3時間の電車旅を経て、釧路駅に降り立った。乗り換え時間は40分で帯広に向かう。駅を降りると懐かしさが込み上げてきた。バックパッカーと出会い乗った花咲線、宿の人と炉端で飲みたくさん奢ってもらったこと、無料のタワーから見た景色、現金がなくて困ったこと、幣舞橋から見た夕暮れ、頑張って入った店で出てきたおじいちゃんが作ってくれた天丼。

ところが社会人になった僕は、ずっと予定を考えては修正する「旅行」をしていた。一昨年の夏休み初めての国内一人旅の僕はとりあえず航空券を買って釧路に降り立ち、地元に人に色々聞いて旅をしていた。一見何もなくても聞けば面白いことなんていくらでもある。

期間が決まっている旅は旅ではないかもしれない。社会人になった今、休みの日は自分で調節できるものではない。これに気がついてしまった今、過去を取り戻そうとしてももうできないかも知れない。その葛藤すら数年後には無くなっているかもしれない。

もっとランダムに、心が思うままに、行動したい。