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【初心者向けミリタリー】ピストル/拳銃の歴史

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皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。

アニメやゲームなどで御馴染みの武器・アイテムなどにもつながるので、少なからず需要はあるのかな?とも思うのですが、なるべく初心者向けの記事にしたいので、難しい専門用語やクドイ説明はしないよう、また、ネットでググれば出てくるような情報の羅列にならないようにしたいと思います。

専門的な知識をお持ちの方が見たら「なんじゃこりゃ?」的な所もあるかも知れませんが、素人が書いている記事ですので、ご愛嬌とお許しください。

今日は、ピストル/拳銃について書いてみたいと思います。

過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。


1.ピストル/拳銃の概要

○ピストル/拳銃は、片手で扱える手のひらサイズの小さい銃全般を指す。小さいので持ち運びしやすく、護身用として用いられることが多い。ピストル/拳銃の他に、短銃たんじゅうやハンドガンなどとも呼ばれることもある。

○日本に火縄銃が伝来した頃から江戸時代まで、短筒、馬上筒とも呼ばれていた。幕末頃に西欧から新型のライフルが輸入された頃、短銃やピストルと呼ばれるようになり、拳銃に並ぶ一般的な呼び方にもなっている。

○小型で携帯しやすいため、各国警察官が装備していることが多いが、犯罪に使用される恐れもあるため、(国にもよるが)ライフル銃などに比べると所持規制が厳しい。米国では拳銃を護身用として自宅に保管するのは難しくない一方、携帯には特別な許可が必要な州もある。

○拳銃は専用の拳銃弾を使用する。ライフルに比べ銃身が短いため弾頭の初速が落ちる。このため必要なパワーを稼ぐには弾丸の直径が大きなものが使用されることが一般的。結果として、近距離では十分な威力があるが、射撃距離が延びるとパワーが一気に減衰する。

○野戦では、射程距離や命中率、威力などの面から、拳銃で小銃に対抗することはほぼ不可能。室内などの交戦距離が極めて短い距離での戦いでは取り回しがしやすい拳銃にも出番はあるが、小銃弾に比べると防弾チョッキの性能向上によって、最近では9mm口径の拳銃弾ではパワーが不十分とも言われている。

2.歴史

(1)火縄銃の時代

種子島に火縄銃が伝来した当時から日本に存在していたものの、基本的に火縄銃の構造をそのままサイズダウンして短縮したに過ぎなかったため、お世辞にも携帯性に優れた護身用の武器とは言えなかった。
取り扱い操作は火縄銃と全く同じ。片手で打てるように火薬を減らしてしまうと威力が低下し、実用的でもなかった。ただし、短くて取り回しはしやすいので、馬の上で撃つことができ、馬上筒と呼ばれたのも、通常のものより短くした火縄銃を持った騎兵が運用されたのが由来ともされている。(伊達政宗が大阪で騎馬鉄砲隊をつくったのは有名)

(2)ヨーロッパでは

火薬を用いた銃の性能が上がり始めると、従来の重厚な鉄製の鎧を着た重装騎兵が下火になった。(初期の銃でも鎧を簡単に貫通してしまったため)

銃の火薬への点火方法が火縄から火打石(フリントロック式)になってくると、短銃を懐に入れることができるようになり、護身用として用いられ始める。(映画、パイレーツ・オブ・カリビアンでジャック・スパローが持っていた短銃がこのタイプですね。)

銃身内にライフリングという溝が掘られる技術が発達すると、弾丸がより安定し、銃の命中精度が向上していきます。また、金属製のカートリッジ(薬莢やっきょう)と無煙火薬の技術が発達すると、銃本体の重さが従来の物より劇的に軽くなっていきます。

(3)第一次世界大戦

第一次世界大戦前に回転式の弾倉を本体に備えたリボルバーが登場し、短銃1丁で複数の弾丸を射撃することができるようになります。20世紀初頭には、自動拳銃が発明されたことで、拳銃はより連射性能が向上することに。

