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【初心者向けミリタリー】戦車の歴史あらかると/Panzer008【AMX-13軽戦車】


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皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。

この『歴代戦車あらかると』シリーズでは、世界各国の歴代戦車を”単品”で取り上げてみたいと思います。

今回はフランスの『AMX-13軽戦車』について書きたいと思います。

過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。

【AMX-13軽戦車】


1.概要

AMX-13は、第2次世界大戦後、フランスのイシー・レ・ムリノー兵器工廠(AMX)で開発された軽戦車です。

フランスで1951年に採用、翌年から配備開始。フランス以外でも世界各国の軍隊で採用され、一部は今も現役で活躍しているロング・ベストセラー戦闘車両です。

第二次世界大戦後、世界各地に植民地を有していたフランスは、各関係地域の治安維持のため、緊急展開可能な戦闘車両の装備化を目指していました。

軽量だけれど、最低限の火力&防護力&機動力がある戦闘車両は、フランスと言う国の軍・経・政の独特の仕組みに不可欠な装備とも言えました。

輸送機による迅速な空輸が可能な『軽戦車(又は空挺戦車)』を求めていたフランス。

車体は出来るだけ軽く、輸送機で運べるサイズと重量にする必要があったので、車体はおのずと小型化が要求されます。

AMX-13軽戦車では『乗員の身長が172cm以下であること』などの制限も設けられたほどでした。

2.構造・機能

(1)構造

軽量小型な戦闘車両と言う要求に基づき、ユニークなメカを導入しているのが特徴の本車。

乗員を減らすために砲に自動装てん装置が採用されています。

砲身の後方に設けられた『回転式弾倉』に砲弾があらかじめセットされた状態で、射撃のたびに次弾が自動で装填される仕組みを有しています。

簡単に言うなら、リボルバー拳銃を大きくしたようなモノですね。(簡単に言い過ぎですが(笑))

自動装てん装置は、砲弾を装填する『装填手』が不要になると言うメリットがありました。

ただし、回転式弾倉にセットされた砲弾を射撃し尽くすと、いったん安全な場所に移動して車外から新しい砲弾をセッティングしなければならないといった面倒もあります。(本車の場合は、車内で戦車長が即応用の弾倉を送り込めるといった仕組みも確かあったかなと記憶しています。)

また、余談になりますが、当時の技術水準において、榴弾の自動装てんは危険だとの判断から、砲弾は徹甲弾のみとされていたようです。

次に、最大の特徴として挙げられるのが、『揺動砲塔』(砲塔が上下に分割され、主砲を固定した上部砲塔がシーソーの原理で動くことで砲身の角度をとる仕組み)の採用です。

主砲の口径を大きくする一方において、付随して大型化する傾向にある主砲まわりのメカを軽量小型化できるというメリットがありました。

(2)火力

主砲は、第2次世界大戦中に旧ドイツ軍の主力戦車として採用されていた5号戦車(通称パンター)に搭載されていた75mm砲を参考にして開発されたものを搭載しています。

デビュー後、世界各国で採用されたものの中では、90mmや105mm砲へと更に大口径化した主砲を搭載しているものも存在しています。

(3)装甲

革新的な『揺動砲塔』を採用した本車でしたが、そこにはもちろんデメリットもあり、防御面での脆弱性が泣き所だったとされています。

過去の統計から、戦車対戦車の戦闘では、砲塔に砲弾が命中することが多いとされています。揺動砲塔は、機構上、どうしても砲塔そのものの装甲厚を強くできませんでした。

余談になりますが、揺動砲塔は砲塔を密閉化することが難しいため、外部の汚染された水や空気が戦闘室内に流入するといった難点も抱えています。(砂漠ではこれが原因で作動不良を起こした車両も多かったとか。)

詳しい装甲厚などのスペックは割愛しますが、運用上の特性から小火器程度には耐えられるくらいでしょうか。

(4)機動力

足回りはオーソドックスなトーションバー方式を採用、エンジンはV8型水冷ガソリンエンジン(250馬力)です。

自重が15tくらいですので、軽戦車の名に恥じない高い機動力を有しており、整地では時速60km/h、行動距離は不整地でも400kmは走れるスペックを有してます。

緊急展開用の装備なので、車体そのもののスペックうんぬんよりも、『航空機に搭載して高速で緊急展開ができること』の方が大きな要素でもあるので、このあたりは普通の主力戦車と比較してもどうかなとは思います。

3.過去の運用例

本車は、軽量・小型の車体に高性能で強力な戦車砲を搭載した、『使い勝手の良い軽戦車』でしたので、世界各国の陸軍に採用されています。

イスラエルでは第2次中東戦争までに約150両を購入し、軽戦車大隊や空挺旅団に配備され、実戦に投入されています。

大口径の火力は歓迎されたものの、先述した防護力の脆弱性や、機械的な故障等の問題から、米国製のシャーマン戦車に比較すると信頼性に難があったとされます。

最後に…

AMX13は、フランス軍では1970年代末からERC90、AMX10RCの2種類の装輪式戦闘偵察車に更新されて退役していますが、今も一部は世界各国陸軍で現役で使用されています。

毎度のことながらですが、なにしろ素人が書いている記事です。諸所分かりにくいところもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。





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