在日朝鮮人の法的地位について考える①

在日朝鮮人は、いまだ「解放」されていない。そのことは、在日朝鮮人の法的地位の問題が未解決であるところに如実に表れている。
確かに、2002年の平壌宣言や今までに行われた朝・日会談においても、在日朝鮮人の法的地位問題がクローズアップされた。そして、その解決に多くの期待を寄せている在日同胞たちは少なくない。
では、法的地位とは何のことなのか、そして、どのように解決されるべきなのか。この場を借りて、何回かに分けて、解説を試みたいと思う。
まずは、地位という言葉の意味について。
地位とは、人々が特定の社会または集団の中で置かれる立場、処遇、役割などをいう。 普通、社会または集団において行使することのできる権利や守らなければならない義務を 地位という言葉で表現することが多い。法的には権利、義務の主体であるのかどうか、という問題である。
社会と集団の中でもっとも包括的な政治組織である国家と個人間の権利義務関係を一般的に法的地位という。自国民の場合それは国籍で表わされる。したがって従来、国籍所有 者は当該国家の構成員としての資格または身分をもち、彼らには無条件人権が保障される という論理で説明されてきた。では、居住国においてその国の国籍を持たない人々、すな わち在日朝鮮人をはじめ外国人は、居住国との関係においてどのような権利義務関係におかれるのか。(つづく)

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