がん保険が本当に必要なのかを真剣に考えてみる 〜保険を科学するvol.②〜
家計のミライFP事務所
代表の谷口です。
皆さん「がん保険」って加入していますか?
保険好きな日本人が、保険の中でも圧倒的に“好き”な保険の一つが恐らく「がん保険」でしょう。
”がんビジネス”はとっても儲かるビジネスなので、医療業界でも利権が多く絡んでおり、保険業界でもアメリカの圧力により1970年代に日本は市場開放をしたという歴史があるように、『がん保険はとっても儲かる』保険なのです。
でも果たして本当に必要なのでしょうか?
一般の方には分かりにくい「がん保険」を解体して、その必要性を書いていきたいと思います。
今日参考にする「がん保険」は、アフラックです。がん保険と言えばみたいな所はありますよね。
こちらの「生きるためのがん保険 Days1」を使います
シミュレーションがあったので、こちらをもとに加入する価値があるのか?を”期待値”として算出してみます。
契約条件は、
年齢:30歳
性別:男性
払込:60歳まで
保障期間:終身
と、しました。
さて、まずは払込の総額を計算します。
月額5,574円×12ヶ月×30年(60歳まで)
=2,006,640円
約200万円を支払い、がんになった場合の保障を一生涯に渡って買うことができる、そんな保険です。
次に一生涯でどれくらいの確率で「がん」になるか?という罹患率を見てみましょう。
国立がん研究センターより
こちらをみると、30歳男性が一生涯でがんになる確率は約63%です。
保障内容をみると、
一時金:50万円(悪性新生物)、5万円(上皮内)
とあります。
仮に100人がこの「がん保険」に加入したとすると、一時金(計算が難しいため、50万円と5万円は半々と仮定し、一人当たり22.5万円とします)を受け取る人は63人。
一生涯で保険会社が支払う保険金を計算をしてみると、
63人×22.5万円=1,417.5万円
となります。
次に入院した場合に受け取る保険金を算出してみます。
聖路加国際病院というところががんの参考入院日数をウェブに掲載していたのでこちらを参考にすると、大体2週間という感じです(参考にしたい方はこちら→http://hospital.luke.ac.jp/guide/cancer/schedule.html)。
保険会社が支払ってくれる保険金は、
入院給付金:1万円
です。
2週間ということは、14万円。
先ほどの63人で計算すると
14万円×63人=882万円
ということですね。
だんだん計算がきつくなってきました・・・笑
ということで、保険金が大きい「手術給付金」「放射線給付金」「抗がん剤・ホルモン剤治療給付金」をまとめて計算して締めたいと思います。
手術給付金:10万円
10万円×63人=630万円
放射線給付金:20万円
20万円×63人=1,260万円
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金:20万円
20万円×63人=1,260万円
こんな感じで計算をしてみました。
一生涯でがんになる確率が100人中63人いて、その方達が上記全ての保障の保険金を貰うという、保険会社に有利な計算を作ってみたつもりです。
それでは”期待値”を算出してみましょう。
一時金総額:1,417.5万円
入院給付金:882万円
手術給付金:630万円
放射線給付金:1,260万円
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金:1,260万円
保険会社が支払う保険金総額:5,449.5万円
契約者100人が60歳までに払込む保険料総額:2億66万4千円!
期待値=約27.2%
一人当たり金額に直した期待値=約55万円!
ということで、約200万円支払って、還元される平均金額は55万円となりました。
もちろん通院給付金などもあるのでもう少し上昇すると思いますが、後どれだけ通院やらなにやらしたら元が取れるのでしょうか?
上記計算をもとにすると、
一生涯で3回以上がんになって手術やら入院やらしなかったら加入する価値はない
のではと思います。
もちろんそうなる人もいると思いますが、そこまでの心配がなければ必要ないのではないでしょうか?
仮にがんになっても、健康保険に守られることも多く、実負担額で見れば100万円を目安に考えておけば良いかと思います。
それをわざわざ保険で用意するのではなく、資産として残しておけば、200万円も支払う必要はありません。普通に損する計算ですよね。
以前もメルマガで書いたように「顧客が損をするほど儲かる!?恐ろしい生命保険のカラクリ」→(https://note.com/kakeinomirai/n/n3563082fb114)
保険は普通に考えたら”損”をするようになっています。
どう考えるかは人それぞれですが、何かの参考になれば嬉しいです。
ありがとうございました。
今日も最後までお読み頂きありがとうございました!また皆さんのお役に立つ記事を書き続けられるよう心掛けます!