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隔離されたイワナ達に会いに。 #22

 こんにちは。今回もお魚の話になってしまいますがどうぞお付き合いください。
地元の河川をはじめ、こんな山奥まで?ってところまで見かける存在の砂防ダム。
日本に存在する砂防ダムの数は約9万基だそう。9万基ですよ、そりゃ水が流れてないような小さな沢でさえ見かけるわけです。砂防ダムの役割はざっくり言うと、土砂災害を食い止め、下流域を守る。こんな感じなわけですが、砂防ダムについて詳しくは今回は触れず、その何万と連なる砂防ダムに隔離されてもなお、命を繋ぐイワナに会いに行ったお話です。

個人的に好きな川の規模は沢のような小さな流れ。
こんなところにもイワナがいるの?という沢が何だか冒険したくてワクワクしちゃいます。案外こんなところに!って感じでイワナいるもんです。今回の流れはこんな感じ。

本流へ合流する最下流はこんな感じの流れ。ここをルアーで攻めちゃいます。
1番最上流までは行ったことはありませんが、今回はここから2kmほど釣り上ります。標高760m付近から登りはじめ退渓地点は880mぐらいで獲得標高は120mほど。2時間くらいかけてゆっくり沢を登ります。ゆっくりと言っても砂防ダムは退渓地点まで大小含めて7つあり、高巻きも何回もしなくちゃいけないのでちょっぴりハードな釣行です。
帰りは沢を降ってくるのは大変。最初に退渓地点にMTBを置き、帰りは楽しちゃいます。

さてさて、朝は自宅でゆっくりと準備をして出発です。
自転車を車に乗せ、釣り道具やら水やら色々と車に詰め込みます。

釣り場までは自宅から車で1時間ほど。まずは退渓地点に自転車を置きます。
そこから入渓地点まで移動し、川歩きの支度を済ませます。
10時30分入渓です。渓相はこんな感じ。下流部の砂防ダムを超えると一気に森深くなります。

ここは本当に人があまり入らないのか釣り人痕跡がありません。下流域の様子じゃよっぽど物好きじゃないと足を踏み入れないのかもしれませんね。釣り人の痕跡がない分、獣の気配はすごいです。砂防ダムの周りは動物達の水場にもなっています。至るとこにフィールドサイン。動物達の住処にお邪魔させてもらっていますが、怖いのでしっかりと音を鳴らし存在を知らせます。

肝心なイワナの反応はというと、やはり人的プレッシャーが少ないのかルアーに反応する魚体が多く高活性な様子。

入渓し1投目で釣れたイワナくん。角度によってはヤマメのようにも見えます。
この沢のサイズはこんな感じが多いです。

今回の釣行ではこのルアーを試してみました。

ボディとリップは全てヒノキを使用し、漆を塗ったシンプルなルアーです。
サイズは45mmでチョロ沢には良い感じじゃないかなと。シンプルなルアーだけど、しっかり魚は釣れてくれました。漆の色とムラが何だか良い感じです。

魚の反応がよくついついゆっくり歩いてしまいます。そんな中でも、深い森の色は本当に癒されます。

予定していた全ての砂防ダムを乗り越え時刻は12時15分を過ぎた頃、最終の砂防ダムに到着です。釣果の方は今季初のツ抜け。反応も良く飽きない時間を過ごせました。この時期にしては蒸し暑く、快適な川歩きではありませんでしたが十分な釣果で満足。

今日最後の砂防ダムはこんな感じであんまりみない形。存在感は抜群。深い谷に現れる人工物は何だか不思議です。そんな人工物を見ながら竿をたたみ、退渓地点まで斜面を登る準備をします。チェーンスパイクは必須です。滑りやすい土壌から、網目上に張り巡らされたコンクリートの斜面とバリエーション豊富なルートで退渓地点へ到着。
釣行時間は2時間てところでした。
登りきった達成感と、帰りの自転車の爽快感を期待ししばし休憩です。

自転車にまたがり車まで一気に降ります。これを歩いて戻ったら1時間を越えちゃいそうですが自転車は本当に楽。あっという間に車まで到着です。
お昼は先日お酒を買った千明千三郎商店さんでお弁当を買いランチタイム。

ボリュームも、彩も抜群で満足。腹一杯になったところで風呂へ直行。
温泉で体をリセットし帰路へ。

トータル的な釣行時間はそこまで今回はありませんでしたが、満足のいく釣り時間でした。隔離された環境の中を生き抜くイワナ達。全国にこのような環境は存在します。
そして、その隔離されたイワナ達は独特な個性を持ち生き抜いている背景があります。
土砂で埋れてしまえば、その生息環境は崩壊し貴重な個性は無くなってしまうかもしれないのも事実。そんな瀬戸際に立たされた魚、環境を知り、伝えていくことができるのは我々釣り人なのかもしれません。
私はこうして拙い文章と、ちょっとした写真で発信を続けます。そして、少しでもこんな場所にイワナがいるんだ。今度行ってみよう。冒険してみよう。そして限られた資源を大切にしてくれる釣り人が増えることを願っています。釣り人以外も、何となくでもいいから、自分の住んでいる町にはこんな魚、人、環境があるんだって知ってもらえるだけでも何かが変わりそうな気がしています。
皆んながハッピーになれればいいなーなんて思っちゃったり。

小さな町に住む、若い1人の釣り人の綺麗事にすぎませんがお付き合いいただきありがとうございました。

ではでは。

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