それを確かめに本物を見に行きたい。

あの広告にあった展示にはいろんな画家のがくるらしい。雨、蒸気、速度はくるんだろうか。調べても見つけられなかった。情報あったら教えて下さい。

サポートされた資金で卵を買って、燻製にします。