銃から昇る煙は両目を燻し、その痛みに俺は一瞬瞼を閉じた。再び目にした世界の中、白い煙は既に天に溶け、今俺の視界には赤しか見えない。未だ靴を濡らすその色は時間が経つにつれ黒く変化し、禿鷹共を呼ぶ目印となるだろう。当然俺にはそれを見届ける気などなく、横たわる死体を跨ぎまた歩き出した。