【初心者向けミリタリー】拳銃の歴史あらかると/『ワルサーP38』
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皆さんおはようございます。
毎週木曜日、初心者向けミリタリー記事を投稿している、かけうどんです。
このシリーズでは、世界各国の歴代の名銃を単品で取り上げてみたいと思います。
今回は、大人気アニメ『ルパン三世』の愛銃としても有名な、『ワルサーP38』について書こうと思います。
『ワルサーP38』
1.概要
ワルサーP38は、1938年にドイツ国防軍に正式採用された自動拳銃で、(後述する)ルガーP08とともに、第二次世界大戦でドイツ軍で使用され、最終的に120万丁もつくられました。
第二次世界大戦後、ドイツから周辺各国(ドイツ本国に進駐した米を含む。)に広く流通し、世界各国の軍・警察で使用され、一部は1990年代まで使われた、名実ともに大ベストセラー自動拳銃です。
世界中で最も使用されている拳銃弾である9mmx19mm、通称9ミリパラベラム弾が世界中に流通された背景には、この銃の存在があったとも言われています。
2.9mmパラベラム弾誕生秘話
弾頭直径9mm、カートリッジの長さが19mmのこの弾丸は、拳銃用、サブマシンガン用として、第二次世界大戦後、世界で最も使用されている弾薬です。そもそも、この弾は、1908年にドイツ軍が正式採用したルガーP08と言う拳銃用に開発された弾丸でした。
反動が比較的少ないのに弾道が安定しているので、コントロールがしやすいことから命中率が高く、小口径の火器用弾薬としては非常にバランスが良く完成度の高い弾丸でした。
サイズがコンパクトで少ない原料で大量生産が可能という、大量消費が前提である弾薬の要件を、高い性能とともに満たしていたとも言えます。
パラベラムの語源は、ラテン語のことわざ「平和を望むなら戦いに備えよ」の中から引用した、「戦いに備えよ」に由来しています。
3.最後に…
★コルト・ガバメント🇺🇸
★ブローニングハイパワー🇧🇪
★SIG-SAUER-P210🇨🇭
★トカレフ/ソ連
開発時期は前後するものの、列強各国は数々の名銃を残していますが、ワルサーP38は、発表当時、世界最高のオートマチックピストルと言っても過言ではなかったのではないか?と個人的に思います。
自動拳銃黎明期において、ルガーP08と言う名銃が誕生していなければ、現在世界中で最も使われている9mmパラベラム弾も生まれなかった可能性は否定できず、つまるところワルサーP38の誕生にも繋がらなかった可能性は否定できません。
物事には背景や経緯が必ずあります。
これら一連のストーリーは、銃器開発の歴史の中にある必然性の上に成り立っているのかも知れません。
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