かつやと私のエピソード

数年前のこと。無性にカツ丼が食べたくなった私はお昼にかつやに行くことに決めた。

とにかくカツ丼を欲していたわけだが、他にもかつやに行くと決めた理由があった。
その日はとんでもなく喉が乾いていて、冷たい水を大量に飲みたい気分でもあったのだ。私は体もデカく、昔から大水飲みなので2リットルくらいは飲みたい気持ちだった。
その日の候補は、松屋かかつや。
しかし松屋は水が冷水機なので昼時はそんなに冷たくならないので、水をピッチャーで用意しているかつや一択となった。

颯爽とかつやに車で向かった。頭は冷たい水と大盛りの熱々のカツ丼。

入店すると昼時なのでやはり混んでいてカウンターに着席。
注文は松竹梅の松。カツ丼の松、大盛り!!

んで、水のグラスが置かれたのですぐに飲み干し、店員さんが近づくのを待つ。混んだ店内なので、なるべく店員さんの手は借りたくない。店員さんが近づきたときに水のピッチャーをもらうつもりだった。

その店は、テーブル席とカウンターがあって、テーブル席には水のピッチャーが置いてあるが、カウンターにはピッチャーは無かった。
しかし、カウンター内に8個くらい水のピッチャーが置いてあったのを私は確認していたのだ。

店員が近くに来たので、「すいません、凄くたくさん水を飲みたいのでピッチャーでもらいたいんですが」と伝えると、
店員「いえいえ、その都度注ぎますよ」
と言って注いでくれた。
私はすかさず「店内混んでて呼ぶ止めたくないので、本当にたくさん水を飲むので、ピッチャーでもらいたいんですが、、、」と言ったが、それを断れられてしまった。

明らかにピッチャーは水が入った状態で余ってて、店員も忙しくアタフタしている。
それをわざわざ呼び止めて水のおかわりをもらうのは心が痛い。
その後もカツ丼が提供されるまでに2回ほど同じやり取りをしたがピッチャーは貰えなかった。

何かが吹っ切れた私はカツ丼を食うとともに12回水をおかわりして店を後にしたのだ。
その都度忙しそうに水を入れてくれる店員さんを不憫に思ってあんなに欲してたカツ丼を食べたのに満足度はかなり低かった。

普段はそんなことしないんだけど、店を出た後にかつやのホームページからその支店のお客様相談みたいのに投稿してみることにした。
クレームというよりあったことをそのまま書き、ピッチャーを渡してくれることのほうが客のためだし、店員さんのためでもあると、私はただそれを伝えたかっただけなのだ。


だが、店の責任者から数日後にあった返信は後味がかなり悪いものだった。

『お問い合わせについてですが、
「かつや」では、注文を取る、お茶を出す、お茶のお替りをつぐ、会計をする等の一般的な接客においては、お客様自身に行ってもらう「セルフ」ではなく従業員が行うものとして考えております。
また、お茶のお替りを回ることにより、お客様の状態を早く確認する(注文を取ってないお客様はいるか?お茶だしてないお客様はいるか?お茶からのお客様はいないか?等)こととしております。
カウンターにピッチャー等をおくことにより、お客様の近くにいかず、その確認がおろそかになることを危惧しております。
現状は、上記の理由でピッチャー等を置いてはいませんが、ジャストタイミングでお茶を飲みたいお客様の要望にひとりでも多く答える為に、
お茶お替りの強化を指導してまいります。
ご理解、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。
今後とも「かつや」をご利用いただけるよう、お願い申し上げます。』


こんな返信が来た。
従業員への指導を強化なんて絶対して欲しくはない。ただ、私は水を飲みたかっただけだ。
忙しい時間帯にわざわざ店員を呼び止める客のストレスをこの責任者は考えたことがないんだろう。
自分で水を注ぐことと、忙しい時間帯に店員を呼び止める行為で、後者のほうがいいと思う客はたぶんいないだろう。
どう考えても本当にお客を思うならピッチャーを置くべきだった。

無能なやつでも仕事をこなせるのがマニュアルだけど、無能な責任者がマニュアルを盲信するのはもう害だ。


私は水が飲みたかっただけなのだ




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