【初心者向けミリタリー】ハンドグレネード/手りゅう弾
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皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。
アニメやゲームなどで御馴染みの武器・アイテムなどにもつながるので、少なからず需要はあるのかな?とも思うのですが、なるべく初心者向けの記事にしたいので、難しい専門用語やクドイ説明はしないよう、また、ネットでググれば出てくるような情報の羅列にならないようにしたいと思います。
専門的な知識をお持ちの方が見たら「なんじゃこりゃ?」的な所もあるかも知れませんが、素人が書いている記事ですので、ご愛嬌とお許しください。
今日は、歩兵の基本装備のひとつ、『手りゅう弾』について書いてみたいと思います。今年最後のミリタリー記事が、やや地味なネタになっちゃった感もありますが(笑)良かったらお付き合いください。
過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。
1.ハンドグレネード/手りゅう弾の概要
小銃は遠くにいる敵兵に有効な打撃を与えることができますが、建物の中や塹壕などに隠れている敵兵には直接ダメージを与えられません。そんな時に絶大な効果が得られるのが手りゅう弾です。相手に直接命中させなくても、潜んでいる場所の近くに投げ込んで破裂させるだけで大きなダメージを与えることができるからです。
【概要】
○手榴弾は、小銃に並ぶ歩兵用の基本的な武器の一つで、主に手で投げて使う小型の爆弾の総称。様々な用途や構造・機能のものがあり、手投げ弾、擲弾、投擲弾とも言う。
○手りゅう弾を手で投げるよりも、遠くに飛ばすための装置として、擲弾筒と言うものがあり、近年では擲弾発射機/グレネードランチャーとも呼ばれ、擲弾発射機は普通の手りゅう弾とは異なる専用の弾薬を使用する。一般的には突撃銃にアタッチメントで装着するものが多い。(グレネードランチャーは後日、別記事にまとめます)
2.歴史
○”グレネード”の語源は、古いフランス語がルーツとされています。手投げ弾の構造が種がたくさん詰まった果物の”ザクロ”に似ていたからだと思われます。
○8世紀頃、東ローマ帝国で『ギリシア火』というものが使われたとの文献があるようですが、詳細は不明な点が多く、よくわかっていません。一種の焼夷弾の一種だったようです。
○13世紀頃、古代中国で火薬を用いた武器が使用され、元寇では『てつはう/てつほう』と言う武器が使われたとされます。
○15世紀頃、日本の応仁の乱でも火薬を用いた武器が使用されたと言われていますが、日本では火薬の原材料となる硝石が希少資源で、火薬の精製が困難だったことから、本格的な使用には至らなかったようです。
○近代で欧州式手りゅう弾が使われ出したのはフランス王朝(ルイ14世あたり)が最初と言われており、当時の投擲弾は鉄でできた殻の中に黒色火薬を詰め込み、導火線で火をつけた状態で敵に投げ込んでいたそうです。
(一般的な『ばくだん』のイメージとしてイラストに用いられるのは、この丸くて黒いやつに発火した導火線がくっついているものが多いと思います)
○当時の爆弾は不安定で取り扱いがとても難しかったので、誤爆事故も多く、使用には専門的な知識や技術が不可欠でした。よって、一部の限られた技術を持ったエリート兵にだけに爆弾の使用が認められていたそうです。
○投擲弾の扱いを認められた兵士は光栄な立場だったことから、近代の陸軍にもその伝統や血統が一部継承されており、精鋭な兵士や部隊の紋章として導火線のついた丸い爆弾のデザインが使われていたりもします。
3.構造や機能
○形状:近代的な手りゅう弾のほとんどは卵型の楕円形のものが多い。第一次~第二次世界大戦当時は、投げる時に飛距離が出せるので、木製の柄がついたタイプのものが使用されたこともありますが、重い・かさばる・じゃまになる、持って行ける量が減る、といったデメリットもあって、次第に姿を消していきました。戦後は中国で一部生産が続いていたようです。
