イチオシきらら 供養
お疲れ様です。かけです。
まんがタイムきらら独立創刊20周年おめでとうございます。
20周年企画に「わたしのイチオシきらら」という企画が開催されました。
https://www.dokidokivisual.com/20thcampaign/
美少女争奪戦で優勝して気持ちよくなっていたためさらに気持ちよくなるために私は筆を執ったのでした。
結構自信があったのですが残念ながら選ばれず。まあ大賞の文章は間違いなく選ばれるに値する文章でしたし、大賞の人が使った作品と同じ「こみっくがーるず」の感想文なので被りは企画としてもあんまりよくないのでしゃーない。個人的にはGAの感想文があったのがとても嬉しかったです。
構築の細かい狙いとか表現の説明は後でやるのでとりあえず投稿文を供養。
本文
かおす先生(学名:$${\textit{Moeta Kaoruko }}$$)の観察を通した生態とこみっくがーるず本編における成長の基礎的研究
1.序論
世界で一番弱い生き物とはなんだろうか。腸内微生物の働きが間に合わず満腹状態でも餓死するミユビナマケモノ?海水を飲みに行く習性があるのに泳げないために溺死するアオバト?陸にも海にも天敵だらけのカピバラ?これら弱者オールスターを退けてなお世界で最も弱いとされる生き物、それは萌田薫子だと筆者は考えている。『こみっくがーるず』とは世界で一番弱い生き物が悩み成長して前に進んでいくお話である。
本研究では萌田薫子の生態及び彼女が作中でどのように成長してきたかを彼女の周辺の人物にも目を向けながら解明する。
2.同期との関係性
萌田薫子を語る上で欠かせないファクターとして文芳女子漫画家寮の同期及び同年代女子の存在が挙げられる。本著ではこの中で特に影響を大きく与えた恋塚小夢について述べる。こみっくがーるず本編一巻において、絵が下手,話がつまらない,キャラが萌えないなどと漫画家としておよそ最底辺の評価を受けて入寮した薫子に対して小夢は基本的な画力はある程度整ったうえで入寮したという差異がみられる。この差異は薫子の自己肯定感を少しずつ蝕み、小夢だけ漫画が好調で薫子はいつも気を使ってばかりという構図が出来上がってしまう。そこから無二の親友になるまでの歩みは目が離せないポイントであり、本作の醍醐味だといえるだろう。
3.大人との関係性
薫子の成長に注目した場合、編沢さんの影響も多大であり無視できない要素である。本編中における編沢さんの立ち位置は薫子の担当編集として道を示しながらオリジナル連載の達成まで共に歩んでいくというものとされているが、薫子の弱さと強さを引き立たせる存在としての側面も持っている。特に5巻冒頭のショートエピソードで描かれていた10年前の漫研の話では最初の持ち込みでダメ出しをされて心が折れた編沢さんとダメ出しを真摯に受け止める薫子の対比が描かれていた。また、8巻の後半ではオリジナルの連載に関して編沢さんと薫子両方の立場から物語が展開されており、この話は薫子が“弱く非力な存在”から“自らの意思を示すことができる強さをもつ存在”へと成長した証だといえる。
4.考察
萌田薫子は本編中では非常に弱い存在として扱われており、前述のように同期や編沢さんなどの周囲の人間の影響を受けて成長していく過程が描かれている。この成長過程において薫子の弱さは失われてしまったのだろうか?答えは否である。くりすと美姫が喧嘩した時にくりすに寄り添うことができたのは薫子が寮の誰よりも弱い存在であり、自らの弱さを受け止めてくりすの弱さに寄り添える強い存在でもあるからだと考えられる。したがって萌田薫子を表す言葉として“弱い存在”と“強い存在”どちらも適切であり不適切であると筆者は考えている。以上より、こみっくがーるずにおける萌田薫子を指し示す言葉として最も適切なのは“弱いけど強い存在”であると結論付けられる。
5.結語
世界で一番強い生き物とはなんだろうか。百獣の王と呼ばれ牙と爪で他を圧倒するライオン?決して破られない硬い皮膚を持ち自分より大きな生き物に果敢に立ち向かうラーテル?高い知能と身体能力を併せ持ち天敵が存在しないシャチ?これらには遠く及ばないほど貧弱でありながら世界で最も強い生き物、それは萌田薫子だと筆者は考えている。『こみっくがーるず』とは世界で一番強く、勇敢で愛らしくそして弱い生き物が悩み成長して前に進んでいくお話である。