当時の歩兵が装備していた小銃/ライフルは1発撃つごとにハンドルを操作して次の弾丸を装填しなければならなかったので、連発で射撃することができなかったため、近距離では小銃に銃剣を装着した状態で接近戦を行っていました。このような場面では小銃より拳銃の方が圧倒的に有利だったようです。

第一次世界大戦では機関銃の登場によって戦場は塹壕戦(いわゆる膠着状態)に陥っていて、塹壕内の戦いでは拳銃は有効な武器だったとされますが、大戦後期には発射速度の速い短機関銃/サブマシンガンが開発され、拳銃より優れた武器が登場します。

(4)第二次世界大戦

それまで将校が護身用に使用してきた拳銃でしたが、第1次世界大戦でサブマシンガンが登場したことで能力不足が否めなくなり、短機関銃やカービン銃(歩兵用のライフルを短くコンパクトにしたもの)が用いられるようになります。第二次世界大戦末期には現代のアサルトライフルに近い突撃銃が登場したことで、拳銃は陳腐化がすすんでいきました。

(5)現代

現代の軍隊では、将校、スナイパー、機関銃手、車両操縦手、航空機乗員などの護身用として装備されるのが一般的で、歩兵はライフルのみというのが一般的です。

特殊部隊のように予算が潤沢にあり、訓練機会が多い兵士は突撃銃と拳銃を両方装備している場合もありますが、装備重量が増加することから、特殊部隊などでは任務の特性に応じて装備する火器を選択するのが一般的です。

近年、ボディーアーマーの性能が向上したことで、拳銃の弾丸では有効な打撃が与えられないことから、世界中で最も普及している9mmパラベラム弾から、より口径の大きな弾丸を使用しようとする動きが活発になっているようでもあります。

3.構造や機能

(1)リボルバー


通常、5~6発の弾丸を銃本体に装着された回転式の弾倉内に装填して使用する銃のことを言います。

全部の弾丸を射撃したあとは、この回転式の弾倉を開いて空になったカートリッジを取り出し、新しい弾丸を装填します。

スピードローダーと呼ばれる、5~6発の弾丸がクリップでひとまとまりになったものを使用することで、素早い弾丸装填が可能になりました。

(映画「天空の城ラピュタ」のラストシーンでムスカがエンフィールドと言う中折れ式のリボルバーを使用していた時、弾丸を1発づつ装填しているシーンがありました)

(2)セミオートマチック


銃の射撃時に出る反動の力などを利用してスライドの前後運動を用いて、次の弾丸を装填する自動給弾機能のある銃をセミオートマチックと呼びます。

弾丸は箱型のマガジン(弾倉)に装填されていて、シングルカラム方式(短列)で10発程度、ダブルカラムマガジン方式(千鳥式に弾丸がつまっているもの)で十数発~18発程度装填が可能とされます。

リボルバー拳銃に比較して全弾丸を打ち終わったあとの次弾装填がマガジンチェンジだけで完了できるため、リアクションタイムが短いという利点があります。

しかしながら、オートマチックは機械的な作動原理が複雑なため、射撃時に空カートリッジが排出しきれずに詰まるといったトラブルが発生することもあり、その点ではリボルバー拳銃の方が作動上の信頼性は高いと言えます。

4.最後に

日本は世界でも類を見ない銃規制が厳しい国です。日本国内で銃の所持が認められているのは、一部の公務員(警察官、皇居護衛官、海上保安官、税関職員、自衛官、他)と競技用、在日米軍基地の警備員などに限られます。

ちょっと昔のお話ですが、意外と知られていない『拳銃を所持していた職業』があったりします。

○郵便配達人が現金書留を狙った強盗や、山の中で狼に遭遇した時などの護身用として携帯。(1948年まで)

○日本航空の機内に北極圏に不時着した時にホッキョクグマに会った時の護身用として搭載していましたが、航空機の性能が向上して墜落の危険性が減ったため現在は廃止。


毎度のことながらですが、なにしろ素人が書いている記事ですので、諸所分かりにくいところもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

(拳銃の種類は多過ぎるため代表的なものの紹介は割愛しています)



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