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スポーツ選手の夢

自分の夢は何だろうか?私は小学1年生からずっと剣道をしている。今までは「夢は何ですか?」と聞かれると「剣道で日本一になります!」と答えていた。しかし結局その夢は叶わなかった。そして今私は就職先の選択肢として剣道を諦めた。正確には剣道よりもワクワクできるものを見つけたからである。

早くも夢を諦めた大学生

子どものころに抱いていた夢が叶わずに諦めたことはありますか?

はい……221人(52.5%)

いいえ……191人(47.5%)

調査人数:男子大学生203人・女子大学生199人
(引用)https://images.app.goo.gl/6MuUa1aUXnveBTj76

大学生の半数以上が、すでに夢を諦めてしまったという結果に。
「人生100年時代」と言われる昨今、人生まだ4分の1にも満たないのに諦めるのは、まだ早いのではないか?
私の意見はスポーツを志す人がトレーニングや、その競技の技を磨くといった時間に対してすら、労働の対価をいただけるような文化が生まれなければならないと思う。現状は、その競技ごとのトップの数人とか、プロになってレギュラーにならないとまともに飯も食えないスポーツが多い。また、プロになっても競技にはよるが選手生命の短さや、引退後のリスタートの難しさが大学卒業に近づくにつれ、諦める人が多く出ている理由なのだと思う。

プロサッカー選手の例

プロサッカー選手になることは、どの程度難しいのだろうか。2015年度のデータを基に算出してみると、15歳以上の男性のサッカー人口は約33万人、例年プロ契約を結ぶのは120人程度なので、その確率はわずか0.036%である(※JFAウェブサイト参照)
つまり約3000人に1人しかプロ契約を勝ち取れない。これはサッカーだけではなく、他の競技でも同じことだろう。社会で生きていくということは、多かれ少なかれ競争である。そのことを考えると、この「競争力」はアスリートの大きな武器であり、スポーツ以外の分野でも大いに活用可能な力なのではないかと思う。

プロ引退後の困難

上記のようにアスリートは、社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な力と競争力を有する。そう考えるなら、アスリートは引退後も幅広い分野で活躍し、社会に貢献できるはずだ。
しかし、現状は必ずしもそうではない。引退後の就職先で力を発揮できずにくすぶってしまう元アスリートは数多い。また、セカンドキャリアの選択肢が、指導者をはじめとする競技に関連する仕事であったり、もしくは企業に就職するにしても、スポーツ関連業界や営業職など業種・職種が極端に限られている。これにはさまざまな原因が考えられるが、大きく分けてアスリート側の問題と、受け入れる側(日本社会)の問題とがあると思う。
一概には言えないが、アスリート側の問題は競技を通じて社会で活躍するために必要な力を高いレベルで身に付けているはずなのに、そのことを自分自身が認識していないために、「自分はスポーツをしてきたので、それを通じて身に付けた、考え抜いて計画的に物事に取り組む力があります!」といった言葉ではなく、「自分はスポーツしかやってこなかったので……」という、まるで競技を続けていることがマイナスであるかのような言葉が出てくる。
もう一つの問題は日本の労働市場にある。近年、徐々に改善傾向にあるが、学歴を重視しての新卒一括採用はいまだに顕在である。また、年功序列や終身雇用の名残もあり、日本の労働市場の流動性は低い。新卒のタイミングを逃すと、一般的な企業への就職は難しくなる社会制度がいまだにある。
企業側にもアスリートの人材としてのポテンシャルに目を向けてほしいと思う。労働人口の高齢化により、国内の優秀な人材の確保は年々難しくなっている。国の政策レベルでも、「一億総活躍社会」という労働力不足に対応するための策を優先事項として挙げている。「元アスリート」は、人材プールとしてほぼ未開拓のマーケットであり、そのポテンシャルを眠らせておくのはあまりにもったいない。

最後に

私は剣道を続けてきた中でとにかく勝ちにこだわり、何のためにやっているのか、どうなりたいのかをほとんど考えず、日本一を目指していた。
しかし、就職活動をして自分は剣道が好きなだけでなく、剣道を通して日本一になる事で周りの支えてくれた親、仲間に恩返しがしたかったのだと思った。剣道はプロが無く、大学を出ると警察、教師、実業団の選択肢しかない。
しかし、応援してくれる人に恩返し(貢献)する事は剣道以外の場所でもできる。
今まで剣道しか知らなかった狭い視野で生きていたが、これからの自分への可能性にとてもワクワクしている。人に貢献できる人、感謝の集まる中心になりたいと思う。それが今の私の夢だ。