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24時間のセルフジム

24時間のセルフジム。僕はいつも朝5時頃ここを利用する。 静かで自分のやる事に集中出来るからだ。 そして、人影の無い、がらんとしたこの空間で瞑想に耽るのが好きだ。 脚が悲鳴を上げ始めたので、僕はフッとプレスを中止して目を閉じる。 かすかにBGMが響く中で、ダッダッダッとジョギングマシンを使っている音がする。 目をやると、女が、爽やかなライムグリーンのブラとパンツで軽やかに走っている。 僕は立ち上がりそのコーナーに向けてオーイと呼びかける。 女が一瞬振り向く。吸い込まれそうな黒い瞳だ。優しさく深く輝いている。笑みを浮かべる唇は艶やかだ。女は再び前方を向いて走り続ける。 僕は再びオーイと呼びかける。 次の瞬間、女の姿がフッと消え去る。 遠い昔に別れた妻だ。 目を開けるとジムは涙に歪んでいる。

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