ハンマー整形のお話
例えばヤマハグランドピアノで、ハンマーに弦跡が深くついている場合、ペーパーでハンマーを削って綺麗なハンマーにしたいと、思いますよね。良い音になると思うし、弾かれる方にも喜んでもらえると思うし。
ピアノの製造時期、ハンマーの製法、メーカー、使用頻度などなどなど、そしてハンマーの状態によって様々ですが、短期間で酷使されたハンマーは、いわゆる肩の部分が固くなっているので、ハンマーを整形しただけでは喜んでもらえる音になりません、と思います。
↑のような情報を考慮して私は、整形をする前に、固くなった肩の部分に、針を入れます。硬さを指で確かめながら、音も聴きながら。
これは一つの方法です。
ファイリングする前に針を肩の部分から上に向けて触った感触を確かめながら入れて、その後ファイリングします。
そう、私の考えでは、ハンマーに手を入れる時、最後にファイリングして終了、と考えています。(弦当たり、3弦同時接触の修正もありますし)針の次にペーパー。(まあ、そうではない時もありますが、今回のお話は、弦跡が深くついていて、よく弾かれている、例えば国産グランドピアノに通じるお話と思います、ハンマーの製造方法や年式によって、違う事もあります)
なので、削ってから音を聞いて、針を入れる、というのは順番が逆と思います、例えばヤマハなどではそう考えています。
あくまでも、弾かれる方に喜んでもらいたい!そこだけで仕事してます。
先日、そんな仕事があったので、写真をいくつかUPします。
(事前にお客様の感触、こちらのご提案をお話した後の事です)ハンマーを削りたいなと思ったら、まず針を入れます。
音を聞いて、おっし!これでいけるか!?と思ったら(ペーパーの番手にもよりますが、私はもうひと超え下げます、ペーパーで削るのでね)ハンマーを整形します。
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