マガジンのカバー画像

インテリアデザイナーのライフレポート

66
何を見て、どう考えて過ごしているのか?実際的なライフシーンをほぼリアルタイムや大切な記憶からレポートします。
運営しているクリエイター

#写真

本物素材を操る

建築空間やインテリア空間をデザインしていく場合、様々なマテリアルがあります。取扱の中で、難易度の高いものの一つとては「天然素材」・「自然素材」・「本物素材」…あれ?これらの呼び方の違いは何でしょうか?どれも、感覚的には「人工的ではないもの」ということは伝わってきます。建築業界的には、「天然素材」と「自然素材」はほぼ同等のイメージで、木や石はできるだけそのまま、化学物質や化学建材ではない天然素材。材料はそうでも化学薬品で加工や混入されていたり、合成接着剤が使われたり、化学薬品を

ものづくり。って楽しいということを

先日、こちらでもご紹介していたワークショップ「トンテンカンマルシェ」が週末に開催されました。ご参加いただいたみなさま!ありがとうございました。素敵な作品や子どもたちの笑顔にたくさん出会うことができました。 例えば↓こちらの「キーボックス」。内側には自分で選んだ壁紙を自分で貼って、木枠を組み立て、釘を打ち付け…仕上げていきます。 壁紙選びも楽しみながら、壁紙のどの部分を、メインで出そうか?一緒にあれこれ考えて、私たちは制作をサポートしていきます。 慣れない手つきでの釘打ち

巾木だって選べる

暑い日が続いていますが、皆様お元気ですか?私はこのところ物件の提案やまとめに追われておりました。さて、そんな中で本日は、「巾木」についてのお話です。床と壁の納まりを整えつつ、壁を保護する巾木(はばき)。普段はひっそりと目立たない存在なので、みなさんの生活の中では、ほとんど意識してはいないかもしれません。けれど、掃除機かけている時に、壁にゴンゴン当たっても、この巾木が受け止めてくれていたりします。 そんな、たかが巾木。されど巾木。基本的には機能的なパーツの分類でもありますが、

荒野のバスルーム

梅雨空が続いていますね。そんな時は、素敵な空間に思いを馳せます。例えば…こんな風にカラッとした空気の中でゆったりのバスタイム。想像するだけでも、晴れやかになりそうです。 行きたいホテル:AMANGIRI 窓のスリット具合と高さと景色と、全てがシャッキリと伸びやかで、けれども冷たい感じがしない。上質なアメニティから匂い立つ、あのAMANの香りを思い出します。噂によると…世界で一番予約の取れないAMANらしい。

カラーの生地の美しさ

今日はカーテン関連の打ち合わせ。こちらの生地は、シンプルだけれども「発色が美しい」。スイス工場でこだわって作られています。 シンプルな生地でカラーバリエーションが多い。シンプルだからこそ、その質感が問われます。織も丁寧で特に、遮光カーテンの生地の発色のきれいさは、特徴的です。通常の遮光生地は多くの場合、遮光の黒糸色に引っ張られ、鈍い発色になりやすく、色も生地も「もっさり」した感じになりがちなのです。 遮光カーテンにしたいけれど、きれいな発色で軽やかに品良く。そんな場合には

インテリアデザイナーに必要なこと

何だろう?と書いてみる。基本的なスキルはもちろん必要。それは車の運転するなら、免許証が必要なように、スタート地点の大前提。けれどもそれが「運転免許証」という◯◯資格やライセンスが必要ということではなくて、例えば車の運転するなら、交通ルールがわからなければ危険だし、運転操作のスキルがわからなければ、走れない。そういう意味での基本スキル。 その基本スキルがある前提で、やっと、公道を走り出すのだけれど、最初は仮免許のように、じっくりと丁寧に。時々、ドキッとするような(大事故は避け

空気を感じる敏感肌/GINZA編

今日は、雨の銀座でお打合せ。終了後に、立ち寄ってしまうところ。以前の銀座で好きだった場所は、私はやっぱり「プランタン銀座」。銀座に行ったら、ほぼ確実に行っていました。根底的に?フランス好きでもあるためか?ヨーロッパライクで上品なライフスタイルなエスプリにそそられてしまうのです。PRINTEMPS独特の香りがあって、あの香りが好き!今でも時々思い出すけれど、日本の中であの海外デパートの香りを漂わせていたのは、やはりプランタンならでは。あの香りの中で、フランス語の館内放送に包まれ

Bagdad Café

梅雨っぽい日々です。お元気ですか?夏に見たい映画。という文字が飛び込んできたから、チラリと考えてみたのです。 そしたら、思い浮かんだのが、Bagdad Café。『バグダッド・カフェ』(原題:Out of Rosenheim、英題:Bagdad Café) :1987年制作の西ドイツ映画。 あの乾いた空気感と曲がリピートし始めて…ストーリーを思い出そうとしても、途切れ途切れのシーンと、やはり乾いた景色ばかり。夏のジリジリ感の中でマッタリともう一度見たいな。と私にとっては「

ニッチな話

それって、ニッチだよね。とか、みなさんの会話でも使っている「ニッチ」。みなさんはどんな感覚でとらえてますか?「隙間的な」大衆的ではなくてコアにしぼられているような…そんなイメージではないでしょうか?マーケット用語では、ニッチ産業とか隙間産業とか、大手がまだ着手していないような限られた部分への特化の着目のような意味合いだったりもします。 そして、建築用語でのニッチ(Niche)は、「くぼみ」の意味があり、壁面をくぼませた収納や飾り棚として使われます。凹ますので壁面をくりぬいた

デザインをカタチにするために

本の飾り方/自分ルールの入れ違いからの発見!

お気に入りの本の、本棚。どうやって整理をしていますか?多くの方は、カテゴリー別・サイズ別・作家別・連番など、自分ルールで「しまって」あるのではないでしょうか?整理の場合は、きっとそれが使いやすく見やすいでしょう。 けれど。「飾る」場合は?見た目も大事!!例えばこんな感じで↓ この場合のルールはなんでしょう?はい。正解です。背表紙の色分けとサイズ別。もちろん、それだけではなく、更には、どの目線で何色系。あまり目立たせたくないもは目線下。取りにくくなるから、上部は小物を飾る。

グレーの選択

進行中の案件。駐車場のプチリニューアル。壁面ディスプレイをデザインし、今回はフルオーダーで作っていく方向になりました。飾りたいものをどこに、どんなバランスで?を細かく検討し、それらを引き立てる色は?周りとの色のバランスは?などなど、基本的な部分を決めつつも、最終的には実際の場所で打ち合わせをして行きます。 事前に絞り込んだ色から、サンプル板を作成してもらい、またまた、その場で実際のイメージを膨らます。例えば色について、今回は「グレー」と言ってもその濃さやベースの色などなどで

緑色の曖昧。デザインや空間での取り扱い説明

そうなんです。例えば、「好きな色は、緑色」。「緑色のソファをメインで考えたい!」と言うような、リクエストがあったとします。(実際の空間づくりでもカラーコーディネーションは重要でもあるので、色がポイントだったり出発点となるデザインも少なくありません。中でもこの「緑色」問題?!いえ、全然問題ではないのですが、好きな人も多い色だけに、その「緑色」について考えていきます。 まず、みなさんは、緑色…どんな緑色がイメージされますか?何度かでている色材の三原色は、シアン(Cyan)/マゼ

現地具合Befor