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Protect All Life〜Yes to Life!

「すべてのいのちを守るための月間」をみのりあるものに。


「すべてのいのちを守るための月間」が設置されました。教皇フランシスコの蒔かれた福音の種がゆたかなみのりをもたらすようにと、日本の教会が立ち上がったことに心から敬意を表します。この画期的な新事業に参加協力できることは、わたしたち信者にとって大きな喜びです。今年はコロナ禍で具体的な取り組みにまで至るのは困難だったかと思われますが、今後じっくり時間をかけて、たとえば10年後の2030年に成果があらわれていることを一つの目標に、年々育ちつづける手応えのある「月間」として継続発展していくことを期待します。そこで、東京教区宣教司牧方針策定のための課題の2「継続信仰養成の整備と充実」および9「教区全体の『愛の奉仕』の見直しと連携の強化」に関わるものとして、「すべてのいのちを守るための月間」をみのりあるものとしていくための提言をおこないたいと思います。

教皇フランシスコ来日のテーマが「Protect All Life〜すべてのいのちを守るため」に決まった経緯は存じ上げませんが、教皇様のいのちに対する意向が一貫したものであるのは言うまでもありません。来日の半年前の2019年5月、ローマで教皇庁「信徒・家庭・いのちの部署」が主催する会議が開かれました。周産期医療の現状に焦点があてられた学術的な国際会議でしたが、日本からは鹿児島教区・中野司教が参加されました。ホストである教皇様のカリスマが参加者に存分に伝わって、中野司教様も深く感動されたというその会議のタイトルは「Yes to Life!」というものでした。最先端の医療技術によって胎内の子どもは重い障がいがあっても産まれる前に治療することが可能になり、これまでなら妊娠中絶を考えざるをえなかった家族に希望をもたらす周産期医療の最新事例は、「人が皆、一人ひとり女性の胎内で告げられたいのちの素晴らしさとかけがえのなさを知って理解を深めることができるように」と願う教皇様の祈りに光をもたらします。「Yes to Life!」という明るい英語の響きは、教皇様ご自身の強い意志のあらわれです。

教皇様の中では「Protect All Life」と「Yes to Life!」は一つながりの対句として捉えられると思います。「どんな段階の、どんな状態に置かれたいのちであっても」、それに対して声高らかに「Yes to Life!」と答えが返ってくることが念頭にあるからこそ「Protect All Life」という呼びかけが大きな意味をもつのではないでしょうか。そこで、教皇様の真意に沿いつつ、わたしたちの「すべてのいのちを守るための月間」のタイトルは「Protect All Life 〜Yes to Life!」としたいと考えます。期間中は「すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り」が唱えられることになっていますが、それに加えて、ぜひ以下の「『Yes to Life!』の祈り」も日本語で唱えられるようになりたいと思います。国際会議の会期中に教皇様ご自身が唱えられたものです。

Yes to Life!」の祈り(教皇フランシスコの祈り)※私訳
主よ、いのちという素晴らしい贈り物に感謝します!
あなたにかたどり、あなたに似せて
あなたがわたしたちをお造りになったという事実は、
もう驚くばかりの神秘です。
人のいのちはどれもすべて美しいと悟ることができ、
言葉とおこないをもって、
もっとも厳しい試練の中にあるときでも
どんな段階の、どんな状態に置かれたいのちであっても
日々、声高らかに「Yes to Life!」
と宣言することができるよう、わたしたちを力づけてください。
人が皆、一人ひとり女性の胎内で告げられたいのちの素晴らしさと
かけがえのなさを知って理解を深めることができるように、
子どもが皆、わたしたちの手をとおして、やさしくいたわってくださる御父から愛され大切にされていると感じることができるように、
使い捨て文化の圧力からわたしたちをお守りください。
主よ、あなたとの幸せに満ち足りた一致のうちに、
苦しみは喜びに変わり、涙はことごとく拭われることを、
わたしたちが心の奥底から知ることができる望みをお与えください。
主イエスに感謝。

