AI to tsukuru Mirai (AIと創る未来)

AIは「Artificial Intelligence」の略で日本語では、人工知能と訳されます。
ただ漠然と「すごいもの」「便利なもの」と考える人が多いのではないでしょうか。一方で「AIに仕事を奪われる」と不安に思う人も増えてきているのではないでしょうか?

目次
・AIがなぜ仕事を奪われると言われているのか
・AIに仕事が奪われないという事実
・AIについての基本的な機能
・まとめ

・AIがなぜ仕事を奪うと言われているのか?

大手の銀行がAIによる業務効率化を前提とした人員削減の計画を発表するなど、AIが仕事を奪うと言われることが多くなりました。
そもそも、なぜAIを敵視する「AIに仕事が奪われる論」が説かれているのでしょうか。
その理由としてこのような事があげられます。

▼オックスフォード大学などの研究結果

2014年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授がある論文を発表しました。その名も、THE FUTURE OF
EMPLOYMENT(雇用の未来)。
この論文は世界に衝撃を与えました。AIが発達することで、自動化が進み、人間の仕事がなくなってしまうと予測したのです。

調査では、
・テレマーケター(電話を使った販売活動)
・不動産の権原検査員
・手縫いの裁縫師
・数理技術者
・保険事務員
などの職業は、高い可能性でなくなると予測されました。

このオックスフォード大学が発表した論文がAIは仕事を奪うという意見の大きな原因となっています。

・AIに仕事が奪われないという事実

AIが仕事を奪うと言われる原因がわかりました。しかし、歴史から考えてみると、AIの登場による破壊的イノベーションは仕事を奪うとも言い切れないかもしれません。

▼ ラッダイト運動

ラッダイト運動とは、産業革命時に、機械の登場により失業する恐れを感じた労働者たちが、機械を破壊した運動のこと。当時は大きな社会問題になりました。

ここで注目したいのが、ラッダイト運動の「あと」です。ラッダイト運動の後は、町中に失業者があふれたという事態にはなりませんでした。むしろ技術がの進化したことで、労働者の作業効率が上がり、企業の生産力が向上したのです。
結果として、増えた利益は資本家から労働者に給料として配分され、所得が増え、中産階級が生まれました。革新的技術の登場は生産性・賃金アップの可能性があるともいえるでしょう。

▼ AIは仕事を生み出す

AIは仕事を奪うという予測を出したのはオックスフォード大学でしたが、正反対の予測を出している調査もあります。

大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、AI・人工知能は人間から仕事を奪うよりも、多くの仕事を新たに生み出すだろうと予測しました。
PwCの予測によれば、輸送業や製造業などの分野の一部は確かにAIが仕事を奪うと述べられていますが、他の分野ではAIのおかげで新たな雇用が生まれ、結果的に仕事が増えると予測されています。

AIは仕事を奪う可能性はもちろんありますが、新しい仕事を創出するという考えを忘れてはいけません。

・AIについての基本的な機能

現時点でのAIの機械学習による働きは、主に「予測」「分類」「実行」の3つです。

予測:企業の売り上げや需要の予測、各個人の興味や関心事の予測などを行います。
分類:顔認証や音声認識、迷惑メール判定など、情報やデータを分類します。
実行:自動運転や機械翻訳、囲碁や将棋などのゲーム攻略の領域です。作業の自動化や表現の生成、行動の最適化などを行います。

▼ AIは「拡張機能」

「AIに仕事を奪われる」という意見も散見される一方、「AIの活用を進めなければならない」という意見も聞かれることが増えてきました。
というのも、AIは人間の身体能力を増強する側面もあります。人間の知的機能の限界を、AIは拡張できるという見方です。

例えば、翻訳をできるAIの活用が進み、世界中の人とスムーズに会話できるようになれば、それは人間の言語機能が拡張したとも捉えることができます。

このようにAI時代で人である私達がAIを「人間の拡張機能」として考えてみるといいかもしれません。

・日本のAI導入率

上の図のように日本はAIの導入に遅れをとっています。日本企業は良質なデータの保有を強みとする一方、それを活用する人材や業務運用ノウハウの不足が課題になっているのです。

また、AI導入率がまだまだ低い理由は「AIはコストが高い」というのも大きな課題になっています。

・まとめ

AIをより深く理解する事で少し考え方が変わったのではないでしょうか。AIは既にさまざまな分野に活用され、成果を上げています。これからさらに研究が進むにつれ、幅広く利用されることは間違いないでしょう。それによって人間は仕事を奪われる、といったネガティブなイメージがありますが、ポジティブに捉えればやらなくてよい仕事が増えるとも考えられます。
AIを味方につけ、1つの便利ツールとして利用する側になれば良いのです。そうすれば、より働きやすく、より自由な選択肢が増えていくでしょう。