筆者が最も愛したこの作品は何度読んでも新たな発見があり、感情を揺さぶられるシーンも多い。その全てを説明するにはこの誌面では到底足りないため、さらなる魅力の探求が今後の課題である。
構成の狙い
ここから先は自己満足なので読まなくても問題ないです。別にここより上も自己満足なので読まなくてもいいですが。
感想文にこみがを使用した理由なのですが、筆者がはんざわかおりキッズでこみっくがーるずがめちゃくちゃ好きだから以外にもいくつか理由があります。
常識的に考えたら2023年夏~秋時点での感想文募集はぼっちざろっくと星屑テレパスが多くなるんじゃないかというのは想像に難くないでしょう。運営側も完結済みや短編含む全ての作品で応募可能にしている以上ぼざろだらけというのは避けたい展開のはずなので、誌面掲載を狙うならば『王道や超人気作品をちょい外ししつつ知名度があり、長い感想文が無理なく書けるレベルの作品』を選ぶべきだと筆者は考えました。
長期連載が完結して最も日が浅いのがこみっくがーるずであり(筆者の観測範囲)、作者のはんざわかおり先生が新連載「アイドルビーバック」を始めて勢いがあるため、この企画ではこみがの感想文で勝負するのが一番勝率が高いかなと考えました。
文章構成について
大前提として筆者は”感想文”を書くのが非常に苦手です。大学の講義の後にある「今日の講義の感想を書きなさい」みたいな出席確認の紙すら結構困りながら書いています。
このような人間が普通の感想文を頑張って書いたところで企画にわざわざ感想文を送ってくるような語彙豊かな人間たちに勝てるのでしょうか?
まあ難しいでしょう。
したがって、感想文を感想文”らしくないもの”に偽装して出すという飛び道具を用いてこの企画で他のオタクと戦うことにしました。
この世で感想文から最もかけ離れたものって何だと思いますか?
そうだね、論文だね。
ということで今回は「こみがの特定のキャラにスポットして研究した結果を示す論文を示す」という方向性で行くことにしました。
近年、ぼっちざろっくの大流行でぼっちちゃんが人間ではないという扱いを受けている(メンダコぼっちなど)場面をよく見ます。こみっくがーるずもかおす先生というクッソ貧弱な少女がいるため、ある程度流行に乗れているのではないかという判断でかおす先生を観察した場合に本編の時間の流れでどのような変化が起きているかを述べることにしました。
最初に、「かおす先生は弱いけど強い」という点を押していくことを軸として最初にどれだけ弱いかを説明→成長するに至る要素を説明→強い子という流れを建てました。近年Twitterでオールマイティラボが流行していたため、弱さの表現としてオールマイティラボの表現を流用しました。
最初の文章を書いているうちに同じような文章をリフレインとして最後に書いたら面白いんじゃないかという考えに至り、大まかな構成が決まりました。
2,3,4はまあ書いた通りです。かおす先生の成長には同室の小夢と編集の編沢さんの影響が大きいですよ~って内容です。この子最後まで貧弱だったのに美姫やくりすが傷ついたときにちゃんと寄り添える強い子なんですよね。
本当に小ネタなんですが、5.結語の最後にある「筆者が最も愛したこの作品は何度読んでも新たな発見があり、感情を揺さぶられるシーンも多い」という文章は芳文社のESの設問から引っ張ってきています。
こんなの誰もわからないと思いますけどね。受賞したらドヤ顔で書くつもりでした。
反省点
論文形式で書いて主観をあまりに排除しすぎていたと感じました。
要するに「熱い感想文を書く」という趣旨と外れていたということですね。論文形式はレビューや説明という場合に優れてはいますがやはり感想文というフォーマットで勝負するには難しいのかなという印象を受けました。
まあそれ以上に大賞の文章はヤバすぎるのですが。これが美少女争奪戦で筆者の文章を見た人の感覚なのか…
それはそれとしてイチオシきららの企画は非常に楽しかったので定期的にやってほしいですね。
芳文社ときらら作家と全てのオタクに感謝いたします。
こみっくがーるずとスローループとGAの感想がとても好きです。
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