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「下剤飲んでみた」大腸内視鏡検査の肝「前処置(下剤)」を詳細なメモでお伝えします

「健康診断を受ける煩わしさ」よりも、「結果が返ってくる怖さ」が勝るようになったのはいつごろからだろう。去年「肝臓に影」で要精密となったときは、MRIで「まだら脂肪(脂肪肝)」と判明し様子見で済んだが、今年は「便潜血で要精密」。これまで二の足を踏んでいた「大腸内視鏡検査」が現実となった。

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「大腸内視鏡検査」つまり「大腸カメラ」である。お尻からカメラを入れて大腸の中を直接見る検査である。ほかの方法がないかとあがいてみたが、結論を言うと「便潜血で要精密」なら「大腸内視鏡検査」ほぼ一択である。早速クリニックを予約した私は、よどみなく説明を続ける看護師さんを前に「検査時に薬を使うかどうか」で悩んでいた。散々迷って結論を当日にした私に看護師さんはこう言った。「そんなことよりも…下剤を飲む方が大変ですよ…」。

胃のバリウム検査(胃透視検査)を初めて受けたときのことを思い出してほしい。私の周囲の人は「バリウムを飲んでげっぷを我慢する大変さ」ばかりを強調していた。誰も、その後に起こるハードな運動のこと(台の上をローリングさせられたり、台ごと逆さにつるし上げられたりするなど)は教えてくれなかった。

大腸内視鏡検査も同じである。すべてを終えた今、はっきり言おう。検査時は薬を使ったので、朦朧としているうちに済んでいて何も覚えていない。だから、検査時に薬を使おうと思っている人は特に「大腸内視鏡検査」にびびる必要はない。勝負はその前。その前なのだ。

前処置(下剤)の準備(前日~当日朝)

検査前日は消化の良い食べ物のみで過ごす。前夜からは絶食、錠剤の下剤を飲んで寝て、当日は午後の検査開始までに大腸に残っている便をすべて出してしまうのに費やす。ちなみに私は毎朝快腸・便秘とは無縁タイプなので、錠剤の下剤は少なくて済んだ(便秘、非便秘ともにこの後の流れは同じ)。

下剤は水を入れて溶かして自分で作る。「ポカリスエット」や「アクエリアス」の粉末を溶かして作るみたいなものだ。看護師さんから「ぬるいと飲みにくい」と言われていたので、朝ご飯を作るときに作って冷蔵庫で冷やしておいた。ちなみに朝ご飯は食べられない。食べられないのに家族のために作る苦しさ、「主婦の検査あるある」である。

前処置(下剤)開始

定められた時間(私の場合は2時間)でこれをすべてを飲み切らなくてはならない。2時間で2ℓ。すなわち10分でコップ1杯(約180ml)を飲めば、2時間で飲み終わる。いけそうな気がする。ここからは当日のメモを見ていこう。

10:00 飲み始める。スポーツドリンクかと思ったら、薄い塩水だった。甘いの?辛いの?味あるの?といった味。4口目からは口に入れると同時に味わわずに即飲み込む方法をマスター。味は気にならない。…のんびりしていたら「やばい、もう10分経つ!」という状態に。最初はペースを落とすよう指示があったので、180mlは飲まず。

10:10 まだ10分経過しただけなのに激マズで飲む気が失せてきた。最初の10分は1口を多めにしていたが、ここからは少量×3口を1セットにし、口に含む動作を減らす作戦に。げっぷがでそうな気持ち悪さ。水を飲んで口の中をリセットするとマシ。

10:20 コップに口をつけたまま5口連続で口に含む作戦に変更。一度コップから口を離すと、二度と口をつけたくなくなる…。

10:30 一気にごくごく飲んで休む作戦に。やけっぱちである。ここで便意を催したのでホッとする(便が出ないとそれはそれで問題なので)。

10:40 飲んだ総量が1ℓに近づいていることに気づき、少し元気になる。トイレに行く時間をとりながら11時を迎えようと思う。

11:00 最初の1時間を経過するも1ℓは飲めず。コップ1/2しか飲めていないのにあっという間に10分経ってしまう。

11:10 コップ1杯を気合いで飲み干す。だいぶきつい状態だが、便意が頻繁になり「ちゃんと効果出てる」と思うと嬉しい。ちなみに便意は自然なので、おなかが痛くなったりはしなかった。

11:20 コップについだまま、見つめている…。辛い。

11:30 コップにつぐ…。

メモはここで終わっていた。残りの30分はノロノロと飲んだ記憶がうっすらと…。最初からかなりつらそうだが、実感としては最初の1時間は順調に飲めた。その後30分は苦しく、残り30分は横たわったまま虚ろに天井を眺めていた。

結果的に2時間経過した12時の時点で、まだ500ml(予定の1/4)弱残っていた。病院に連絡すると看護師さんからは「13時までにできるだけ飲んで」と言われたが、この時点で、検査ができる便の状態になっていたため、無理はしなくてよいとの指示。無理はしなかった。ちなみに検査は15時からで、自宅から病院までの移動中に便意を催すといけないので、13時までで下剤はストップするようにとのことだった。

結果(前処置に臨むあなたへのメッセージ)

下剤を飲んだ量 約1500ml(予定の3/4)

トイレに駆け込んだ回数 15回

見つかったポリープ 2か所

実は、ポリープ除去のための2度目の大腸内視鏡を控えた段階で、この記事を書いている。振り返ったおかげで下剤の現実を再確認し、再び下剤を飲む覚悟が固まった…と思う。教訓としては「下剤を飲むときは、まめに水を飲んで口の中をリセットする」「ウォッシュレットは最初から使う」を読者の胸に刻みたい。

医師の言葉

最後に、検査をしてくれた医師の言葉を共有しよう。「大腸内視鏡検査をしないとポリープを見つけることはできない。良性のポリープは切除すればよい。しかし切除せずに放置するとガン化する可能性がある。大腸内視鏡検査をした人だけが助かる」。

下剤は確かに美味しくないが、お尻にカメラを入れる検査は思っているほど辛くない(薬使ってます)。いずれにしろ、病気になるより全然ましなのだ。「これはきっと痔だ」とか「生理に近かったから」とかいいわけせずに、検査をして本当に良かった。

※下剤は錠剤の場合もあるらしいし、美味しいものもあるらしい。胃カメラと大腸カメラを同じ日にできる病院もあるらしい。私は自宅で飲んだけど、病院で飲むケースも多いらしい。検査時に使った薬とは点滴に入れる鎮静薬。私が受けたのはおそらくごく普通の大腸内視鏡検査。

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