○構造:鉄製の弾殻の中に炸薬が詰まっていて、このままでは少々の衝撃などでは爆発しません。工場から運搬される時の安全性を考慮した造りになっているものが殆どです。戦場で使用する前に、信管や撃発装置、伝爆薬などが詰まった細い筒状のパーツを手りゅう弾本体にねじ込んで完成弾となり、使用時は安全ピンを抜いて安全レバーを解放すると撃鉄がばねの力で撃針を叩き、数秒後に伝爆薬から主火薬に発火して爆発するといったシーケンスになっています。小さなものの中に造りはシンプルですが、安全上の機能として複雑な仕組みが取り入れられています。
余談になりますが、第二次大戦末期は金属資源の枯渇から、日本では陶器を破片部に用いた手りゅう弾がつくられました。ドイツではコンクリートを弾殻としたものがつくられてもいます。世界各国で似たような試みはあったようです。
○種類:手りゅう弾にはいくつかの種類・分類があり、一般的なものは「破片手りゅう弾」で、火薬が爆発すると周りの鉄の部分が細かく割けて弾け、その破片が飛び散って対人殺傷効果が発生するものです。破片を生じない、爆薬の衝撃波のみで敵にダメージを与える手りゅう弾もあります。他にも、煙幕を発生させて敵に撃たれないようにするためのスモークグレネード、一瞬の大きな光と音で敵を一時的にマヒさせるスタングレネードなど、状況に応じて使い分けることができます。
4.使用方法
手りゅう弾は持ち運びが簡単で、多くの兵士はベルトなどにレバー部分をひっかけたりして持ち運ぶ者が多い。
ただし、誤爆事故などを防ぐため、通常は専用のポーチなどに入れて持ち運ぶことが多く、安全ピンが木や枝に引っ掛かって抜けないようにと、ビニールテープでしっかり固着する兵士も少なくないそうです。(使用直前にテープは切る)
生産国にもよりますが、米国製のもので、作動から約数秒後に爆発するようになっていて、安全ピンを外してから爆発するまでの時間は調整ができます。敵陣地内に投げ込んだ時、投げ返される恐れもあるので、そのような対応が難しいのが数秒と言う時間だったそうです。
塹壕戦では、手りゅう弾の投げ合いになるので、昔の塹壕内は塹壕の底にグレネードポケットと言う小さな穴を掘っておいて、そこに投げ込まれた手りゅう弾が転がり落ちるような構造になっていたそうです。
手りゅう弾を投げ込まれて、それを敵方に投げ返した実例は、実は少なくありません。全ての戦例をここで書くのはしませんが、米軍兵士で右腕を失った兵士や、戦4した兵士(彼のおかげで味方が多数生き残れた)、英軍では奇跡的に大事に至らなかった兵士もいたそうです。
5.最後に
手りゅう弾は、歩兵専用武器の中では欠かせない重要なアイテムではあるのですが、今年最後のミリタリー記事が、なんだか地味なネタになっちゃったかも知れない(汗)
手りゅう弾と言えば、ドクタースランプ・アラレちゃんで良くポイポイ投げまくっていた印象があったり、ルパン三世カリオストロの城で峰不二子がクラリスの部屋の窓を壊そうとして口で安全ピンを抜くシーンに妙に興奮した記憶があったりもしますが(笑)
トレンチコートと言う洋服がありますが、トレンチとは軍事用語で「塹壕」を意味します。もとは軍服だったんですね。
トレンチコートには”D環”と言うアルファベットの”D”の形をした金属製のリングが所々に付いてるものがありますが、それは、もともとは手りゅう弾のフックなどを引っかけるためのものだったそうです。
ただのデザインじゃなく、実用的な機能の名残りだったんですね。
今回は、歩兵用の基本的な武器のひとつ、手りゅう弾にまつわる話を書かせて頂きましたが、近年ポピュラーになりつつある「グレネードランチャー」については、後日改めて記事にまとめさせて頂きます。
毎度のことながらですが、なにしろ素人が書いている記事ですので、諸所分かりにくいところもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
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