ハタチの芸術

2019年の秋から始まった、
NHKの朝の連続テレビ小説(通称朝ドラ)「スカーレット」を毎朝楽しく視聴しています。
信楽焼で初の女性陶芸家となったヒロインの波瀾万丈の半生を描いているのですが、土をこねて、形を作って焼き上げる一連の過程を興味深く眺めています。

私は絵(2次元)は描くのですが、立体工作(3次元)となるとからっきしで、
小学校の時、工作の授業で割り箸や竹ひご、バルサなどを材料に立体工作をする事になった時など、何を使って何を作ればいいのかさっぱり解らず、割り箸数膳を並べてボンドで貼り付け、

「木の橋です」
と言って先生に見せたら、

「これかぁ・・・」
と、とてもガッカリされたと言う黒歴史があります(笑)
ついでに言えば、だじゃれでも何でもありませんから(笑)

絵と言う平面の世界に、高さと言う広がりが出来た時点でアウトw
加とさんに「ちーちゃんは絵は得意なのに、工作になると別人の様にダメだねえ」と呆れられるくらい、不得意な分野です。

お茶の水のデザイン学校に通っていた頃、
新宿の中央公園に置く、水をテーマにしたオブジェのデザインという課題がありました。
私は最初の図案作りで、
シリコンの様な弾力のある素材で作った酔っ払いのオジサン(ネクタイを緩め、鞄を小脇にかかえ、もう片方の手に寿司屋の包み、アクリルか何かの硬い素材で作った電柱に寄りかかり、うなだれたオジサンの口から水がジャージャー流れ落ちるという、見る人に不快感がわき上がる事間違いなしの、ふざけたイラストを描きました(笑)
※もちろん、その図案は先生には見せられずに終わりましたw

さあ困った。
真面目に作らないと。どうしよう。

とりあえず、作らねば。
私は池袋西武の画材売り場で石膏2袋と油土(彫刻や模型の型取りに使う粘土の一種です)1個、型取り用具など買い込みました。

まずは、油土をこねて形づくり。
酔っ払いオジサンの絵を破棄して(ワタシ的にはこっちが作りたかったけど、立体不得意だし使う素材がワカランので泣く泣く却下w)一応タワーの様な絵を描き、それを基に油土をこねて形を作って行きます。

石膏を水で溶き、油土で作った模型に石膏を塗り塗り。底は残す。
分厚い白い塊が出来たら、石膏が完全に固まるまで放置。

石膏が固まったら、底面から油土を残らずかき出して、中をきれいにし、石鹸液を流し込んで中を濡らしておく。(こうすると、石膏を流し込んで型から取り出す時に型がはがれやすい)

水でゆるく溶いた石膏液を底面の穴から流し込み、完全に固まるまで放置。

完全に固まったら、ノミとハンマーでコツコツと型を割っていく。
すると、中から、油土で作った模型と同じ形の石膏オブジェが出てくるのですよ。ええ。

出てきたのは、
変な四角い「塔」でした。
なんちゅうか、オブジェと言うか、
慰霊碑みたいな、
記念碑みたいな、
とにかく、今ひとつ訳わかんねー「塔」が出来たのです。

講師の先生に見せたところ、
「えええええ・・・」と言ったきり、絶句したのを覚えています。

ああ。箸で作った木の橋を見た小学校の先生と同じリアクションだ。
つまり、進歩してないのだよ。

あれから36年。
高さ25cmほどの白い「塔」は、それなりに重さもあってゴミに出すのに不燃ゴミか可燃ゴミかもよく解らず、そのまま今も手元に残っています。

結婚し、加とさんがコレを見つけた時、
「これって・・・あれ?イースター島の・・・モアイ?」

いやいや、イースター島のオブジェじゃなく、

新宿中央公園ですからっ!!

加「あの細かい鉛筆画を描く人が、なんでこんな妙な立体工作をするんだろうね?」

私だって解らないわよ。
ここまでダメ過ぎると、自分でも不可解(笑)

一体どんな代物なのか、全貌をお見せするのは死ぬほど恥ずかしいです。

でもね。
36年以上、部屋の隅に鎮座しているその「塔」は、
泣いたり怒ったり笑ったりしている私をずっと見守ってた。
ハタチの私が右往左往四苦八苦しながら作り、いわば私の魂が吹き込まれた思い出の作品です。

多分、これからも、私の傍らで、
ダメな私を見守ってくれる気がして、やっぱり捨てられないのです。
今日は成人式ですね。ハタチの皆様、おめでとう。

30年なんてアッちゅう間に過ぎて行きます。
日々を大切に過ごしましょうね、お互い。画像1

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