本年5月に司教協議会から示された月間設置にあたっての説明文はあくまで大枠に過ぎないことは承知しますが、そこに記された趣旨と目的および具体的な取り組みを見る限り「国連のSDGsに協力する」という以上の意図が汲み取れないように感じます。もちろん地域自治体やNPOと同じ目線でたんにエコロジー教育を教区で広めることが月間設置の目的ではないはずです。教皇様が与えてくださった「すべてのいのちを守るための月間」をとおして、その趣旨と目的にあるとおり「とくに若者たちとともに」信仰教育のめぐみが得られる機会ができることや、愛の奉仕の見直しと強化につながる場ができることが強く望まれます。また、今回のコロナ禍によって図らずももたらされたオンラインで人がもっとつながる可能性を、若者たちとともにこの月間の準備をとおして開拓していけることを期待します。

いま一度、教会の中で「すべてのいのち」の真理について考え黙想するところから取り組みを始めましょう。地球環境保護は人類全体の大きな課題ですが、アッシジの聖フランシスコが教えてくれるとおり、被造物へのいつくしみは、永遠のいのちへのまなざしを通してあらわれるものでなければなりません。年輩の信者には言わずもがなのそうした教会の真理が、長年教会から遠ざかっている若者たちにはちゃんと共有されていないおそれがあります。今ここでグレタ・トゥンベリさんを引き合いに出されても彼らは混乱するだけでしょう。教会の若者たちは、人のいのちに対するアプローチが世の中と教会では大きく異なることをあらためて学び直す必要があります。その発見は、彼らを教会に引き戻す「新しい福音宣教」の手がかりとなるでしょう。

持続可能な開発目標SDGsに決定的に欠けているのは、教会の教える人のいのちの尊厳です。たしかにSDGsはそのマニフェストで「誰一人取り残さない」とうたっています。教会の真理にも通じるような素晴らしいスローガンですが、しかし実際にはそこに「すべての女性が避妊と堕胎にアクセスできなければならない」とするWHOの思惑が見てとれることに無関心ではいられません。聖ヨハネ・パウロ2世が回勅「いのちの福音」の中で強い語調で警告された「いのちに対する陰謀」という巨悪が渦巻いている現実を見極める目をもたなければ、すべてのいのちを守るためのたたかいに加わることはできません。若者たちにはそこまでの自覚を促したいと思います。その意味で、この月間では「ラウダート・シ」とともに「いのちの福音」をよりよく学ぶ機会を、とくに若者たちに向けて提供できるようにしましょう。

現実にわたしたちは「いのちに対する陰謀」に直面しているのです。それには避妊、不妊手術、人工妊娠中絶を大々的に利用できるようにする具体的なキャンペーンを奨励し実行することに携わる、国際的な諸機関までが含まれます。マスメディアもこの陰謀にしばしば関係しているのは、否定できません。心からプロライフの立場をとる者を自由と進歩の敵として描く一方で、避妊、不妊手術、中絶、さらには安楽死さえも、進歩のしるし、自由の勝利として提示する文化を世論に信用させることによって、マスメディアがしばしばこの陰謀の片棒を担いでいるのは否定できません。
(「いのちの福音」17)

以上、具体的な企画内容にまで踏み込むものではありませんが、教皇フランシスコからの賜物である「すべてのいのちを守るための月間」が信者にとってみのりゆたかなものとなることを、端的にそれが「Yes to Life!」と「いのちの福音」によって補強されるものになることを、わたしたちからの提言とさせていただきます。いのちと自然環境をめぐる真理の学びをとおして、超自然への信仰が培われますように。

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2020年9月1日 
すべてのいのちを守る会

平塚幽香子、小野良子、中西共子、 南淑美、田中直人(松戸教会)
小宮山延子(麹町教会)
高橋由香里(町田教会)
池田正昭、池田美貴、池上千里(青梅教会)

平田國夫(名古屋教区・布池教会)
硲恵美子(大分教区・ 明野教会)




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