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MAO沼で踊りたい、あるいは正体不明のキャットウォーク

魍魎は捕らえどころがない化け物だ。頭を押えれば尻尾が逃げる。尻尾を押えれば切られてしまう。魍魎のことは知れば知る程解らなくなる。

京極夏彦『魍魎の匣』

うろ覚えのプロローグ

アンディ・ウォーホルが使った技法で、紫と黄色のドットを等間隔に交互に打つことで余白に残像が作り出した存在しない美しい灰色を作りだすというものがあるって話を20年ほど前に聞いたんですが、今検索してもソースが出ないので本当かどうかは分かりません。真偽不明の話をnoteの前置きにすなという話なのですが、「存在しない美しい灰色」っていう言葉が神秘的で頭の中にずっと残ってて、私はこれからも何かにつけてこのエピソードを思い出すと思います。
マックの女子高生、なんて揶揄されたりはしますけど、本当のことよりそれっぽい嘘の方が面白かったりしますしね。タラモサラダはタラコと明太子の略だと思った方がしっくり来るしサンリオの社名の由来は山梨県出身の創業者が山梨の王になりたい願いって思った方が面白い。本当は前者はギリシャ語で「魚卵」を意味し、後者はスペイン語の「聖なる河」が由来だそうです。本当のことって往々にしてつまんねえな。
なんかよく分からない話をしたところで、私の中の「よく分からないけど魅かれる」の代名詞であるMAO選手の話をしようと思います。

「正体不明の魅力」の世界基準

おもしれー男の交通事故

MAOさんを初めて観たのは例にもよって今は亡きぶらり路上プロレスでした。MAOさんはアメ横で路上ライブをしている怪しげなアイドルグループNωAのメンバーとして出たのが初登場で、高木三四郎&飯伏幸太&竹下幸之介という今からするととんでもねぇ3人を相手にアメ横の狭い路地で暴れたり、盗んだチャリで走り出したりする危険な19歳をしていました。
そんなんされたらもう……好きになっちゃいますよね……。
おもしれー男が大好きなので……。
遠藤“ヘラクレス”哲哉がいなかったら遠藤哲哉さん推してなかった可能性あるので……(キモ=オタクなので常日頃「DAMNATION時代をリアルタイムで観てたら遠藤さんにハマってなかったんじゃないか」とまで思ってて、だからこそBURNING始動のタイミングで巡り会えたことを奇跡の集合体だと思ってる)
名前が分かりやすくてクレイジーな思考を持った動きが派手な若人、とっつきやすさと未来感じて好きになっちゃう……。
特オタくずれの声豚だったのでMAOって名前を見聞きすると先に女性声優のM・A・Oさんが先に出ちゃう深刻なエラーもありましたが、ぶらりの再生回数ソートができたら恐らく1番観てたのは江ノ島回、2番がアメ横回だったと思います。いやこの流れでMAOさん出てる回が1番じゃないんかいって思うかもしれませんが、それ言ったら今の推しがDAMNATIONとして出てた回たぶんそんなに観てませんからね……箱根編より横浜中華街編の方をよく観てた自信があります。中華街で暴れ回る酒呑童子カッコよかったですね。坂口さんが何かのモノホンに見えましたね。何の話をしてたんでしたっけ。わからない。自分で自分が分からない。
閑話休題。
ぶらり視聴回数推定ワンツートップ回が今思うとガイナックス(樋口さんとMAOさんのタッグ名)それぞれの初出回ですね。偶然って面白い。

現地に行くようになったタイミングというか、現地に行くきっかけが推しである遠藤哲哉さんがKO-D無差別級に挑戦することが決まったことだったので前哨戦でThe37KAMIINAとBURNINGとの試合が結構な頻度で行われており、MAOさんはDDT UNIVERSALの挑戦が決まってからはDAMNATION T.Aとぶつかることが増えたのですが当時のUNIVERSAL王者だったカリスマも好きなので、自然とね……なんて緩やかに落ちてるように書きましたが2回目の現地の大会前チェキ会で既にMAOさんとチェキ撮ってるし撮ろうとしたきっかけはその数日前にあったしゅんまおインスタライブでコメント読んでもらった上にバカ受けしてくれたからだったのでかなり序盤から無意識に沼にズブってます。垂直落下式沼落ちです。
インスタライブを観てなくても選手の顔と名前とファイトスタイルが分かり始めて自分が誰を推したいのか分かるきっかけになった東京ドーム路上プロレスにも“““いた”””し遠藤さんの2021年最後の試合も2022年最初の試合も対戦相手にMAOさんいたし、前述の通り推してる選手のタイトルマッチ前哨戦に大いに絡んでたし、オタクというか私が好きな萬屋パロ要素と路上プロレスを組み合わせたスーパーエンカウント!もあったしな……遅かれ早かれ魅力に引き込まれてたんだろうな……。
結果を収束させるとか因果か運命でも操ってるのか??????????
プロレス界のレミリア・スカーレットか??????????

