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世界で初めてのPowerPointによるプレゼンテーション

仕事でPowerPointのスライドばかり作ってる時期があって、いい加減イヤになった頃、ふと「そもそもPowerPointってなんでそういう名前になったんだろう?」と調べてみた。

 まず「Power Point」というのは英語でコンセントのこと。僕はoutletだと覚えていたが、これは米語で、イギリスではpower pointらしい。さらに、PowerPointは、もともと「Presenter」という名前だったが、商標の問題で「PowerPoint」に変えたらしい。

 さらに調べていくと、PowerpointはForethougt社が作ったものだったが、PowerPointごとMicrosoftに買収されたそうな。 その開発者の一人がRobert Gaskinsという人で、その人のサイトでは、PowerPoint生誕25周年を記念した本やTシャツなんかがおいてある。PowerPointの前身、Presenterが生まれたのは1987年で、Mac用のソフトだった。それから25年を記念したものらしい。その後1990年にPowerPoint 2.0がWindows 3.0向けに発売されたので、2015年は、PowerPoint Windows版の25周年でもあった。そのお祝いをしていたようだ。

 このGaskinsさんのページにはいろいろおもしろい情報がある。特に、「世界で初めてのノートPCによるPowerPointプレゼンテーション」の項目が面白い。詳細は原文を読んで頂きたいが、冒頭はこんな感じ。

世界で初めて、ノートPCを使ったPowerPointプレゼンテーションが行われたのは、1992年2月25日、パリのホテルレジーナだった。 私はPCを小脇にかかえ、世界中から集まったマイクロソフトの関係者でうめつくされた講堂に足を踏み入れた。 私は聴衆を通りぬけ、壇上に上がると、持ってきたノートPCを開き、ビデオケーブルに接続した。そしてPowerPoint 3.0 for Windowsの説明を開始した。ノートPCのスライドは冷蔵庫ほどもあるプロジェクターを通じて、背後にある巨大なスクリーンに投影された。それまで誰もPowerPointがポータブルデバイスで走るところなんて見たことがなかった。それまで顧客とおしゃべりしてたMicrosoft社員も、すぐに何が起きたか、これはプレゼンテーションの未来に革命を起こすということを理解したようだ。 会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

 彼は、はじめてノートPC上でPowerPointが動いた時、これが世の中を変えることを理解していたのだろう。その「世の中を変えるもの」が入ってるノートPCを小脇にかかえて講堂に足を踏み入れるときの高揚感が伝わってくる。

 こういうの、例えばジョブズがiPadやiPhoneを発表した時も似たような高揚感を感じたんだろうと思う。世の中の人が熱狂するに違いないデバイスをポケットに入れたまま、壇上へと進む。しばらく思わせぶりなスライドを見せつつプレゼンしつつ、おもむろにポケットから新しいデバイスを取り出す・・・。激しいフラッシュ。大歓声・・・。

 数学でも似たようなストーリーがあったと思ったら、ワイルズによるフェルマーの最終定理の解決の場面だ。 彼はこの話が世界を大騒ぎさせることがわかっていた。すでに噂を聞きつけた聴衆が多数かけつける。 そしておもむろにチョークを取り出し、淡々と証明を説明し、最後に「これで証明を終わりたいと思います」・・・割れんばかりの大歓声・・・。

「自分もいずれ、そんな舞台に・・・」

そんな妄想をしつつ、今日もPowerPointでプレゼン資料を作るわけです。ふぅ

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