日本に戻ってきた

6月に就活を終え、ワクチンを打ち、バルセロナに着いたのが8月であった。そこから約7か月弱、日本に帰ってきた。帰国から一週間ほど経った今、より客観的にこの旅を総括できると考え、今書いている。この旅を総括すると、学生時代の最後にふさわしい旅であったと思う。初めてのヨーロッパでたくさんの場所を訪れ、新たな出会いもあり、本当に満足している。自分自身がどう変わることができたかは分からないが、日本にいる時よりもポジティブになれている気がする。就活で自己分析ができたことでその分析を改めて実感することができた良い機会であると思う。

その上で感じたことは、日本は住みやすいということだ。そしてそんな国から海外に来て、仕事をしているわけでもないのに世界の様々な場所を見たり、住んでみたり、人と話して違う価値観を知ることができたのは非常に恵まれている。今回の場合はヨーロッパの古い街並みをいくつも見ることができた。新しい街に行くたびに、もう飽きた、と思うが、ただ日本に帰ってくると、また海外に行きたくなるのが旅人の嵯峨である。自分は海外も好きだ。

以外と色んなものをなくした。今まで自分は物をなくすことは少なく、今回も最小限の荷物で旅をしていたにも関わらず、Kindleや充電コード、Airpodsと言った旅において最も大事な電子機器をなくしてしまった。これをなくした時に共通するのは、どちらもかなり疲れている時になくしたということだ。バルセロナからの長距離列車での忘れ物、たった1泊で移動したコルドバの宿、2回目の乗り継ぎをしたイスタンブールの空港など、である。普段であればちゃんとあるか確認するものの、この時だけは意識が緩んでしまっていた。今後より気をつけなければいけない。

ムルシアで現地人の奥さんと暮らしているたかしさんは日本人の良さにこの歳になった気が付いたと言っていた。思ったことを全て口に出さなくても伝わる「以心伝心」は素晴らしい。(2022年3月)