クレイジークレイジーアンドクレバー

印象ではとうに理解ってたMAOさんに惹かれる理由の言語化ができるようになったのは2022年3月、サムライTVの情報番組『速報バトル☆メン』にMAOさんが竹下さんと共にゲスト出演した際に、MAOさんがDDT UNIVERSALの挑戦表明をした時の心境などについてお話ししているのを観て「井上麻生がMAOについて語ってる」という印象を抱いたからでした。インタビューで自分自身そのものではなく何かの基準によって定義した自分について語ることはままあると思うのですが、MAOさんにおいてはその距離感がわかりやすかった、というか、あからさま、だったんです。
あくまで私の主観なので話半分以下で読んで欲しくはありますが。
リング上で、あるいは試合後コメントやTwitterで述べたファンキーでクレイジーな言葉の連なりには明確な筋が通っていて、しかし開設された全てが本当と飲み込むには「アイアンマン獲って調子に乗ってたタイミングで佐々木さんに勝っちゃったのでUNIVERSAL挑戦しようと思った」という、十中八九盛ってるか結果論で言ってるだろ……みたいな言葉も挟み込まれているため咀嚼が難しく、それでいて「いや、もしかしたら“““ガチ”””かもしれねえ……MAOさんだし……」という消化への可能性も見せられてしまう。どこまでが真意かは本人にしか分からない。下手をしたら本人がある程度コントロールをしていない面もあるかもしれない。人の心も思考も白黒はっきりつかない灰色とグラデーションとぼやけた輪郭で構成されているものですが、MAOさんはMAOを観測しようとしている人間ひとりひとりに、自分のシルエットをベースにした図画でロールシャッハテストをしているような印象が強く残りました。そこに浮かび上がって見えるのは間違いなくMAOであるがどこまでが実像でどこまでが観測者が脳内補正をした輪郭かはわからない。だが、どこから誰が見てもMAOはMAOである……そんな印象です。比喩を重ね過ぎて自分が何を書いているのかわからなくなってきたな。
ただひとつ分かったことは「こいつ……あほっぽい喋り方と気が狂った言葉選びでカムフラージュしてるけどめちゃくちゃ頭がいいしセルフプロデュースがクッッッソ上手いぞ……!」という一点だけでした、という話です。
こういうのをプロレス脳と言うんだろうな、何もわからないけど……わからないまま怪文書を書いているしわからないまま語りたいぐらいMAOさんは魅力的……。
まあ頭がよくないと体系立った狂った発想を編み出し続けることはできないわけですが。はい。
プロレス界のフランドール・スカーレットか?
そんなん……抗えないだろ……。

人気投票にこのラインナップで投票して10年秘封書いてるオタクがフランちゃん彷彿とさせる言動の人間に抗えると思ってんの?
私の情緒がコンティニューできないのさ。
このくだりが分からないって人は特に調べなくていいです。
ただの気持ち悪いオタクの断末魔です。


頭がいいのがバレそうになるとはぐらかすよね~。バランス感覚うますぎ男かよ。

メモ書きに残っていたガチの怪文書

量子力学の話の時に引き合いに出されるのが「人が月を見ていなければ月は存在しない」という言葉ですが、このnoteの構成を考えている時にふとこれを思い出して、更にMAOさんが3WAYマッチ4WAYマッチでよく叫ぶ「私を見てー!」という声を想起しました。
セルフプロデュースを徹底して自己をMAOとして見ているMAOさんも、観測されなければMAOとして存在できないのかもしれないですね。
こいつ何書いてんだよ……。

結論なきエピローグ

MAOさんすっっっっき……。
これからもテツヤと仲良く喧嘩してね。ぴえん。
ご清聴ありがとうございました。


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