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インテリアデザイナーの色彩レポート

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インテリアデザインにおいて、視覚的にも重要な色彩について。カラー心理カウンセラー&カラーセラピストとしての観点からもレポート。カラーデザインをメンタルにも美しく。
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#空間デザイン

階段室を楽しむ!壁紙や壁色がもたらす空間演出の変化

オフィスの階段室をリニューアルしました。ここはもともと築年数のあるビルをフルリノベーションした物件です。時代を過ごしたしっとり感を残し、前回はファクトリー感あるグレーベースでまとめていました。 同じ空間でも、その色や模様や配色で大きく印象が変わってきます。 ■Before ↑ :グレーベースでまとめた場合:床の素材はBOLON。壁面は塗装にペイントでサインをデザインしていました。ボロン社はスウェーデンで1949年に創設されたフロア材メーカー。スウェーデン伝統の"はぎれ織り

カラーの生地の美しさ

今日はカーテン関連の打ち合わせ。こちらの生地は、シンプルだけれども「発色が美しい」。スイス工場でこだわって作られています。 シンプルな生地でカラーバリエーションが多い。シンプルだからこそ、その質感が問われます。織も丁寧で特に、遮光カーテンの生地の発色のきれいさは、特徴的です。通常の遮光生地は多くの場合、遮光の黒糸色に引っ張られ、鈍い発色になりやすく、色も生地も「もっさり」した感じになりがちなのです。 遮光カーテンにしたいけれど、きれいな発色で軽やかに品良く。そんな場合には

国旗のデザインと色彩に表現されている各国の思想

昨日のお話では、近未来とファンタジーへの色彩心理を書いてみました。大きくは色彩感覚は、時空を感じても共通認識があるというように、人類的に近しい色彩心理感覚がある。(あら、だんだん話も大きくなってきてしまっているようだが、そうなんですよ!)ある意味、「当たり前」みたいに発信され、受け止められているので、実は気に留める間も無く、「色彩言語」はほぼ「世界共通語」?!であると。…一度、言い切ってみましょう。(更に詳しくは、またの機会に展開するかもということで) 今回、注目したいのは

近未来とファンタジーにおける空間デザインの想像と創造について

昨日の映画。思い出しました!『パッセンジャー』(原題: Passengers)でした。〜2016年のアメリカ合衆国のSF映画。日本では2017年3月24日に公開され、日本版のキャッチコピー:「乗客5000人 目的地まで120年 90年も早く 2人だけが目覚めた 理由は1つ…。〜という映画です。 この映画について語ろうとするなら、例えば私がこのストーリーの世界にいたのなら、乗客5000人の中に乗り込み、120年後に目覚める選択をするのか?しないのか?などと、考えたりしていまし

2018年ミラノデザインウィーク・ミラノサローネ報告/トレンドカラー 分析レポート

2018年ミラノデザインウィーク/ミラノサローネについて、独自のリサーチ報告をポイント別にご紹介していきます。(先日の社内報告から更に膨大な画像も分析の結果まとめたものです)第一弾として【part1トレンドカラー】について。各社でもサローネ報告会等の開催多いこの時期、それぞれの目線からのまとめられています。偶然に重なる部分は共通認識として、一つの大きな傾向であると感じられます。一例としてのご参考にしてみてください。 ~2018年ミラノサローネ報告part1トレンドカラーをキ

緑色の曖昧。デザインや空間での取り扱い説明

そうなんです。例えば、「好きな色は、緑色」。「緑色のソファをメインで考えたい!」と言うような、リクエストがあったとします。(実際の空間づくりでもカラーコーディネーションは重要でもあるので、色がポイントだったり出発点となるデザインも少なくありません。中でもこの「緑色」問題?!いえ、全然問題ではないのですが、好きな人も多い色だけに、その「緑色」について考えていきます。 まず、みなさんは、緑色…どんな緑色がイメージされますか?何度かでている色材の三原色は、シアン(Cyan)/マゼ